フリーランスライターとの業務委託に必要な契約書の作り方と注意点を解説
近年は、自社メディアを構築する際に、フリーランスのライターに業務委託するケースが増えています。経験豊富なWebライターに、自社コンテンツの作成を委託することで、魅力的な自社サイトを制作できます。
自社の業務を外注する際は「業務委託契約書」の作成が欠かせません。契約書の作成は、法律で義務付けられていないものの、さまざまなトラブルを回避するために必要です。ただ、業務委託契約書の作成に関しては、業務委託の種類によって必要となる記載内容が異なるため注意が必要です。
そこで今回は、フリーランスライターとの業務委託に必要な契約書の作り方と注意点を解説します。これからライターとの業務委託を締結する予定の方は、ぜひ参考にしてください。
フリーランスライターと締結する業務委託の種類
フリーランスのライターに業務を委託する場合「請負契約」か「準委任契約」を結ぶのが一般的です。
ライター業務では、記事の執筆と納品を持って業務が完了することが多いため、ほとんどの場合が請負契約となります。一方、ライターが準委任契約を締結するケースは、記事の制作とSEO施策を委託するといった場合です。
このように、ライターに委託する業務によって、適切な業務委託契約書を作成することが重要です。
請負契約と準委任契約の違い
請負契約とは、成果物の納品によって業務が完了する業務委託契約です。
業務を委託した発注者に対し、受託した者は契約内容のとおりの仕様、品質の成果物を期日までに納品する義務を負います。そして納品された成果物に対して、報酬が支払われる仕組みです。そのため、請負契約では、成果物の内容について契約前に明確にしておきましょう。
一方、準委任契約とは、受託者の業務の遂行に対して報酬が支払われる契約形態です。準委任契約は請負契約とは異なり、時間や日割り、回数などで費用を決めるのが一般的です。
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フリーランスライターとの業務委託に契約書を作成すべき理由
フリーランスのライターに業務委託をする場合、契約書を作成することが重要です。その理由は以下の通りです。
1.契約内容を確認するため
契約書を作成することで、双方の業務内容や報酬、納期などの契約内容を明確にできます。また、契約書によって、契約上のトラブルを未然に防ぐことができます。
2.契約を法的に保護するため
契約書は、双方の合意に基づく法的な文書となります。契約書を作成することにより契約上の義務や責任が明確となり、万一トラブルが生じた場合でも、契約内容が法的に保護されます。
3.契約後の支払いトラブルを回避するため
契約書には、ライターに支払う報酬の規定が詳細が明記されます。契約書を作成することで、報酬の支払いに関するトラブルを未然に回避できます。
4.信頼関係を構築するため
契約書によって、両者の業務内容や報酬についての約束が明確になるため、信頼関係を構築できます。
以上のような理由から、フリーランスライターとの業務委託にあたっては、契約書の作成が重要となります。
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フリーランスライターとの業務委託契約書に記載すべき13項目
業務委託契約書の作成にあたり、記載すべき13項目は次の通りです。
- 委託業務の内容
- 委託料(報酬額)
- 支払条件、支払時期、支払い方法など
- 成果物の権利
- 再委託の可否
- 秘密保持に関する条項
- 反社会的勢力の排除
- 禁止事項の詳細
- 契約解除の条件
- 損害賠償について
- 契約期間について
- 所轄の裁判所について
- その他の事項
それぞれ解説します。
1.委託業務の内容
まず、業務委託する業務の内容や、成果物についての詳細を明記しましょう。この内容によって、次に紹介する「業務委託契約の種類」が変わるため、委託内容は非常に重要な項目です。
2.委託料(報酬額)
委託料とは、委託先に支払う報酬です。報酬額がいくらなのか、税抜きと税込み金額を明記しましょう。
3.支払条件、支払時期、支払い方法など
業務委託契約書には、委託金額だけでなく、支払い条件や時期、方法なども明記します。
請負契約では、契約書に記載した通りの成果物を納期までに納品しなかった場合に契約不履行となり報酬を支払わないケースがあるため、しっかりと記載しましょう。
4.成果物の権利
業務委託契約では、委託した業務が記事などの成果物の納品を目的としていた場合に、その成果物の権利が発注先から発注元に移るのか否かも記載しましょう。
このようなケースでは著作権や商標権などが絡む取引となるため、事前に弁護士などに相談した上で契約書を作成すると安心です。
5.再委託の可否
業務委託では、委託した仕事をさらに二次下請けや三次下請けに回すこともあります。このようなケースでは、自社の機密事項などが漏れやすくなるリスクがあるため、契約書にしっかり再委託の可否を明記しておきましょう。
6.秘密保持に関する条項
フリーランスライターとの業務委託契約において、最も注意したい項目の1つが「秘密保持」に関する条項です。
近年は個人情報の管理や企業のコンプライアンスを重視する傾向が強く、自社だけでなく、顧客情報などの取り扱いにも十分な注意が必要です。
