副業・業務委託人材の採用ノウハウ

求人票の書き方を徹底解説|求職者に魅力ある提案ができる記入例とポイント

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現在、日本国内の人手不足が深刻です。昭和から平成にかけても、好景気による需要過多で人手不足が問題となった時期がありました。しかし今回の人手不足は、超高齢化社会と少子化による労働人口の減少が要因であるという点において、過去の人手不足とは構造が全く異なります。

労働人口が減少すると、企業が経済活動を継続するための労働力を確保できなくなる可能性が高まります。

そこで重要なのが「求人票」です。求人票は、企業が求職者の募集を行う際に、業務内容や契約期間、就業場所などの労働条件を明示する書類のこと。

この求人票に記載する内容を工夫することで、求職者に対し、自社への興味や関心を引くことができます。求人票で応募者を増やすことで、より優秀な従業員を確保できる可能性が高まるでしょう。

ただし求人票には、職業安定法で定められた基準があります。そのため、記入すべき内容はルールに従って作成しなければなりません。

そこで今回は、職業安定法のルールに沿いながら、求職者に魅力のある提案ができる求人票の内容について徹底解説します。企業で人事を担当する方はもちろん、経営者の方も、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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求人票とは

求人票とは、企業が求人募集を行う際に、業務内容や契約期間、就業場所などの労働条件を求職者に明示する書類です。

求人票には、自社の企業情報や募集する職種、仕事の詳細、給与、給与形態や待遇などのさまざまな条件を記載します。

求職者は、この求人票に記載されている情報から応募先を探すため、自社のアピールポイントがしっかりと伝わる求人票の作成が重要となります。

以下では、求人票に明記すべき項目だけでなく、求職者に強くアピールできる記入例も紹介しながら解説します。

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求人票に明記すべき項目

求人票に明記しなければならない項目には、以下の10項目があります。この10項目は、職業安定法によって定められているため、どの事業者も同じです。

  • 業務内容
  • 労働契約期間
  • 試用期間の有無
  • 就業場所
  • 始業及び終業の時刻、所定労働時間外勤務の有無、休憩時間及び休日
  • 賃金額
  • 健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の適用に関する情報
  • 募集者の氏名または名称
  • 労働形態(正社員、契約社員、派遣社員、アルバイト・パートなど)の記載
  • 受動喫煙防止措置の状況

※参考:厚生労働省「労働者を募集する企業の皆様へ」より

そこで各事業者は、上記の項目に沿いながら、尚且つ求職者に魅力ある内容を明記しなければなりません。

求人票に書いてはいけない項目

求人票には、記載してはいけない「禁止事項」が2つあります。それを知らずに記入すると、求職者が集まりにくいだけでなく、原則として各種求人サイトなどに掲載できません。

求人票に書いてはいけない「禁止事項」とは、次の2つです。

  • 就職差別に繋がるような内容
  • 求職者に誤解を与える可能性のある内容

以下では、2つの禁止事項についてそれぞれ解説します。

就職差別に繋がるような記載禁止事項

就職差別に繋がる可能性のある記載禁止項目には「性別」「年齢」「国籍」「出身・居住地域」「身体的健康」などがあります。

「性別」に関する記載禁止例

性別については、男女雇用機会均等法により、男女どちらかの性別を限定する募集や、性別によって給与や待遇などの条件を変えることが禁止されています。

 

× 書いてはいけない記載事例

◯ 改善後の記載事例

男性のみ採用

男性の方が活躍しています

女性の方大歓迎

女性が働きやすい職場です

「年齢」に関する記載禁止例

原則として、年齢を基準とした選考も法律で禁じています。一部例外として、若年層のキャリア形成を目的とする長期雇用や、定年対象者を考慮した高齢シニア層の募集は可能です。また判断が難しい場合は、各都道府県の労働局に問い合わせると良いでしょう。

 

