フルリモートはやめとけ?企業が後悔しない7つの対策と導入手順
「フルリモートはやめとけ」という声を聞き、自社でフルリモート雇用を始めてよいのか迷っている人事担当者の方も多いのではないでしょうか。確かに、コミュニケーション不足や評価の難しさなど、準備なしで始めると後悔しやすい働き方です。
一方で、最新調査ではテレワーク継続を望む正社員は8割を超えており、フルリモートは優秀な人材を全国から集める強力な採用武器にもなります。
本記事では、企業の人事担当者に向けて、フルリモートがやめとけと言われる7つの理由と対策、導入手順、採用・マネジメントのコツ、業務委託・副業人材を組み合わせた活用法までを解説します。読み終える頃には、自社がフルリモートを導入すべきか、どう進めれば失敗しないかを判断できる状態になるはずです。
フルリモートとは?「やめとけ」と言われる背景

まずは、フルリモートの定義と、なぜ今「やめとけ」という声が目立つのかを整理します。言葉の定義と最新データを押さえることで、自社の判断軸がぶれにくくなります。
フルリモートの定義とハイブリッドワーク・出社との違い
フルリモートとは、原則としてオフィスへ出社せず、すべての業務を自宅やサテライトオフィスなど遠隔地で行う働き方です。入社手続きや研修、日々の会議までオンラインで完結させる点が特徴です。
これに対し、週2〜3日出社と在宅勤務を組み合わせるのがハイブリッドワーク、原則オフィスで働くのが出社型です。「リモートワーク可」の求人でも実態はハイブリッドであるケースが多いため、自社がどの形態を指しているのかを社内外で明確にしておくことが、入社後のミスマッチ防止につながります。
データで見るフルリモートの現在地(2026年)
パーソル総合研究所「テレワークに関する調査(2026)」によると、2026年7月時点の正社員のテレワーク実施率は21.4%で、2022年以降は緩やかな減少傾向にあります。さらに、就業先が「原則出社」を求める割合は24.6%と2年連続で増加しました。
一方で、テレワーク実施者のうち今後もテレワークを「続けたい」と答えた人は81.6%にのぼり、2020年後半以降8割前後の高水準が続いています。総務省の令和7年版情報通信白書でも、企業のテレワーク導入率は47.3%(令和6年)と、約半数の企業が何らかの形でテレワークを導入しています。
つまり、企業は出社回帰へ、働き手はリモート継続を希望という「ねじれ」が生まれているのが現状です。このギャップこそが、フルリモートを採用戦略として活かせるチャンスでもあります。
「やめとけ」は働き手の声だが、企業側にも同じ構造がある
検索で見かける「フルリモートはやめとけ」の多くは、孤独感や自己管理の難しさに悩む働き手の体験談です。しかし、その悩みは裏を返せば、企業側のマネジメント設計や制度設計が不十分であることの表れでもあります。
働き手が孤立すればパフォーマンスが落ち、評価が不透明なら離職につながります。働き手の「やめとけ」は、企業にとっての「導入失敗のサイン」と捉え、次章で解説する理由と対策をセットで理解しておきましょう。
フルリモートがやめとけと言われる7つの理由【企業視点】と対策

ここでは、企業がフルリモートを導入した際に起こりやすい7つの問題を、原因と対策に分けて解説します。自社に当てはまるリスクから優先的に手を打つのがポイントです。
理由1:コミュニケーション不足で情報格差が生まれる
フルリモートでは、オフィスでの雑談や「ちょっと聞く」機会が失われます。その結果、業務の背景や判断基準といった暗黙知が共有されず、メンバー間で情報格差が生まれやすくなります。
チャットやメールはニュアンスが伝わりにくく、確認の往復で意思決定が遅れることも珍しくありません。対策としては、決定事項や議論の経緯をドキュメントに残す「ドキュメント文化」の徹底と、定例ミーティング・雑談用チャンネルの設置が有効です。「口頭で決めたことも必ずテキストに残す」というルールだけでも、情報格差は大きく減らせます。
理由2:マネジメントと人事評価が難しくなる
部下の働く姿が見えないため、「頑張っているか」ではなく「何を成果として出したか」で評価する必要があります。プロセス重視の評価制度のままフルリモートを始めると、評価への不満が一気に噴き出します。
厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」でも、上司は部下に求める内容や水準をあらかじめ具体的に示すことが望ましいとされています。職務内容や成果基準を明文化したジョブディスクリプションを整え、目標設定と振り返りを短いサイクルで回すことが対策の基本です。
▼リモートでも評価しやすい職務定義を作りたい方はこちら