もし委託する業務に自社の機密事項や取引先、顧客の情報がある場合には、別途秘密保持契約を交わし、万一に備える必要があります。
7.反社会的勢力の排除
反社会的勢力の排除に関する項目は、企業のコンプライアンスに違反しないための重要項目です。
自社はもちろんのこと、業務を委託する相手先にも、反社会的勢力とのかかわりがないか確認しましょう。
8.禁止事項の詳細
業務委託契約を結ぶ際に、上記以外の禁止事項があれば記載しましょう。業務委託契約書の内容については、契約内容をできるだけ詳細に明記することが大切です。
9.契約解除の条件
契約書に記載した内容に違反があった場合などに、契約を解除できる条件を記載しておきます。
契約解除の条件は、万一の際に自社を守るための切り札となる条項ですので、あらゆるトラブルを想定して内容を明記しましょう。
また、契約解除は委託先にとっても一番厳しい条件となるため、常識の範囲内で設定することが重要です。また、契約先と内容をすり合わせながら決めることで、比較的スムーズに合意できるでしょう。
10.損害賠償について
損害賠償についての項目も、万一の際に有効です。
成果物の不備や欠陥、納期の遅れが許されない業務委託契約の場合には、損害賠償に関する条項を設けることで、リスクに対する抑止力が働きます。
11.契約期間について
契約期間を定めた取引をする場合には、しっかりとその期間を明記しておくことが大切です。
契約期間の詳細によって契約書にかかる印紙税額が変わるため、こちらにも留意しながら記載しましょう。
12.所轄の裁判所について
業務委託契約書には、万一のトラブルで裁判となった場合に、所轄の裁判所がどこになるかを明記することが大切です。
特に遠方の業者や個人と契約を結ぶ際には、トラブルが発生した際の所轄の裁判所を明記しておかなければ「両者の中間の裁判所」を指定されるケースもあります。
そこで、あらかじめ発注者の最寄りの裁判所を明記しておき、委託先の合意を得ておきましょう。実際に裁判に発展するトラブルは少ないものの、裁判所を記載しておくことがトラブルの抑止にも繋がります。
13.その他の事項
その他の事項には、上記以外で記載すべき内容があれば明記しましょう。
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業務委託契約書の作成方法
以下では、業務委託契約書の作り方を解説します。
業務委託契約書は2通作成する
業務委託契約書は、かならず2通作成し、発注元と発注先の両者が保管します。
それぞれに印紙を添付して消印する
業務委託契約書を紙媒体で作成した場合、契約書は「課税文書」となり、印紙税の課税対象となります。後で解説する印紙税額相当の印紙をそれぞれで購入し、契約書に貼付後に消印しましょう。
それぞれに署名・押印して保管する
業務委託契約書を2通作成し、印紙を貼付・消印したら、最後に両者で署名・押印して1通ずつ保管します。
業務委託契約書作成から締結までの手順3つ
契約締結後のトラブルを防ぐため、業務委託契約をする際はしっかりと手順を踏んでいく必要があります。ここでは、具体的な業務委託契約書の作成手順について解説していきます。
1.契約内容を相談する
業務委託契約を結ぶ両者が契約書に記載する事項について確認し、認識の齟齬がないかを確認する段階です。見積書が必要な場合はこのタイミングで作成しておくと契約締結の際に起こりうるトラブルを未然に防げます。
また、あくまでも契約内容を相談する段階のため、契約期間や諸費用の負担などの曖昧な部分はなくしましょう。
具体的に相談すべき内容は以下の7つです。
- 契約期間
- 金銭的条件
- 契約解除の条件
- 禁止要項
- 成果物の権利
- 秘密保持
- 損害賠償
これらの項目について、双方に疑問や不安材料がない形で進めていくことが重要です。
2.契約書の内容確認と作成
契約内容や報酬についての合意を取る段階になります。契約書の確認が終わるといよいよ契約を交わす段階に移るため、最終確認として問題がないかを十分に確認する必要があります。
契約後のトラブルを未然に防ぐためにも、両者で納得ができるまで契約内容に関して認識の擦り合わせをしましょう。
また、業務委託契約書の作成は、委託者と受託者のどちらかが作成しても問題ありませんが、基本的には委託者側が作成するのが一般的です。
この際、法律を順守した契約書の雛形を元に、受託者の条件に合わせてカスタマイズすることで効率的かつ安全に業務委託契約書が作成できるでしょう。
3.業務委託契約書を製本する
契約書の製本とは、契約書の差し替えを防ぐため、同じ記載内容の契約書を2部用意し、用意をした2部の契約書に割印をし、契約を締結することです。
完成した業務委託契約書は受託者と委託者の双方で保管します。契約期間が続く限りは永続的に契約書の保管も必要ですので、大切に保管しましょう。
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業務委託契約書を作成する際の注意点3つ
ここまで契約書を作成する上での具体的なポイントについて解説してきました。しかし、契約書への記載内容以外にもトラブルに発展する恐れがある問題がいくつかあります。
以下では、実際に契約書を作成していく中で気を付けたい、トラブルを避けるための注意点について解説します。
業務委託契約書に収入印紙は必要?