× 書いてはいけない記載事例

◯ 改善後の記載事例

30歳以下の方歓迎

30歳以下の方が活躍中です

重労働のため40歳未満の方が対象

重いものを運ぶ仕事で40歳未満の男性が活躍しています

20~30代のみの採用となります

20~30代の方を中心に活躍しています

「国籍」などに関する記載禁止例

国籍や人種、肌の色なども採用条件として記載できません。また、語学力が必要な場合には、経験や能力欄に記載しましょう。なお国籍不問といった記載も禁止です。

 

× 書いてはいけない記載事例

◯ 改善後の記載事例

外国人歓迎

外国籍の方が活躍中です

国籍は問いません

外国籍の方も活躍中です

「出身・居住地域」などに関する記載禁止例

出身地や居住地、または通勤時間などを雇用条件とすることは禁止されています。

 

× 書いてはいけない記載事例

◯ 改善後の記載事例

通勤時間30分以内の方大歓迎

公共交通機関での通勤をお願いします

自宅から通勤できる方の採用です

マイカー通勤可能

東京都の出身者大歓迎


「身体的健康」に関する記載禁止例

身長や体重、容姿などは選考基準にできません。身体的、精神的障がいについても禁止されています。

 

× 書いてはいけない記載事例

◯ 改善後の記載事例

心身ともに健康な方歓迎

体力に自信のある方歓迎

身長160㎝以上の方歓迎

高い場所にある商品を取る作業です

容姿の良い方大歓迎


上記の改善例として「雇用条件」でなく「仕事の詳細」に記すのも良い方法です。

以上のように、雇用条件欄の作成には細心の注意を払いましょう。

求職者に誤解を与える可能性がある記載

求人票には、上記のような差別的な記載を禁止している他に、求職者に誤解を与える可能性がある記載も禁止しています。

具体的に多い事例としては、最低賃金を下回ることをわかりにくく記載し、隠すような悪質な求人募集です。

従業員の報酬は、最低賃金法によって各都道府県と職種別に、最低時給や最低日給が定められています※。この最低賃金を下回る報酬での募集や雇用は厳しく禁止されています。

※最低賃金については厚生労働省HPからご確認ください

求職者が仕事を探す際に重視するポイント


厚生労働省が公開した山形労働局発表資料によると、求職者が求人票で仕事を探すときに最も重要視する項目は、以下の通りとなっています。

  • 1位:仕事内容
  • 2位:就業場所
  • 3位:賃金
  • 4位:休日

以下で、それぞれの項目で「求職者が知りたい詳しい内容」について解説します。

仕事内容についての知りたい情報

  • 1日当たりの業務の量
  • 最初に覚えるべき仕事
  • 未経験者が仕事を覚えられるまでの期間 など

就業場所についての知りたい情報

  • 最寄り駅
  • 最寄り駅からの所要時間とアクセス方法
  • 勤務地が通いやすい場所にあるか

また、車やバイク、自転車などの公共交通機関以外での通勤も求職者に人気となっています。

賃金についての知りたい情報

賃金の基準については、基本的に転職する方が、前職よりも収入アップしたい方が多くなっています。そのため、基本給だけでなく、賞与や時間外手当などを含めた月収例や年収例を具体的に記載しましょう。

休日についての知りたい情報

休日に関する情報も、求職者が重視するポイントで、3位の賃金と大差ないアンケート票となっています。最近では働き方改革の影響もあり、ライフワークバランスを重視する方が増え、土日祝日以外の有給や連休を取りやすい企業が人気です。

また、休日だけでなく勤務形態についての情報を分かりやすく表記することも、求職者への良いアピールとなります。日勤や夜勤、完全シフト制、フレックス勤務のほか、比較的自由に勤務時間を選べるフレックスタイム制も人気です。

また上記以外では「1日の業務の流れ」「人員の募集理由」「選定基準」などが求職者の関心の高い情報となっています。求人募集を出す際は、これらについての記載内容も考慮すると良いでしょう。

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求職者に人気の高い求人票の書き方

ここでは求職者に人気の高い求人票の書き方を紹介します。

求職者が重要視するポイントを中心に解説しますので、ぜひこの記事を参考に、魅力のある求人票を作成してください。

仕事内容欄の魅力的な書き方

 