理由3:若手・新入社員の育成が進みにくい
先輩の仕事ぶりを見て学ぶ「見て覚える」機会がないため、経験の浅い社員ほど成長が停滞しやすいのもフルリモートの課題です。質問のハードルが上がり、つまずきを一人で抱え込んでしまうケースも少なくありません。
対策として、メンター制度や毎日15分の短い朝会、画面共有でのペアワークを仕組み化しましょう。また、入社直後の1〜3か月だけ出社や対面研修を組み合わせるなど、育成フェーズに応じて働き方を変える設計も現実的な選択肢です。
理由4:労働時間の管理が難しく、長時間労働やサボりが起きやすい
フルリモートでは始業・終業の境界が曖昧になり、「働きすぎ」と「サボり」の両方のリスクが生じます。特に深夜のチャット対応が常態化すると、過重労働や健康被害につながりかねません。
厚生労働省のガイドラインでは、始業・終業時刻はパソコンの使用時間など客観的な記録を基礎として確認することが示されています。勤怠管理ツールの導入に加え、業務時間外の連絡ルールや「中抜け」の扱い(休憩または時間単位年休とするか等)を就業規則で定めておくことが重要です。
理由5:孤立感やメンタル不調に気づきにくい
同僚と顔を合わせない環境では、孤独感からモチベーションが下がったり、メンタル不調に陥ったりする社員が出やすくなります。しかも上司からは変化が見えにくく、気づいたときには休職・離職寸前ということもあります。
ガイドラインでも、コミュニケーション不足により上司が心身の変調に気づきにくい点が指摘されています。定期的な1on1、パルスサーベイによるコンディション把握、産業医やカウンセラーへの相談窓口の周知など、「見えない不調」を早期に拾う仕組みを用意しておきましょう。
理由6:情報漏えいなどセキュリティリスクが高まる
自宅やカフェなど社外で業務を行うフルリモートでは、端末の紛失・盗難、公衆Wi-Fi経由の不正アクセス、画面の覗き見といったリスクが増えます。一度の情報漏えいが、取引停止や信用失墜につながる可能性もあります。
対策としては、VPNやゼロトラスト型のアクセス制御、端末管理(MDM)、多要素認証の導入が基本です。あわせて、扱える情報の範囲を業務ごとに定め、セキュリティ研修を定期的に実施することで、ルールと技術の両面から守りを固められます。
理由7:組織文化が薄れ、出社回帰時に人材が流出しやすい
フルリモートが長く続くと、会社への帰属意識や一体感が薄れやすいという指摘があります。加えて見落とされがちなのが、「フルリモート前提で入社した人材」が、後から出社回帰を命じられて離職するリスクです。
月刊総務オンラインでは、フルリモート廃止が候補者との「心理的契約」を損ない、優秀層の流出や採用ブランドの毀損を招くリスクが指摘されています。フルリモートを導入するなら、「いつまで・どの職種で続けるのか」という方針を事前に決め、変更する場合は十分な移行期間と説明を設けることが欠かせません。
【比較表】フルリモート・ハイブリッド・出社・業務委託活用の違い

フルリモートを検討する際は、他の働き方と並べて比較すると判断しやすくなります。「正社員をフルリモートで雇う」以外に、業務委託人材をリモートで活用する選択肢も含めて整理しました。
| 比較項目 | フルリモート(正社員) | ハイブリッドワーク | 原則出社 | 業務委託・副業人材(リモート) |
|---|---|---|---|---|
| 採用母集団 | ◎ 全国・海外から採用可 | ○ 通勤圏+α | △ 通勤圏に限定 | ◎ 全国の即戦力にアクセス可 |
| オフィス・通勤コスト | ◎ 大幅に削減 | ○ 一部削減 | △ 削減なし | ◎ 原則不要 |
| 人件費の柔軟性 | △ 固定費 | △ 固定費 | △ 固定費 | ◎ 必要な期間・稼働量だけ |
| マネジメント難易度 | 高い | 中程度 | 低い | 中程度(成果定義が前提) |
| 若手の育成 | △ 仕組み化が必須 | ○ 対面と両立可 | ◎ OJTしやすい | - 即戦力前提のため育成は不要 |
| 情報セキュリティ | △ 対策必須 | ○ 対策必須 | ◎ 管理しやすい | △ 契約・権限管理が必須 |
| 立ち上げスピード | △ 採用に数か月 | △ 採用に数か月 | △ 採用に数か月 | ◎ 最短数日〜数週間 |
| 向いている業務 | エンジニア・デザイナー・マーケター等 | ほぼ全職種 | 対面・現場業務 | 専門性が高く成果物が明確な業務 |
表のとおり、フルリモートは採用力とコスト面で優れる一方、マネジメントと育成の負荷が高い働き方です。すべてを正社員のフルリモートで賄うのではなく、業務の性質に応じて雇用形態を組み合わせることが、後悔しないための現実解といえます。
それでも企業がフルリモートを選ぶ6つのメリット

