業務委託の請求書テンプレートに含めるべき項目は?手間を減らす管理方法も紹介
業務委託先から請求書を受け取るたびに、記載項目の不足や金額の確認、インボイス制度への対応に負担を感じていませんか?請求書の形式が委託先ごとに異なると、確認に時間がかかるだけでなく、差し戻しや支払い遅れにつながる可能性もあります。
そこで、企業側で請求書テンプレートを用意すると必要な情報をそろえやすくなり、毎月の請求処理も進めやすくなります。
本記事では、業務委託の請求書テンプレートに必要な項目や、効率的な管理方法などを紹介します。請求書の管理を楽にしたい場合は参考にしてください。
業務委託の請求書テンプレートを用意するべき理由

業務委託の請求書テンプレートを用意することには、さまざまなメリットがあります。ここでは3つの理由を紹介します。
請求書の不備や差し戻しを減らす
業務委託契約を結ぶことで、外部パートナーから毎月多くの請求書が届きます。しかし、記載内容に漏れや誤りがあると、その都度差し戻して修正を依頼しなければならず、双方に余分な手間がかかります。
そこで、あらかじめ企業指定の請求書テンプレートを用意し、活用してもらうのが効果的です。テンプレートに請求日や請求番号、源泉徴収額などの必須となる記載欄を設けておけば、パートナー側も迷わずに正確な請求書を作成できます。
記載の抜け漏れが未然に防げるため、確認作業や差し戻しのやり取りが大幅に減り、毎月の経理業務をスムーズに進められるようになります。
請求書の確認基準を統一する
業務委託の支払いにおいて、現場担当者が稼働実態や業務内容を確認したのち、経理担当者が最終的な支払処理を行うという企業は少なくありません。この体制では複数部署が連携を取る必要があるため、請求書の確認基準を社内で統一しておくことが重要です。
企業が指定するテンプレートに、案件名や対象期間、社内の承認欄などを最初から組み込んでおきましょう。これにより、現場と経理のどちらがどこを確認すべきかが明確になり、社内の確認フローも整理しやすくなります。
インボイス制度や源泉徴収への対応漏れを防ぐ
近年、法制度への適正な対応は企業の課題となっています。特にインボイス制度が開始されて以降は、適格請求書として要件を満たしているかどうかのチェックが不可欠です。
あらかじめ用意するテンプレートに適格請求書発行事業者の登録番号や、税率ごとの消費税額・対象金額、源泉徴収の有無などを記入する欄を組み込んでおきましょう。これにより、請求書を受け取ったあとの確認漏れを防ぎ、不適切な税務処理につながるリスクを抑えられます。
法令順守を徹底しつつ、経理担当者の心理的な負担を軽減するためにもテンプレートの導入が推奨されます。
業務委託の請求書テンプレートに含める項目

業務委託の請求書テンプレートを作成する際は、以下の項目を必ず含めましょう。
それぞれの詳細を解説します。
【基本情報】発行日・住所など
正確かつスムーズに支払処理を進めるためには、基本情報の記載漏れを防ぐことが重要です。請求書に記載された発行日や支払期限が、事前に締結した契約書の条件と一致しているか、検収時に照合しましょう。
また、請求書番号が記載されていれば、過去の取引履歴との照合や、万が一請求内容に問い合わせが生じた際の確認が円滑になります。振込先口座の口座名義が正しく記載されているかも、振込エラーを防ぐための重要なチェックポイントです。
含めるべき項目は下記の通りです。
【明細欄】業務内容・単価など
請求書の明細欄は、提供された成果物や稼働の対価が、発注内容と齟齬がないかを検証するための箇所です。特に業務委託契約では、契約形態に応じて「どのような業務」を「いつ実施したか」を明確にする必要があります。
対象期間や作業単価、稼働時間が適切に区分して記載されていると、現場の担当者による検収作業や社内の決裁ルートにおける承認手続きがスムーズに進みます。
テンプレートを活用する際は、案件ごとの内訳が誰が見ても一目で分かる設計になっているかを確認しましょう。
含めるべき項目は下記の通りです。
【金額欄】消費税・源泉徴収など
金額欄には、最終的に支払うべき合計額と、その内訳を正確に明記します。特に個人事業主へ業務を委託している場合、報酬の内容によっては源泉徴収義務が発生するため、源泉徴収税額が正しく差し引かれているかの確認が必要です。
また、消費税額が外税として正しく区分されているか、事前の取り決めに従った立替経費や振込手数料の負担区分が反映されているかも重要な点です。これらが整理されていることで、経理部門での仕訳作業や、期末の納税手続きにおける確認コストを削減できます。
含めるべき項目は下記の通りです。
【インボイス】登録番号・適用税率など
仕入税額控除を適用するためには、受領する請求書が適格請求書の要件を不足なく満たしている必要があります。特に、適格請求書発行事業者の登録番号が記載されているか、税率(10%・8%)ごとに区分された消費税額・適用税率が正しく記載されているかが重要です。
仮にこれらの記載要件に漏れがある場合、自社の税負担が増加するリスクが生じます。企業側でテンプレートを用意してパートナーへ配布する場合や、受領した請求書を審査する際は、インボイス制度に対応した項目設計になっているかチェックしましょう。
含めるべき項目は下記の通りです。
業務委託の報酬形態別に用意したい請求書テンプレート