業務委託契約書に収入印紙が必要なケースは大きく分けて2種類あります。ここでは、具体的に収入印紙が必要になるケースをご紹介します。
第2号文書
請負契約に関する契約書のことを指し、収入印紙税は契約をした金額によって異なります。また、平成9年4月1日から令和6年3月31日までの間に作成される建設工事の請負に関する契約書の中には税率が軽減されるものも含まれていますので、詳しくは国税庁のHPを確認しましょう。
▲引用:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで
第7号文書
契約期間が3ヶ月以上の継続的取引が対象となる契約書が該当します。具体的には、代理店契約書や銀行取引約定書が挙げられます。取引ごとの納期や支払い方法を考慮して継続契約に当たるか、個別契約に当たるかで判断する必要があります。こちらも詳しくは国税庁のHPを確認しましょう。
業務委託契約書は紙での発行が必要?
業務委託契約を結ぶ際に、双方での合意が取れていれば電子契約での締結も可能です。
電子契約であればインターネット環境でどこでも受信が可能になるため、時間や場所にとらわれずスムーズに契約の締結ができます。
また、前述した請負契約の締結の際に発生する印紙税に関しても、電子ファイルを通して契約するために非課税となります。
電子契約を導入することで印紙税だけでなく、郵送費や印刷費用の削減にも繋がるため業務委託契約書は電子データでの発行をおすすめします。
業務委託契約が偽装請負になることも
偽装請負とは、請負契約として契約を結んではいるものの実態として派遣労働に近い形で業務を行なう状況のことを指します。
上述の通り、請負契約は成果物の完成を目的としているため、業務遂行を目的としている労働派遣とは異なります。
偽装請負かどうかを見極めるポイントとしては、実際の指揮命令権がどこにあるかです。請負契約を結んでいる請負会社に対して仕事を依頼している依頼会社から直接的に業務に関わる指示が飛んでくる場合は偽装請負の場合が多いので注意しましょう。
▼以下では、フリーランスを活用する際に注意すべき法律をまとめました。ぜひご参照ください。
業務委託契約書テンプレート【すぐに使えるひな形】
ここまで業務委託契約書の作成方法や注意点について解説してきました。業務を委託する場合は下記のテンプレートを参考に業務委託契約書を作成してください。
フリーランス専門エージェントおすすめ11選
1. Workship
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2. ポテパンフリーランス
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3. レバテック
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4.テックビズフリーランス
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6.ギークスジョブ(geechs job)
大手企業案件が多いギークスジョブ(geechs job)は、年間契約数1万件以上とITエンジニアの利用実績も豊富。
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7.テクフリ
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フリーランスエンジニア向けの案件・求人サイトのテクフリ(テックキャリアフリーランス)は、案件・求人情報が常時1万件以上のおすすめフリーランスエージェント。
主な対応エリアは東京・神奈川・千葉・埼玉で、東京周辺でフリーランスのITエンジニアを探す際におすすめのフリーランスエージェントです。
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8.HiPro Tech
▲出典:HiPro Tech
HiPro Tech(ハイプロテック・旧i-common techサービス)は、エンジニアやITコンサルタントに特化したフリーランスエージェント。
運営会社は東証プライム上場企業のパーソルキャリア株式会社で、転職サイトのdodaやハイクラス転職エージェントのdoda Xを運営しています。
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9.ランサーズエージェント
▲出典:ランサーズエージェント
クラウドソーシングサービスで有名なランサーズ株式会社のグループ会社が運営するランサーズエージェント。
ランサーズの運営だけに他のフリーランスエージェントと比較して登録者数が多いのが特徴です。
特徴・メリット |
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10.ITプロパートナーズ
▲出典:ITプロパートナーズ
ITプロパートナーズは、フリーランスのITエンジニアやWEBデザイナーを探す際におすすめのサービスです。
特徴・メリット |
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11.クラウドテック
▲出典:クラウドテック
クラウドテックは、ウドソーシングサービスで有名な株式会社クラウドワークスが運営するフリーランスエージェント。
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