デメリットが注目されがちなフルリモートですが、うまく運用できれば企業にとって大きなメリットがあります。導入の目的を明確にするためにも、得られる効果を具体的に押さえておきましょう。
メリット1:採用母集団が全国・海外に広がる
フルリモートの最大のメリットは、居住地に関係なく優秀な人材を採用できることです。首都圏のIT人材獲得競争に巻き込まれず、地方在住のエンジニアやデザイナーにもアプローチできます。
月刊総務オンラインで紹介された東京本社のインターネット企業では、居住地の制約を撤廃した結果、中途採用の応募者数が前年比1.6倍に増え、1都3県以外からの応募が全体の35%に達する月もあったといいます。採用難の職種ほど、フルリモートの効果は大きくなります。
メリット2:オフィス・通勤関連のコストを削減できる
出社人数が減れば、オフィス面積の縮小や賃料、光熱費、通勤手当などの固定費を削減できます。浮いたコストを採用や人材育成、ツール投資に回すことも可能です。
ただし、在宅勤務手当や通信費、PC・周辺機器の貸与など新たに発生する費用もあります。厚生労働省のガイドラインでは、費用負担は労使で十分に話し合い、就業規則に定めることが望ましいとされているため、事前に試算しておきましょう。
メリット3:離職防止と従業員満足度の向上につながる
テレワーク継続を希望する正社員が8割を超える今、フルリモートは従業員にとって魅力的な福利厚生の一つです。通勤ストレスがなくなり、家族との時間や自己研鑽の時間を確保しやすくなります。
特に、育児・介護・配偶者の転勤などで出社が難しくなった社員の「やむを得ない離職」を防げる点は見逃せません。経験を積んだ人材を引き留められることは、採用コストの抑制にも直結します。
メリット4:集中しやすい環境で生産性が上がる職種がある
エンジニアの開発業務やデザイン制作、記事執筆など、まとまった集中時間が必要な業務はフルリモートと相性が良い傾向にあります。オフィスでの割り込みや移動時間がなくなるためです。
一方、すべての職種で生産性が上がるわけではありません。「どの業務で生産性が上がり、どの業務で下がるのか」を職種単位で見極めることが、導入成否の分かれ目になります。
メリット5:BCP(事業継続計画)対策になる
社員が分散して働くフルリモート体制は、災害や感染症の流行、交通機関の停止時にも業務を止めにくいという強みがあります。オフィスが使えなくなっても、普段どおりに業務を継続できます。
日頃からクラウド上で業務が完結している組織であれば、非常時の切り替えコストもほぼゼロです。リスク分散の観点でも、フルリモート体制の整備は経営上の意味を持ちます。
メリット6:多様な人材が活躍できる組織になる
フルリモートは、育児中の社員、障がいのある方、地方在住者、副業・フリーランス人材など、多様な人材が力を発揮できる環境をつくります。
多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まることで、新しい視点やアイデアが生まれやすくなります。ダイバーシティ推進や人的資本経営の文脈でも評価されやすい取り組みです。
自社はフルリモートに向いている?導入可否チェックリスト