請求書テンプレートは業務委託の報酬形態別に用意すると、よりスムーズな処理ができます。以下3つのテンプレートを用意することがおすすめです。
それぞれ紹介します。
月額固定報酬向けテンプレート
毎月一定額を支払う顧問契約や、SNSなどのアカウント運用代行、プロジェクトのディレクション業務などには、月額固定報酬向けのテンプレートが適しています。
この形式の最大の特徴は、毎月の請求内容に大きな変動がなく、シンプルな明細で管理できる点です。具体的には「〇月分業務委託料」といった請求内容に加え、あらかじめ取り決めた「契約金額」「消費税」「源泉徴収」といった基本項目を中心に構成します。
企業担当者にとっては、毎月の処理がパターン化しやすく、請求書のチェックや承認フローを迅速に進められるメリットがあります。
時給・稼働時間型向けテンプレート
エンジニアやデザイナー、マーケターなど、実際の稼働時間に応じて報酬が変動する契約には、時給・稼働時間型のテンプレートが推奨されます。
このテンプレートでは、月ごとに変動する稼働実績を正確に反映させることが重要です。対象期間、稼働時間、1時間あたりの単価を明確に記載します。また、現場担当者が請求内容をスムーズに検証できるよう、実働時間を記録した「稼働報告書との照合欄」を設けるのが実務上のポイントです。
照合欄を設けることで請求書と報告書の突き合わせ作業が容易になり、確認作業にかかる手間やミスを削減できます。
成果物・スポット業務向けテンプレート
Web記事制作やバナー作成、写真・動画撮影など具体的な成果物の納品ごとに支払いが発生する契約には、スポット業務向けのテンプレートが適しています。
成果物型の請求書では、発注内容と納品実績が一致しているか確認できる設計が欠かせません。テンプレートには成果物名、納品日、検収日に加え、それぞれの単価と数量を記載できる欄を設けましょう。
上記の情報を整理しておくことで、事前に交わした契約書や発注書との照合がスムーズになり、二重請求や金額の誤りといったトラブルを未然に防ぐことが可能です。
Excel・Googleスプレッドシートで請求書テンプレートを作るときのポイント

