【人事担当者必見】採用歩留まりとは?平均値や効果的な改善方法を解説
採用活動において、応募者から内定者までの流れを効率的に管理することは、人材確保のために重要な要素となります。その際に役立つ指標が「採用歩留まり」です。
採用歩留まりとは、各採用ステージでの応募者数や内定者数の比率を表すもので、採用活動の効果や課題を把握するのに有効です。
しかし、採用歩留まりは企業や業界によって大きく異なるため、自社の状況に合わせて適切な目標値を設定する必要があります。
また、採用歩留まりを改善するためには、応募者のニーズや動機を理解し、選考プロセスやコミュニケーションを最適化することも重要です。
そこで今回は、採用歩留まりの内容や平均値、計算方法や効果的な改善方法について詳しく解説します。人事担当者や採用担当者の方はぜひ参考にしてください。
採用歩留まりとは?採用歩留まりが重要な理由を解説
採用歩留まりとは、採用活動における各フェーズに進んだ人数の割合を指す言葉です。
例えば、応募者数が100人で、面接に進んだ人数が50人なら、応募から面接への歩留まり率は50%となります。この歩留まり率は、採用の効率や効果を測る重要な指標の1つです。
採用歩留まりが重要な理由には、以下のようなものがあります。
採用課題を見つけることができる
歩留まり率を各フェーズで計算することで、どのフェーズで辞退者や不合格者が多いか、どのフェーズで改善の余地があるかを把握できます。
例えば、内定から入社への歩留まり率が低い場合は、内定者へのフォローや入社前研修などを見直す必要があるでしょう。
採用計画を立てやすくなる
歩留まり率をもとに、採用目標達成に必要な応募者数や選考人数を予測できます。
例えば、内定率が20%で、内定承諾率が80%だとすると、10人の入社者を確保するためには、最低63人の応募者が必要です。
このように、歩留まり率を活用することで、採用予算やスケジュールなどを効果的に管理できます。
採用力を高めることができる
歩留まり率を改善するためには、応募者に対して自社の魅力や選考プロセスを明確に伝えたり、応募者のニーズや志望度に応えたりすることが必要です。このような取り組みは、応募者の満足度やエンゲージメントの向上に影響するため、歩留まり率を上げる活動そのものが採用力の強化に繋がるでしょう。
採用歩留まりの計算方法
前述のように、採用歩留まりとは、採用活動の各フェーズに進んだ人数の割合を示す指標です。
採用歩留まりを計算する方法としては、まず自社の採用フローを明確に設定します。一般的な採用フローは、応募→書類選考→面接→内定→内定承諾という流れになりますが、企業によって異なる場合もあります。
採用フローを設定することで、どのフェーズで歩留まりが低下しているかを把握できるでしょう。
次に、各フェーズの歩留まり率を算出します。歩留まり率は、選考過程を通過した人数を選考対象となる人数で割り、100をかけたパーセントで表します。
例えば、書類選考の歩留まり率は、書類選考を通過した人数を応募者数で割り、100をかけたものです。歩留まり率を算出することで、どのフェーズで選考が厳しくなっているかや、どのフェーズで辞退者が多くなっているかを分析できます。
※応募者300人で一次選考を通過した人数が30名の場合の歩留まり率は、次の式で計算されます。
歩留まり率=30÷300✖️100(%)=10%
採用の歩留まりの平均値
採用の歩留まりの平均値については、新卒採用と中途採用で異なります。
以下では、それぞれの平均値を示します。
新卒採用の歩留まり平均値
新卒採用に関する歩留まり率は、平均で50%前後と言われており、この数値は従業員規模に関わらず変わらない傾向にあります。
ただし、選考フローによっては25%前後に低下する場合もあるため、注意が必要です。
なお、新卒採用の内定辞退率は、2021年7月1日時点で約55%となっており、20卒・21卒は6割強という高い水準で推移しています。
ここから分かるように、人手不足による人材の売り手市場が見て取れるため、企業が効果的な採用フローを考え、実行する必要があると言えるでしょう。
中途採用のの歩留まり平均値
中途採用の内定率は、転職エージェント経由の場合で、約4%~5%が平均値となっています。なお、中途採用の内定辞退率は2019年時点で約20%となっており、新卒採用と比較して低めの水準です。
また、一次面接から内定を出すまでの平均日数は12.3日となっており、過去最短の日数となりました。