フルリモートを導入すべきかどうかは、業務内容と組織の成熟度で決まります。以下のチェック項目で、「NO」が多い領域から先に整備することをおすすめします。
| チェック項目 | 確認する観点 | NOの場合の対策 |
|---|---|---|
| 業務がオンラインで完結するか | 紙・押印・現物確認・対面接客が不要か | ペーパーレス化・電子契約の導入、対象業務の切り分け |
| 成果を定義できるか | 成果物・KPI・納期で評価できる業務か | ジョブディスクリプション作成、目標設定の見直し |
| 就業規則・規程が整っているか | 勤務場所・費用負担・中抜け・連絡ルールの定め | テレワーク規程の新設、労使協議 |
| 勤怠を客観的に把握できるか | PCログや勤怠ツールで始業・終業を記録できるか | クラウド勤怠・PCログ管理ツールの導入 |
| セキュリティ体制は十分か | VPN・MDM・多要素認証・権限管理の有無 | 情報システム部門と連携しルールと技術を整備 |
| 管理職がリモートマネジメントできるか | 1on1・非同期コミュニケーションの経験 | 管理職研修、マネジメントガイドラインの作成 |
| オンボーディングの仕組みがあるか | 入社後30〜90日の育成計画・メンターの有無 | オンボーディング資料の整備、初期のみ出社併用 |
| 方針を長期的に維持できるか | 経営層がフルリモートを継続する意思を持つか | 対象職種・期間・見直し条件を明文化 |
すべての項目が揃っていなくても、職種を限定して小さく始めることは可能です。特に「成果を定義できるか」がYESの業務は、フルリモートや業務委託人材の活用に向いています。
フルリモート雇用を成功させる導入手順6ステップ

ここからは、実際にフルリモート雇用を導入する際の手順を6つのステップで解説します。いきなり全社導入せず、対象を絞ってテスト運用から始めるのが失敗しないコツです。
STEP1:対象となる業務・職種を切り出す
最初に、社内の業務を棚卸しし、オンラインで完結し、成果を定義できる業務を洗い出します。エンジニア、デザイナー、Webマーケター、ライター、経理・人事の一部業務などが代表例です。
このとき、「正社員が担うべきコア業務」と「外部の専門人材に任せられる業務」を分けておくと、後の採用計画が立てやすくなります。業務単位で切り出すことが、フルリモートと業務委託の両方を活かす前提になります。
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STEP2:就業規則・テレワーク規程を整備する
フルリモートを始める前に、勤務場所、費用負担、労働時間、連絡ルールなどを就業規則やテレワーク規程に明記します。規程がないまま始めると、手当や残業代をめぐるトラブルの原因になります。
具体的には、在宅勤務手当や通信費の扱い、機器の貸与、勤務場所の範囲(自宅以外を認めるか)、出社命令が出る条件などを定めます。フルリモート前提で採用する場合は、雇用契約書にも勤務地や出社条件を明記しておくと、将来の方針変更時のトラブルを防げます。
STEP3:労働時間管理と勤怠の仕組みをつくる
次に、客観的な記録に基づいて労働時間を把握できる仕組みを整えます。クラウド勤怠システムやPCログ管理ツールを活用し、始業・終業時刻を記録しましょう。
「中抜け」を認める場合は、休憩時間として扱うのか、時間単位の年次有給休暇とするのかを決めておきます。また、フレックスタイム制や事業場外みなし労働時間制を検討する場合は、適用要件を満たすか社会保険労務士など専門家に確認すると安心です。
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STEP4:成果ベースの評価制度を設計する
フルリモートでは勤務態度が見えないため、役割ごとの期待成果と評価基準を事前に明示する評価制度が不可欠です。OKRやMBOなどの目標管理手法を活用し、四半期ごとなど短いサイクルで振り返りを行います。
ただし、数値成果だけで評価するとチームへの貢献が軽視されがちです。ドキュメント共有やメンバー支援などの行動も評価項目に加えることで、リモートでも協働を促す組織文化をつくれます。
STEP5:コミュニケーションツールとセキュリティ環境を整える
ビジネスチャット、Web会議、タスク管理、ドキュメント共有、バーチャルオフィスなどのツールを選定し、「どの連絡をどのツールで行うか」という使い分けルールまで決めます。ツールを入れただけでは情報が散らばり、かえって混乱を招くためです。
あわせて、VPN・多要素認証・端末管理・アクセス権限の設定など、セキュリティ基盤を整備します。社員だけでなく業務委託人材にどこまで権限を与えるかも、この段階で設計しておきましょう。
STEP6:オンボーディングを設計し、トライアル運用で効果測定する
最後に、入社後30〜90日のオンボーディング計画を作成し、特定の部署や職種でトライアル運用を行います。メンターの割り当てや、最初の1週間で会うべき人のリストなどを用意しておくと立ち上がりがスムーズです。
トライアル後は、生産性・残業時間・従業員満足度・離職率などの指標で効果を測定し、課題を改善してから対象を広げます。「小さく始めて、数字で検証し、段階的に拡大する」ことが、フルリモートで後悔しないための鉄則です。
フルリモートで後悔しない採用・マネジメントの7つのコツ