請求書テンプレートを作る際、基本的にはExcelまたはGoogleスプレッドシートが多く使われます。それぞれを活用する際のポイントを紹介します。
【Excel】自動計算と社内保管に向いている
Excelを使ったテンプレートは、消費税や源泉徴収税、合計金額などの複雑な計算を関数で自動化できる点が大きなメリットです。委託先による計算ミスを未然に防ぎ、受領後の確認工数を削減できます。
Excelのテンプレートを用意して配布する際は、誤入力を防ぐ工夫を施しておくと便利です。計算式が入っているセルに保護をかけて編集不可にしたり、委託先が入力すべき箇所のみを色分けしたりする対策が効果的です。
また、自社の取引に不要な項目はあらかじめ削除しておくことで、委託先も迷わず正確に記入できるようになります。社内でのファイル保管や管理もしやすいため、従来型の運用に適しています。
【Googleスプレッドシート】共有・複製・更新管理に向いている
Googleスプレッドシートを使ったテンプレートは、URLひとつで簡単にリンク共有や複製ができ、テンプレートの配布や更新管理をスムーズに行えるのが特徴です。フォーマットに変更が生じた際もマスターデータを更新するだけで、常に最新のテンプレートを関係者に共有できます。
一方、クラウド上で管理することもあり、編集権限の付与ミスにより他の委託先の個人情報が閲覧可能となるリスクに注意が必要です。
情報漏洩を防ぐためにも、委託先に対して「完成した請求書はGoogleスプレッドシートのリンクで提出するのではなく、必ずPDF形式に書き出して提出する」というルールを提示しておくことをおすすめします。
【業務委託】請求書対応の手間を減らす方法3選

請求書対応は企業にとって負担になりがちな項目です。以下のような方法を取り入れると、手間を減らしやすくなります。
3つの詳細を解説します。
1.提出期限と提出先を明確にする
請求書のやり取りをスムーズにするためには、提出ルールを明文化し、事前に委託先へ周知しておくことが重要です。例えば以下のようなルールを決めておきましょう。
ルールが明確化されていれば提出の遅れや誤送を防ぎ、督促や確認の手間を削減できます。また、委託先側にとってもいつまでに何をするべきかが明確になるため、双方の信頼関係を維持しながら、月次処理の業務効率化を進めることが可能です。
2.ファイル名と保存フォルダを統一する
受け取った請求書の管理を効率化できるよう、ファイル名と保存フォルダのルールを統一することがおすすめです。特に、ファイル名には「日付・請求金額・取引先」を必ず含める命名規則を設けると、後から検索しやすくなります。
たとえば「202605_100000_〇〇株式会社.pdf」のようにルールを定めておけば、フォルダ内を一目見ただけで必要なファイルを見つけられます。
あわせて、月ごと・プロジェクトごとに保存フォルダを分けて整理すると、月次決算や監査時の確認作業がスムーズになり、データを探す無駄な時間を削減できます。
3.チェックリストを作成する
請求書のチェック漏れや確認の二度手間を防ぐために、社内用の確認チェックリストを作成しましょう。
業務委託の請求書では、契約内容と実際の請求金額に齟齬がないか、源泉徴収の有無や計算が正しいか、インボイス登録番号が正しく記載されているかなどの確認が欠かせません。
その他、振込先口座や支払期日が契約通りになっているかも重要な確認項目です。チェックリスト化して担当者が一目で確認できるようにすることで、人的ミスを防止し、属人化しがちな確認作業を標準化できます。
業務委託の請求書テンプレートに関するよくある質問

業務委託の請求書テンプレートについて、業務委託先から質問が寄せられることは珍しくありません。ここでは、企業側が押さえておきたい内容を紹介します。
業務委託先が個人の場合も請求書は必要?
業務委託先が個人のフリーランスや副業人材であっても、請求書を提出してもらうのが一般的です。法的な発行義務はなくとも、企業側における正確な支払処理や、税務上の証憑管理をスムーズに行うためには欠かせません。
また、個人への外注時は源泉徴収が必要な取引も多く、金額や源泉徴収税額の内訳を正確に把握・突合するためにも請求書が必要となります。後々の処理漏れや税務トラブルを防げるよう、取引開始時に請求書の提出をルール化しておくことをおすすめします。
請求書テンプレートはExcelとスプレッドシートのどちらがいい?
請求書テンプレートの形式は、ExcelとGoogleスプレッドシートのどちらを使用しても問題ありません。
社内でのフォルダ保管や、細かなデータの個別加工・管理がしやすいのはExcelの強みです。一方で、複数メンバーへの一斉共有や複製、クラウド上での共同編集がスムーズなのはGoogleスプレッドシートです。
選定にあたっては、自社の社内セキュリティや運用ルールに合わせるのが基本ですが、業務委託先が日常的に使用しているツールに合わせて選ぶ方法もあります。双方にとって負担が少ない形式を選択するとよいでしょう。
請求書の負担を減らした業務委託採用は『Workship』がおすすめ!

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