上記のように、中途人材を採用する際は、できるだけ早く応募者の採用を決定し、他の企業に人材を取られないように工夫していることがわかります。
採用の歩留まりが低下する原因|外的要因と内的要因
採用の歩留まりが低下する主な原因は、外的要因と内的要因に分けられます。
外的要因は、他社との競争や労働環境の問題など、改善が難しい問題です。一方、内的要因は自社で改善できる要素が大きく、主に次の4つが挙げられます。
内定スピードの遅さ
選考フローが長く内定を出すのが遅いと、応募者は先に内定を出した他社に流れてしまいます。選考フローの短縮や簡素化をはかり、スピードを上げることが必要です。
採用ブランディングの不足
自社の魅力や強みを十分に発信できていないと、応募者は競合他社に魅力を感じてしまいます。自社サイトやSNS、イベントなどを通じて自社をブランド化することが大切です。
SNSやクチコミの影響
インターネット上で自社の評判や口コミを見た応募者が、自分に合わないと判断して辞退するケースが多いです。社員のポジティブなSNS投稿やカジュアルな面談の機会を増やすことで、応募者の不安を解消することができます。
応募者へのフォロー不足
選考中や内定後に応募者への連絡や説明が不十分だと、応募者の入社意欲が減退します。面接では入社への動機付けを行い、内定後はメンバーとの接点を持てる機会を設けることで、応募者の関心を高めることができます。
採用の歩留まりを改善する方法4つ
採用の歩留まりを改善する方法としては、次の4つが有効です。
選考プロセスを最適化する
選考フローを短縮や簡素化することで、応募者の離脱を防ぎましょう。また、選考基準や評価方法を明確にすることで、応募者の不安や疑問を解消することも大切です。
企業や仕事の魅力を発信する
自社のビジョンやカルチャー、仕事内容や成果などを積極的に発信することで、応募者の関心や志望度を高めましょう。
そこで、自社サイトやSNS、イベントなどを活用して、自社のブランドイメージを向上させることが大切です。
応募者と社員との交流機会の設定
応募者と社員とのコミュニケーションを促進することで、応募者の入社意欲を高めましょう。
例えば、面接や内定後に社員とのカジュアルな面談や食事会などを設けるなど、社員の声や雰囲気を伝えるのも効果的です。
内定者への動機付けやフォローアップ
内定者に対して、入社までの期間に定期的に連絡や説明を行いましょう。
実際に入社するまでの間に定期的な研修やオリエンテーションなどを実施して、良好なコミュニケーションを取りながら入社への準備や期待を高めるのが効果的です。
採用コストを削減するコツ
内部コストを見直す
採用活動に従事する社内人員の人数や時間を最適化することで、人件費や交通費などの内部コストを削減可能です。
例えば、面接回数や面接方法を見直したり、オンラインツールを活用したりすることで、社内人員の負担を軽減できるでしょう。
外部コストを見直す
採用活動に関わる外部サービスの利用状況や効果を分析することで、求人広告や人材紹介などの外部コストを削減することができます。
例えば、求人メディアの掲載期間や掲載内容を見直したり、人材紹介の成功報酬率や契約期間を見直したりすることで、外部コストを最小限に抑えることが可能です。
掲載媒体を選定する
採用したい人材の属性やニーズに合わせて、最適な求人メディアを選定することで、採用コストを削減することができます。
例えば、新卒採用では大手就職サイトや学校紹介などが効果的ですが、中途採用では業界別や職種別の専門サイトやSNSなどが効果的です。
採用ツールを活用する
採用活動における様々な業務を自動化・効率化するための採用ツールを活用することで、採用コストを削減することができます。
例えば、応募者管理システムやAI面接システムなどがあります。これらのツールは、応募者の情報管理や選考プロセスの管理などの煩雑な業務を簡素化するのに役立ちます。
リファラル採用を促進する
従業員からの紹介で採用するリファラル採用は、採用コストを削減するだけでなく、採用品質や定着率も向上させることができます。
リファラル採用を促進するためには、従業員に対してリファラル制度の周知や教育、インセンティブの提供などを行うことが重要です。
スカウトメールを工夫する
自ら求職していない人材に対してダイレクトリクルーティング(スカウト採用)を行う場合は、スカウトメールの内容やタイミングに工夫することで、採用コストを削減することができます。