制度を整えても、採用する人材やマネジメントの方法が合っていなければフルリモートはうまくいきません。ここでは、人事担当者が押さえておきたい採用とマネジメントのコツを7つ紹介します。
コツ1:採用要件に「リモート適性」を明記する
フルリモートでは、スキルが高くても働き方が合わない人材を採用すると、双方にとって不幸な結果になります。スキル要件に加えて「リモート適性」を採用要件に組み込むことが重要です。求人票にも適性を明記しておくと、応募段階でのミスマッチを減らせます。見極めたい適性は次の3つです。
適性1:自律的に仕事を進められるか
指示を待たずに、自分で優先順位を判断してタスクを進められるかを確認します。過去にリモート環境や少人数チームで成果を出した経験を具体的に聞くと、自律性を見極めやすくなります。
適性2:テキストで正確に伝えられるか
フルリモートのコミュニケーションはチャットやドキュメントが中心です。応募書類やメールの文章の分かりやすさ、結論から伝える習慣があるかは、重要な判断材料になります。
適性3:一人で業務を完結できるスキルがあるか
周囲に気軽に質問できない環境では、担当業務を自力で調べて解決できる知識と経験が求められます。未経験者を採用する場合は、手厚い育成体制をセットで用意しましょう。
コツ2:選考にワークサンプルやトライアルを取り入れる
面接だけでは、リモート環境での仕事ぶりは分かりません。実務に近い課題(ワークサンプル)や、短期間の有償トライアルを選考に取り入れることで、スキルとコミュニケーションの相性を確かめられます。
選考プロセスもオンラインで完結させると、候補者の負担が減り、辞退率の低下にもつながります。面接官ごとの評価基準のばらつきをなくすために、評価シートを統一しておくことも大切です。
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コツ3:ドキュメント文化と非同期コミュニケーションを根付かせる
フルリモートで成果を出している組織の多くは、「会議で決める」より「ドキュメントで決める」文化を持っています。議事録、仕様書、業務マニュアルを誰でも見られる場所に置き、口頭の情報に頼らない状態をつくります。
即レスを前提としない非同期コミュニケーションを基本にすると、時差や勤務時間の違うメンバーとも協働しやすくなります。「急ぎの連絡はこのツール」「回答期限を必ず書く」など、具体的なルールを決めておきましょう。
コツ4:1on1と定例ミーティングで状況を見える化する
上司と部下の1on1は、フルリモートにおける最重要のマネジメント手段です。週1回〜隔週で15〜30分程度の1on1を定例化し、業務の進捗だけでなく、困りごとや体調面も確認します。
チーム単位では、朝会や週次定例で各自のタスクを共有し、「誰が何をしているか分からない」状態を防ぎます。会議が増えすぎると集中時間が削られるため、目的のない会議は定期的に見直しましょう。
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コツ5:オフラインの接点を意図的に設計する
完全にオンラインだけで関係を築くのは簡単ではありません。四半期に一度の全社合宿やキックオフ、チーム単位のオフライン交流会など、対面の機会を意図的に設けることで信頼関係が深まります。
遠方の社員の交通費を会社負担にするなど、参加しやすい制度設計も必要です。「普段はリモート、節目は対面」というメリハリが、一体感とフルリモートの利便性を両立させます。
コツ6:メンタルヘルスケアの仕組みを用意する
孤独感や長時間労働によるメンタル不調は、フルリモート最大のリスクの一つです。パルスサーベイやストレスチェックで定期的にコンディションを把握し、変化があれば早めに声をかけられる体制を整えます。
産業医・保健師・外部カウンセラーへの相談窓口を用意し、利用方法を周知することも大切です。管理職向けに「リモートで不調のサインに気づく方法」を研修しておくと、早期発見につながります。
コツ7:正社員にこだわらず業務委託・副業人材を組み合わせる
すべての業務を正社員のフルリモートで賄おうとすると、採用にも育成にも時間がかかります。専門性が高く成果物が明確な業務は、業務委託や副業人材にリモートで任せるという選択肢を持つと、組織づくりの自由度が大きく高まります。
業務委託人材はもともとリモートで成果を出すことに慣れている人も多く、フルリモート体制との親和性が高いのが特徴です。次章で、その理由と注意点を詳しく解説します。
フルリモートには業務委託・副業人材の活用が有効な理由

