副業・業務委託人材の採用ノウハウ

新卒採用を成功させる戦略の立て方!新卒採用に戦略が必要な理由やメリットとは

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少子化や学生の価値観多様化、採用手法の変化により、新卒採用はかつてないほど困難になっています。従来の場当たり的な活動では、求める人材の確保は極めて難しく、戦略的な取り組みが不可欠です。

本記事では、新卒採用の現状や企業が抱えやすい悩み、新卒採用に戦略が必要な理由や具体的な戦略の立て方を詳しく解説します。

新卒採用の現状

現在の新卒採用は少子高齢化により学生の数が少ないだけでなく、学生側の企業選びの軸や価値観が多様化し、働き方に対する考え方も大きく変化しています。さらに、リモートワークの普及や副業・兼業への関心の高まりなど、伝統的な終身雇用モデルに縛られないキャリアを志向する学生も増えています。

また、現在は採用手法も多様化しています。従来のナビサイト中心の採用活動に加え、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、ソーシャルリクルーティング、各種イベントなど、企業が学生と接点を持つチャネルが増加しています。

さらに、オンラインでの説明会や面接が一般化し、物理的な制約が緩和された一方で、オンラインならではの難しさや課題も生まれています。

このような状況下で、企業は学生から選ばれるために、自社の魅力を効果的に伝え、ターゲットとなる学生にアプローチするための戦略を持つことが重要となっています。

新卒採用で企業が抱えやすい課題

新卒採用では、多くの企業は複合的な課題に直面しています。

たとえば、少子化による採用候補者数の減少や採用競争の激化は、十分な母集団形成を困難にし、求める人物像とのミスマッチや内定辞退率の高さに繋がっています。

また、採用手法の多様化やオンライン化に伴う採用コストの増加、選考プロセスの非効率性や採用活動の属人化も課題です。

さらに、学生に自社の魅力が伝わりにくく、採用ブランディングが不足している点や、内定者フォローが手薄になりやすい点も、多くの企業で共通する悩みとなっています。

こうした課題を解決するためにも、新卒採用戦略が必要です。

新卒採用に戦略が必要な理由

複雑化・多様化する新卒採用において、効率的に質の高い採用を実現するには戦略が必要です。具体的には、以下のような理由から戦略が必要といえます。

変化する採用環境に対応するため

少子化、学生の価値観の変化、採用手法の多様化など、新卒採用を取り巻く環境は予測困難なほど変化しています。戦略を持たずに変化に対応することは難しく、競合他社に後れを取るリスクが高まります。

採用目標達成の効率を高めるため

戦略がないと、採用目標を達成するまでの道筋が不明瞭になるおそれがあります。明確な戦略に基づき、ターゲット設定や手法選定、スケジュール管理や効果測定を行うことで、採用目標達成に向けた確実性を高めることができます。

リソースを有効活用するため

新卒採用活動には多くのリソースが必要です。戦略を持つことで、どこにどれだけのリソースを投入すべきかが明確になり、無駄を削減し、最大の効果を引き出すことが可能になります。

求める人材とのミスマッチを減らすため

ミスマッチを減らすには、戦略的に採用ターゲットを明確に定義することが重要です。ターゲットに響くメッセージを発信したり、適切な選考プロセスを設計したりすることで、入社後に活躍する可能性の高い人材を採用できる確率が向上します。そのためにも、明確な戦略が必要です。

採用ブランディングを強化するため

戦略的な採用活動は、企業の魅力や働く意義を学生に効果的に伝えるブランディング活動でもあります。一貫性のあるメッセージを発信することで、企業イメージを向上させ、将来的な採用活動にも良い影響を与えてくれるでしょう。

新卒採用で戦略を立てるメリット

採用戦略を立てることは、企業に以下のようなメリットをもたらします。

・採用目標の達成率が向上する

・求める人物像とのマッチング精度が高まる

・採用コストを最適化できる

応募者数がなかなか集まらない、採用コストをかけすぎているなど、企業にはさまざまな採用課題があるでしょう。新卒採用戦略は、こうした課題の解決にも有効です。

採用目標の達成率が向上する

戦略的な新卒採用では、明確な採用目標に基づき、母集団形成や選考、内定承諾率といった各プロセスを計画的に管理します。明確な道筋に基づき計画的に新卒採用を進められると、場当たり的な活動に比べて目標達成に向けた活動の確実性が高まります。

ボトルネックとなっている段階を早期に特定し、適切な施策を講じることで、必要な数の内定承諾を効率的に獲得し、採用目標を達成できる可能性が飛躍的に向上するでしょう。

求める人物像とのマッチング精度が高まる

戦略立案の過程で、自社で活躍する人材の定義、いわゆるペルソナを具体的に設定します。このターゲット像に基づき、最適な採用手法や選考プロセスを設計・実行することで、自社の文化や業務内容にフィットし、入社後に活躍できる可能性の高い学生を見極めやすくなります。

結果として、入社後のミスマッチや早期離職のリスクを低減し、質の高い人材を確保できます。

採用コストを最適化できる

採用戦略においては、限られた採用予算を最も効果的に配分するための計画を立てます。各採用手法の費用対効果を事前に検討し、ターゲット学生に効率的にリーチできるチャネルを選定することで、無駄なコストを削減できます。