× 悪い事例

◯ 良い事例

ケースを洗浄します。洗浄機へ流す、ケース整理、ラベルはがし、コード読み取り作業など

光学製品の組立のお仕事です。

※クリーンルーム内でのお仕事になります。

※未経験の方もお気軽にお問い合わせください。

上記のように「どのような会社で、どのような仕事をするのか」を、具体的に分かりやすく書くことが重要です。

さらに詳しく表記するために、下記のような内容を記載するのも、魅力ある求人票を制作する大切なポイントです。

仕事内容やおすすめポイントなどを詳しく記入すると、求職者が仕事や会社に良いイメージを持ちやすくなります。ぜひこのように具体的な内容を記すように心がけましょう。

【業務内容】

ライフルスコープ、双眼鏡の組立検査のお仕事です。

  • 指示書に従って、各ユニットを組み立てる作業をしていただきます。
  • 製品に付随する各部品の検査も行います。
  • 汚れがあった場合は、拭いていきます。
  • ※未経験の方は、できるところから始めていただきます。

【ポイント】

  • 無料駐車場完備◎
  • 食堂スペースあり♪
  • 休憩:午前、お昼、午後♪
  • 仕出し弁当あり◎
  • 更衣室あり!
  • ロッカーあり◎
  • パン、カップラーメン等の自販機あり♪

【オススメな方】

  • 未経験者歓迎◎
  • もくもく作業が好きな方!
  • 製造業でのご就業があれば経験を活かせます。
  • 残業が出来ない等のご相談も可能です◎  

就業場所欄の魅力的な書き方

 

× 悪い事例

◯ 良い事例

県内にあるいずれかの店舗でのお仕事

あなたの希望を考慮して、圏内にある以下の勤務地のいずれかへ配属いたします

※転勤・移動はありません

上記のように記入することで、求職者に就業場所の選択権がない場合でも、希望を聞いてもらえるという安心感を与えることができます。

賃金欄の魅力的な書き方

 

× 悪い事例

◯ 良い事例

月収例:185,000円

月給例:200,000円~230,000円

給与例)224,000円=時給1,100円×8時間×20日+残業代(35時間で計算)

+賞与年2回、住宅手当・家族手当あり

上記のように、基本給以外の手当てなどを記載することで、他社との差別化ができるだけでなく、求職者に配慮した内容となります。賃金が高い企業や業種では、できるだけ賃金の詳細を分かりやすく記載し、求職者に強くアピールしましょう。

休日欄の魅力的な書き方

 

× 悪い事例

◯ 良い事例

週休2日・有給休暇・慶事休暇

週休2日制(週5日勤務シフト制 ※日曜祝日+選べる平日1日・平日は原則固定となります)

その他長期休暇 年末年始、GW

有給休暇(取得実績100%)、慶弔休暇、産休・育休制度有

 最近では、休日の表記方法も重要度が増しています。具体的に休日の曜日やシフト制の有無などを表記することで、強く求職者にアピールできます。その他にも、産休や育休などあなたの会社で実施している休暇制度を全て記載しましょう。

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求職者に魅力のある求人票の書き方のまとめ

このように、求人票を作成する際は「できるだけ自社の強みをアピールする」ことが重要です。近年では、ライフワークバランスという考え方が定着しつつあり「給与が高い」や「企業規模」といった基準以外の「各種休暇」や「仕事内容」などもアピールできる要素となっています。

そこで、自社を求職者にアピールするだけではなく、企業イメージを向上させるコピーライティングなどを使いながら制作すると良いでしょう。ただし、求人票には、記載してはいけない禁止事項や嘘や大げさな表現も厳禁です。また、求職者のなかには初めて就業する方もおられるため、できるだけ分かりやすく安心して応募してもらえるような「優しい表現」を意識してください。そうすることで、他の企業よりも良い人材が多く応募してくれるでしょう。




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