フルリモートで後悔しないための有力な選択肢が、業務委託や副業人材の活用です。ここでは、雇用との違い、向いている理由、注意点を順に解説します。
業務委託とは?雇用契約との違い
業務委託とは、企業が特定の業務や成果物の完成を外部の個人・法人に依頼する契約形態です。主に、成果物の完成を目的とする「請負契約」と、業務の遂行を目的とする「準委任契約」に分けられます。
雇用契約と異なり、企業と業務委託人材の間に指揮命令関係はなく、業務の進め方や働く時間・場所は原則として受託者の裁量に委ねられます。社会保険料や残業代の負担は発生しない一方、労働時間の管理や細かな業務指示はできない点を理解しておきましょう。
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フルリモートの仕事に業務委託が向いている5つの理由
業務委託は、フルリモートの弱点である「評価」「育成」「コスト」を補いやすい契約形態です。正社員のフルリモート雇用と組み合わせることで、少ないマネジメント負荷で組織の生産性を高められます。代表的な理由を5つ紹介します。
理由1:成果ベースの契約がフルリモートの評価課題を解決する
業務委託は、あらかじめ成果物や業務範囲を契約で定めるため、「働きぶりが見えない」というフルリモート特有の評価の悩みが起こりにくいのが特徴です。納品物と品質で判断できるため、マネジメント負荷も抑えられます。
理由2:即戦力の専門人材を育成コストなしで活用できる
フリーランスや副業人材の多くは、特定分野で実務経験を積んだ専門家です。育成に時間をかけずに、初日から高いパフォーマンスを期待できるため、フルリモートの弱点である「育成の難しさ」を回避できます。
理由3:人件費を固定費から変動費に変えられる
必要な期間・稼働量だけ契約できるため、プロジェクトの繁閑に応じてリソースを柔軟に調整できます。月40時間程度の稼働から始め、成果を見ながら稼働を増やすといった使い方も可能です。
理由4:全国のリモートワーク経験者にアクセスできる
業務委託人材の多くは、普段からリモートで複数の企業と仕事をしており、オンラインでのコミュニケーションに慣れています。居住地を問わず募集できるため、地方や海外に住む優秀な人材とも協働できます。
理由5:相性を見極めてから正社員転換も検討できる
まず業務委託として一緒に働き、スキルやカルチャーフィットを確認したうえで、双方合意のもと正社員へ転換する「トランジション採用」という選択肢もあります。面接だけでは分からない相性を実務で確認できるため、フルリモート採用のミスマッチを減らせます。
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業務委託をリモートで活用する際の注意点
業務委託は便利な一方で、法律面のルールを守らないと思わぬトラブルにつながります。特にフルリモートでは社員と同じチャットやツールで協働するため、無意識のうちに雇用と同じ管理をしてしまうケースが少なくありません。特に注意したいポイントを3つ解説します。
注意点1:偽装請負にならないよう指揮命令を避ける
業務委託人材に対して、始業・終業時刻の指定、細かな作業手順の指示、勤怠管理などを行うと、実態が雇用とみなされ「偽装請負」と判断されるおそれがあります。社員と同じ感覚で管理しないよう、関わる社員に周知しておきましょう。
注意点2:フリーランス新法に対応した取引条件を明示する
2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス新法)により、フリーランスに業務を委託する企業には、業務内容・報酬額・支払期日などの取引条件の明示や、原則60日以内の報酬支払いなどが求められます。契約書のひな形を法律に合わせて見直しておきましょう。
注意点3:情報管理とアクセス権限を契約で定める
リモートで社外の人材と協働する際は、秘密保持契約(NDA)の締結と、業務に必要な範囲に限定したアクセス権限の付与が欠かせません。契約終了時のアカウント削除やデータ返却・破棄のルールも事前に決めておきます。
▼業務委託契約書をすぐに準備したい方はこちら
【ポイント解説付】
業務委託に必要な4つの契約書テンプレート
・業務委託の種類と特徴
・業務委託契約で作成する契約書の種類
・契約書のテンプレート
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▼以下では、フリーランスを活用する際に注意すべき法律をまとめました