また、選考プロセスの効率化や内定辞退率の低下は、結果として追加採用にかかるコストの抑制につながり、採用活動全体の費用対効果を最大化できるでしょう。

新卒採用戦略の具体的な立て方

新卒採用戦略は、以下のステップで立てていくとよいでしょう。

①現状分析

②採用目標・KPIの設定

③採用ターゲットの明確化

④採用手法の選定

⑤選考プロセスの設計

ステップごとに詳しく解説します。

①現状分析

戦略を立てるにあたって、まずは自社を取り巻く環境と現状を把握することが不可欠です。

外部環境と自社の現状は、主に以下のようなポイントを中心に分析してみましょう。

外部環境

自社の現状

・競合他社の採用動向

・採用トレンド

・学生の意識や価値観

・過去数年間の新卒採用実績

・採用課題

・強み、弱み

現状分析には、PEST分析やSWOT分析のようなフレームワークが活用できます。現状を客観的に分析し、課題を抽出してこそ、新卒採用を成功に導く効果的な戦略が策定可能です。

②採用目標・KPIの設定

次に、現状分析の結果に基づき、以下のようなポイントから採用目標を明確に設定します。

・いつまでに

・どのようなスキルや資質を持った人材を

・何人採用するか

目標設定には、SMARTの法則や5W1Hといったフレームワークも活用してみましょう。

最終ゴールとなる採用目標が設定できれば、目標達成度を測るためのKPIも設定していきます。応募者数や書類選考通過率、面接通過率や内定承諾率、採用コストなどのポイントから、具体的な数値目標を定めましょう。

KPIがあることで、新卒採用の進捗を定量的に把握し、課題発見や改善につなげられます。

③採用ターゲットの明確化

目標・KPIとあわせて重要なのが、採用ターゲットです。新卒採用でどのような学生を採用したいかは、戦略の根幹となります。

採用ターゲットは、ペルソナとして詳細な人物像を設定することがポイントです。以下のようなポイントから、自社が求める人材像を明確化してみましょう。¥

・年齢

・性別

・出身大学、学部、専攻

・学生時代の経験

・保有スキル

・価値観

・キャリア観

・企業選びの軸

・企業に求めること など

自社で活躍している社員の共通点や現場が求める理想的な社員像といった情報も盛り込んで設定することで、より解像度が高まります。

ペルソナを設定することで、採用チームや面接官の間で「どのような学生を採用したいか」という認識を統一でき、採用活動全体の一貫性を保つことができます。また、ターゲット学生がどのような媒体を見て、どのような情報に触れているかを把握しやすくなり、次のステップの採用手法選定に役立ちます。

④採用手法の選定

定義したターゲット学生に対して、自社の魅力や働く意義をどのように伝え、どのように接点を持つかを検討します。

採用ターゲットが利用する媒体や行動パターンを考慮し、最適な採用手法を複数組み合わせることが効果的です。近年、主流である採用手法には、以下のようなものがあります。

手法

特徴

ナビサイト

学生が登録する大規模なWebプラットフォームに企業が求人情報を掲載し、学生からの応募を待つ手法

新卒紹介サービス

人材紹介会社が企業から依頼を受け、条件に合う学生を企業に紹介する手法

ダイレクトリクルーティング

企業がデータベースやスカウトサービスなどを活用し、求める人物像に近い学生に企業側から直接メッセージを送る手法

インターンシップ

学生に実際の業務内容や職場の雰囲気を体験してもらうプログラム

SNS採用

SNSを活用し、企業の文化、社員の日常、働くやりがいなどを発信する手法

オウンドメディアリクルーティング

企業が自社で運営する採用ブログや採用ホームページなどを活用し、企業の魅力や働く情報を主体的に発信する手法

さまざまな手法の中から、ターゲットへのリーチ効果や費用対効果、そして自社のリソースを考慮して決定しましょう。複数の手法を組み合わせることで、多角的に学生と接点を持つことができます。

⑤選考プロセスの設計

ターゲット学生を見極め、そして学生にとっても魅力的な体験となるような選考プロセスを設計します。

専攻フローを具体的に決定し、それぞれの段階で「何を評価するのか」という選考基準を明確化します。採用基準は、採用ターゲットに求める能力や資質を適切に測れるような基準を設定することが重要です。

面接官による評価のばらつきをなくすために、評価シートの作成や面接官向けのトレーニングを実施すると良いでしょう。

採用管理システム(ATS)などを活用して、オペレーションを効率化することも有効です。

まとめ

今回は、新卒採用に戦略が必要な理由や戦略を立てるメリット、具体的な戦略の立て方を解説しました。

少子化による母集団形成の困難さ、学生の価値観の多様化、採用手法の複雑化など、現在の新卒採用には多くの課題が存在します。これらの課題に対して、場当たり的な対応ではなく、明確な目標設定やターゲット定義、効果的な手法選定、プロセス設計といった戦略を持つことが、採用目標達成の鍵となります。

本記事を参考に自社の新卒採用にマッチした戦略を策定してみてください。

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