例えば、スカウトメールでは自社の魅力や求める人材像などを具体的に伝えたり、返信しやすいようにオンライン面談や電話面談などのオプションを提示したりすることが効果的です。
優秀な人材採用にはフリーランスがおすすめ
ここでは採用戦略の選択肢の1つである、フリーランス人材の活用についてご紹介します。
フリーランス人材を活用する企業の増加
フリーランス人材については、働き方改革の影響もあり、近年多くの企業が活用しています。
以下の表は、2019年に経済産業省が行なった調査の結果を示したものです。およそ半分の企業がフリーランスを活用、または検討していることがわかります。
■ 個人事業主・フリーランスとの契約状況
■ 個人事業主・フリーランス活用状況(業種別)
人材を採用する企業にとっては、少子高齢化や人材市場の縮小という背景もあり、今後はフリーランス人材の活用が欠かせなくなるでしょう。
フリーランス活用のメリット
フリーランス人材の活用にはどのようなメリットがあるのかについて、以下の3つを紹介します。
要件 | メリットの詳細 |
---|---|
コスト | もっとも大きなメリットがコストの低さです。フリーランスに業務委託することで、正社員のような社会保険や福利厚生などの費用負担がないため、企業は報酬を支払うだけで済みます。浮いた費用を報酬に回すことで、市場価値の高い、優秀な人材を採用できるでしょう。 |
柔軟性 | フリーランスへの業務委託により、自社の条件に合わせた働き方をしてくれるのもメリットです。たとえば、週3日だけ働いてもらったり、リモートで働いてもらうこともできます。 |
スピード感 | 基本的には個人事業主との契約となるので、双方の合意があれば最短で即日稼働も可能です。競合サービスに先行するために1日でも早くサービスをリリースしたい場合などは、大いに役立つでしょう。 |
このようなメリットに魅力を感じたり、自社の弱みを補ってくれる場合は、フリーランスや副業人材の活用を検討してはいかがでしょうか。
▼以下では、Workship登録人材から収集した『フリーランスの働き方に関する調査レポート』を無料でダウンロードできます。フリーランスが希望する報酬額や休日などを網羅した資料ですので、ぜひ貴社の採用活動にお役立てください。
優秀な人材採用におすすめの人材サービス13選
人材サービスの利用には費用がかかるものの、採用活動のサポートサービスが充実しており、困ったことがあれば人材採用に精通した担当者に相談しながら進められます。
また人材サービスを使った採用活動は基本的にオンラインとなるため、採用活動費用の項目が減り、会計処理も簡単になります。
最初に紹介する「Workship」では、会計処理だけでなく、契約書の作成やインボイスの対応などもすべて丸投げ可能です。採用活動や会計処理に自社のリソースをできるだけ割きたくない、コア業務に集中したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
以下では、採用コストの削減におすすめの人材サービス13選を紹介します。
1. Workship|国内最大級のフリーランスマッチングサービス
▲出典:Workship
「Workship」は国内最大級の登録者数を誇るフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 登録者数:48,500人以上
- 三者間契約のため、安全に業務委託できる
- さまざまな採用手法が利用でき、最短1日で契約した事例もあり
- 人材のスキル/経歴を分析しスコア化
▼以下では、Workshipを実際に導入した企業の事例と共にサービスの特徴やお役立ち機能も紹介しています。ぜひ貴社の採用活動にお役立てください。
2. ワークポート|全国規模の対応が持ち味
▲出典:ワークポート
ワークポートは全国の多種多様なネットワークが持ち味のエージェントです。
特徴
- 幅広いネットワークで、全国の多様な業種に対応
- 採用成功まで費用がかからない完全成果報酬型
3. リクルートエージェント|業界最大級の実績
▲出典:リクルートエージェント
リクルートエージェントは各業界に精通したアドバイザーによる手厚い対応が売りのエージェントです。
特徴
- 完全成果報酬型の料金形態
- 業界最大級の登録者数
4. quick AGENT|最短2分で紹介
▲出典:quick AGENT