外部人材を活用してリソース不足を解消した実践事例

ここでは、Workshipを通じて業務委託・副業人材を活用し、成果を上げた企業の事例を紹介します。フルリモート体制で外部人材を活かすヒントとして参考にしてください。
事例1:株式会社オールアバウト|新規事業の立ち上げに専門人材3名が参画
株式会社オールアバウトでは、新規事業「All About家計相談所」の立ち上げにあたり、金融領域特有のルールや事業理解が必要な業務を外部企業に委託しても、インプットに十分な時間を割いてもらうことが難しいという課題を抱えていました。
そこでWorkshipを活用し、Webデザイナー、広告運用マーケター、MA・CRM専門マーケターの計3名のフリーランスを採用しました。類似事業の経験を重視して選定したことで、スピーディーなPDCAが可能になり、担当者は「当初想定していた150%以上の熱量と成果を感じている」と評価しています。
事例2:株式会社サカワ|副業エンジニアを2週間で採用し開発スピードが向上
株式会社サカワは、新サービス「Kocri for Cloud」の開発にあたり、開発知識を持つ人材が限られていることが課題でした。正社員採用はコストと判断期間がかかるため、副業人材の活用を検討しました。
WorkshipでReactの実務経験が1年以上あるフロントエンドエンジニアを、募集から2週間で採用。「提案があればどんどん発信してほしい」と伝えたことで、ライブラリの見直しなど改善提案が次々と生まれ、開発スピードが格段に向上しました。
事例3:swimmy inc.|約1週間でエンジニア3名が稼働し受注領域を拡大
Web制作を手がけるswimmy inc.では、バックエンドやインフラ構築など、社内にないノウハウが必要な案件が増えていました。そこで、サーバーサイド・インフラ構築を担うフリーランスエンジニア3名をWorkshipで採用しました。
募集から稼働開始まではおよそ1週間。Web制作の全領域を一貫して対応できる体制が整い、これまで断っていた案件も受注できるようになったといいます。稼働タイミングがメンバーごとに異なっても成果が出ている点は、柔軟な働き方と外部人材の相性の良さを示しています。
事例4:株式会社トライエッティング|月40時間から段階的に稼働を拡大
株式会社トライエッティングは、会社の状況に合ったエンジニア人材の確保に苦戦していました。Workshipを選んだ理由は、運営事務局のフィルタリングによるトラブルリスクの低さと、アクティブな登録者の多さです。
登録から約1か月でマーケティング関連の構築を担うエンジニアと契約し、月40時間の稼働から月100時間への拡大を予定するまでに信頼関係を築きました。小さく始めて段階的に任せる範囲を広げる進め方は、フルリモートで外部人材を活用する際のお手本といえます。
▼その他の活用事例をまとめて見たい方はこちら(無料でダウンロードできます)

フルリモートで活躍する人材の確保には「Workship」がおすすめ
フルリモートで働けるIT・DX人材を探しているなら、業務委託・副業人材のマッチングプラットフォーム「Workship(ワークシップ)」がおすすめです。
Workshipとは
Workshipは、株式会社GIGが運営する、IT・DX領域の即戦力フリーランス・副業人材を採用できるマッチングプラットフォームです。エンジニア、デザイナー、マーケター、ディレクターなど約65,000人の登録人材の中から、企業が直接スカウトできます。
導入企業数は1,800社以上、掲載案件数は5,300件以上にのぼり、最短3日でのアサインにも対応しています。
フルリモートの人材活用にWorkshipが向いている理由
フルリモートで外部人材を活用する際は、「リモートで自走できる人材に出会えるか」「契約や管理の手間をどこまで減らせるか」が成否を分けます。Workshipがフルリモートの人材活用に向いている理由を5つ紹介します。
理由1:リモートワークに慣れた即戦力人材が多数登録している
Workshipには、普段からリモートで複数企業のプロジェクトに参画しているフリーランス・副業人材が多数登録しています。フルリモートでも自走できる専門人材を、居住地を問わず探せます。
理由2:スカウトとエージェント提案のハイブリッド型で探せる
企業が自らプロフィールを検索してスカウトできるだけでなく、エージェントからの人材提案も受けられるため、採用工数をかけられない企業でも効率よく候補者と出会えます。
理由3:募集から契約・稼働管理までシステム内で完結する
募集作成、面談、契約、稼働管理までをWorkship上で完結できるため、フルリモートでの外部人材活用に必要な手続きをオンラインでスムーズに進められます。複数の人材と並行して契約する場合も、管理が煩雑になりません。
理由4:成約まで無料で始められる
アカウント登録や募集掲載は無料で、成約するまで費用はかかりません。「まずはどんな人材がいるか見てみたい」「フルリモートで任せられる業務があるか相談したい」という検討段階でも、コストをかけずに気軽に利用できます。
理由5:双方合意で正社員転換も可能
業務委託として一緒に働いたうえで、双方の合意があれば正社員として迎え入れることも可能です。フルリモート採用のミスマッチを防ぐ「お試し期間」としても活用できます。
▼Workshipのサービス内容を詳しく知りたい方はこちら