quick AGENTは、デザイナーとエンジニアに特化した採用媒体です。
案件を公開してデザイナーからの応募を待つこともできますが、案件を登録すると専属のエージェントが適した人材を紹介してくれるので、比較的早めに人材が決まることも特徴です。
タイミングにもよりますが、登録からデザイナー紹介まで最短2分で進むこともあります。今すぐデザイナーを採用したい企業や即戦力を求めている企業に適した採用媒体といえるでしょう。
特徴
- デザイナーとエンジニアに特化している
- 早めに採用まで決まりやすい
5. レバテック|エンジニアとデザイナー特化
▲出典:レバテック
レバテックはエンジニアとデザイナーの採用に特化したエージェントです。
特徴
- 社員、派遣、フリーランス希望者の中からニーズに合わせてご紹介
- エンジニア、デザイナー専門のエージェント
- 採用課題から必要な人材像を整理し、求めるスキルにマッチする人材を推薦
6. ITプロパートナーズ|問い合わせから60分以内に人材紹介
▲出典:ITプロパートナーズ
ITプロパートナーズは迅速かつ丁寧な対応に定評があるエージェントです。
特徴
- 迅速かつ手厚いサポート対応
- 豊富な人材データベース
7. スタンバイ|幅広い雇用形態に対応
▲出典:スタンバイ
スタンバイは日本最大級の人材紹介サービスです。
登録しているエンジニアも多く、スキルや経験を限定して適した人材が選べます。
また、正社員や契約社員、フリーランスなどのさまざまな働き方を希望するエンジニアが登録しているので、企業がどのようなエンジニアを採用したいかによって適する働き方のエンジニアとマッチングできます。勤務地も限定できるので、通勤してもらうエンジニアを探す場合にも活用しやすい採用サイトといえるでしょう。
特徴
- 幅広い雇用形態に対応
- 勤務地を限定できる
8. SOKUDAN|Facebookとの連携で安心
▲出典:SOKUDAN
SOKUDANは面接までの時間が短く、Facebookと連携するなど、信頼性の高いフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 会社の状況にあった料金プランの提案
- 最短当日のマッチング
9. CODEAL|豊富なハイスキル人材
▲出典:CODEAL
CODEALは多くのハイスキルなデザイナーのデータベースをもつフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 豊富な利用実績
- 即戦力人材が多い
10. MOREWORKS|スキルからピンポイント採用
▲出典:MOREWORKS
MOREWORKSは、デジタル・クリエイティブ業界特化型の求人サイトです。
エンジニア、デザイナー、ディレクター、プロデューサーの4つの職種から人材を探せるので、エンジニア以外の人材を採用する際にも活用できます。
特徴
- デジタル/クリエイティブに特化している
- エンジニア以外にもデザイナー、ディレクター、プロデューサーを探せる
- プログラミング言語でエンジニアを指定できる
11. Crowdtech|最短3日で即戦力を契約可能
▲出典:Crowdtech
Crowdtechは、日本最大級のアウトソーシングサービスであるCrowdworksの関連サイトです。
登録しているデザイナーの数も多く、最短3日で即戦力のデザイナーと契約できます。
特徴
- 最短3日で即戦力のデザイナーを採用できる
- 掲載費用がかからないので採用コストを抑えやすい
12. green|カジュアルな転職を可能に
▲出典:green
greenはカジュアルな転職を目指した採用媒体です。
専門の人事担当者がスカウトに介入するので、応募者のスキルや希望する条件とマッチングしやすいのもgreenの特徴です。IT/WEB専門の採用媒体なので、ITエンジニアの登録が多いことも希望に近い人材と出会いやすいポイントです。
特徴
- 応募者と面談することが可能
- 希望条件と応募者のスキルがマッチしやすい
13. Midworks
▲出典:Midworks
Midworksは、IT系のフリーランスエンジニアやデザイナー専門のエージェントサービスです。
フリーランス人材と採用企業の間に立ち、双方のマッチングをサポートします。
特徴
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