フルリモートに関するよくある質問(FAQ)

Q1. フルリモートは本当にやめとけと言われるほど企業にとってリスクが高いのでしょうか?
A. 準備なしで始めるとリスクは高いものの、制度と仕組みを整えれば大きなメリットを得られる働き方です。コミュニケーション、評価、労働時間管理、セキュリティ、育成の5点を事前に設計し、対象職種を絞ってトライアル運用から始めることで、失敗のリスクを大きく下げられます。
Q2. フルリモートに向いている職種は何ですか?
A. エンジニア、Webデザイナー、Webマーケター、ライター・編集者、データアナリストなど、パソコンで業務が完結し、成果物で評価しやすい職種が向いています。経理や人事、カスタマーサポートの一部業務も、ペーパーレス化が進んでいればフルリモートで対応可能です。
Q3. フルリモート社員の労働時間はどのように管理すればよいですか?
A. 厚生労働省のガイドラインに沿って、パソコンの使用時間やクラウド勤怠システムなど客観的な記録を基礎に把握するのが基本です。中抜け時間の扱いや業務時間外の連絡ルールは、就業規則やテレワーク規程に明記しておきましょう。
Q4. フルリモートを導入した後に出社へ戻すことはできますか?
A. 就業規則や雇用契約の定めによっては可能ですが、フルリモート前提で入社した社員の離職や採用ブランドの低下につながるリスクがあります。導入時点で対象職種や見直し条件を明文化し、変更する場合は十分な説明と移行期間を設けることが重要です。
Q5. 業務委託の人材にフルリモートで仕事を依頼する際の注意点は何ですか?
A. 勤務時間の指定や細かな業務指示など、偽装請負とみなされる管理をしないことが最も重要です。あわせて、フリーランス新法に沿った取引条件の明示、秘密保持契約の締結、アクセス権限の適切な管理を行いましょう。
Q6. フルリモートで働ける即戦力人材はどこで探せばよいですか?
A. 正社員の場合は転職サイトやダイレクトリクルーティング、業務委託・副業人材の場合はWorkshipのような専門マッチングプラットフォームが効率的です。まずは業務委託で協働し、相性を確認してから正社員転換を検討する方法もあります。
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まとめ:フルリモートは「やめとけ」ではなく「準備して小さく始める」
フルリモートがやめとけと言われるのは、コミュニケーション・評価・育成・労務管理・セキュリティの設計が不十分なまま始めてしまうケースが多いからです。裏を返せば、これらを事前に整えれば、フルリモートは採用力を高める強力な武器になります。
- やめとけと言われる7つの理由は、情報格差・評価・育成・労働時間・メンタル・セキュリティ・出社回帰時の人材流出
- 正社員のテレワーク実施率は21.4%に低下する一方、継続希望は81.6%と高く、フルリモートは採用上の差別化要素になる
- 導入は対象業務の切り出し→規程整備→勤怠→評価→ツール・セキュリティ→トライアルの6ステップで進める
- 採用では自律性・テキスト力・自己完結スキルの3つのリモート適性を見極める
- 成果を定義しやすい専門業務は、業務委託・副業人材をリモートで活用すると即戦力とコストの柔軟性を両立できる
まずは本記事のチェックリストで自社の準備状況を確認し、「NO」が多い項目の整備と、フルリモートで任せられる業務の棚卸しから始めてみてください。すぐにリソースを確保したい場合は、業務委託・副業人材の活用を並行して検討するのが近道です。

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