「雇用のミスマッチ」はなぜ起きる? 原因から対策まで解説
「雇用のミスマッチ」は、大手、中小など企業の規模にかかわらずどの企業にも起こりうる採用課題の一つ。せっかく予算や多くの工数をかけて採用活動をしても、ミスマッチが起こってしまっては、それらが無駄になってしまいます。
この記事では、雇用のミスマッチを減らすために、ミスマッチが起こってしまう原因から防ぐための対策を企業視点で解説します。
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雇用のミスマッチとは?
一般的に「雇用のミスマッチ」とは経済用語として使われる場合、下記の様な状況を指して使います。
求人側の企業と求職者側の需要と供給数に問題はないのに、個々のニーズの不一致を理由に失業者が増えている状態 |
需給のバランスが取れているのに失業者が増えるという、経済的な社会問題として認識されています。
ただし、この記事ではあくまで企業の視点に立ち、人材を雇用したにもかかわらず、能力・適性・社風・企業文化などを理由に早期離職してしまった、あるいは異動させざるを得なかった状況のことを、便宜上「雇用のミスマッチ」として解説していきます。
ほとんどミスマッチが起こらない企業にとっては万が一ミスマッチが起きても、「求職者側に何らかの問題があった」という結論付けることもできます。ですが、ミスマッチが頻繁に、あるいは一定の率で起こる場合は採用活動の内容に問題がある可能性があります。
その場合、「求職者側の問題」で片付けてしまうのではなく、「なぜミスマッチが起こってしまったのか」という視点で採用活動の振り返りをしましょう。課題や注意点が社内で把握できれば、次回以降の採用活動でミスマッチを減らすことにつながります。
そのために大切なのが、ミスマッチが起きてしまった原因を特定することです。
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雇用のミスマッチが起こる原因
雇用のミスマッチが起きてしまう原因は、業態・業種・企業によりさまざまです。自社にとって「何が大きな原因」になっているのかを特定しやすくなるよう、本記事では以下のようにマクロ的(外部的)要因とミクロ的(内部的)要因の2つに分けて解説していきます。
雇用のミスマッチが起こる原因
マクロ的(外部的)要因 | ミクロ的(内部的)要因 |
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雇用のミスマッチが起こるマクロ的要因
市場動向や社会情勢によって変化するマクロ的(外部的)要因は、自社でかならず対策できるわけではありませんが、知っておくかそうでないかでは対策の立て方に影響してくる場合があります。
以下は、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」のデータを基に、人材市場を全体での「雇用ミスマッチ」の頻度を指数化したもので、2016年までのものではありますが増加傾向が見て取れます。
雇用ミスマッチ指数の動き
▲出典:厚生労働省
要因1. 労働人口が不足している
近年は労働人口の減少による人手不足が問題となっているほどで、「売り手市場」と呼ばれる状況が続いています。特にIT業界(エンジニアなど)では不足が著しく、業種によってもかなりの差があります。市場に人材が不足している状況下では必要とする能力の不一致などが起こりやすく、ミスマッチが発生しやすくなります。
要因2. 求人・求職情報が双方に届いていない
求人・求職の情報が企業と人材、どちらにも十分に届いておらず、情報の入手が難しくなっている場合も市場全体のミスマッチの量に影響すると考えられています。現在では、求人情報のチャネルが多様化しつつあり、企業視点では「求める人材に適切に自社を知ってもらうにはどこに掲載すればよいか」という観点で考える必要があります。
要因3. 企業側と求職者側の希望がずれている
自社が出している求人は、本当に市場の状況にあった求職条件になっているでしょうか。業種・年齢・賃金・雇用形態・地域など、企業側の都合でばかり考えると求職者側のニーズと一致せず、応募者は少なくなります。市場の相場を調査し、求職者のニーズも加味したうえで条件を考えましょう。
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雇用のミスマッチが起こるミクロ的要因
続いて、おもに自社での対策が可能なミクロ的(内部的)要因を見ていきましょう。
要因4. 掲載情報が誤解を招いている
外部に開示している情報と入社後の環境の違いが大きければ大きいほど、ミスマッチは起こりやすくなります。以下は、求人情報が誤解を招く可能性が高い具体例なので、参考にしてください。
- 良い点ばかりを強調している
- 業務や募集条件など採用要件の伝え方が曖昧
- 労働時間などが実際と異なる
要因5. 面接での相互理解が足りない
面接で企業と応募者、双方の理解が深まっていないまま採用してしまうこともミスマッチにつながる原因です。近年では、面接をオンラインで行なう機会も増えてきました。採用コストの削減や遠方からの求職者にも対応できるなどメリットもありますが、そのぶん人間性がわかりづらくなるケースもちらほら。採用過程の中にかならず直接対面での面談も入れましょう。
要因6. 入社後のフォローが足りない
水面下でミスマッチが起きていたとしても、すべての人材が即退職の道を選ぶというわけではありません。しかし、不安やストレスを抱えた状態が続けば続くほど、退職のリスクは高くなります。逆に、内定から入社後までの一定期間、フォローを行なうことでミスマッチによる退職を防げる場合もあります。
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雇用のミスマッチによるマイナス
雇用のミスマッチが続くことは、企業にとってはいくつものマイナスにつながります。ここではミスマッチが原因で起こるさまざまなリスクを解説します。
経済的な損失
エン・ジャパンさんの「なぜ人は辞めるのか?退職を科学する」という記事より抜粋した図です。
▲出典:エン・ジャパン
これは入社後3ヶ月で社員1名が辞めた場合の損失額を試算したものですが、採用経費、在籍費用、教育研修費を含めると総計187.5万円もの損失が試算されるようです。
この金額はあくまでも一例です。実際には、企業規模や採用活動の内容、給与などによっても変わってくるので、損失がこの金額よりも大きくなるケースは十分に考えられます。
既存社員のモチベーション低下
ミスマッチにより社員が早期退職した場合、周囲の社員のモチベーション低下につながるリスクがあります。仮に連続でミスマッチが起こるなどした場合、社員からは経営や採用体制への不満が蓄積されることも考えられます。雇用のミスマッチは、求職者だけの問題ではなく職場環境にもネガティブな影響をもたらすことがある、と心得ておきましょう。
企業イメージの低下につながる
ミスマッチに限らず、「離職率が高い」と聞いてホワイト企業を思い浮かべる人は少ないのではないでしょうか。近年では、厚生労働省の「ブラック企業対策」の一環として、ハローワークの求人票に「離職率」を記入する欄が設けられるなど、外部に離職率を公表しなければいけない場合もあります。ミスマッチの件数が多いことは企業イメージのダウンにつながり、それ以降の採用に影響する恐れもあります。
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雇用のミスマッチに対する有効な対策
ここからは、ミスマッチを防ぐための具体的な対策を解説していきます。どこに注力するべきかどうかは、企業や業種ごとに異なりますので自社に照らし合わせながらご活用ください。
- 求人情報を見直す
- 面接での適性判断を見直す
- 内定〜入社後のフォローを充実させる
- お試し入社やインターン制度を導入する
1. 求人情報を見直す
自社が出している求人情報は、求職者の第一印象を決める大事な役割を担っています。しかし、印象を良くするだけではなく働き方が具体的に想像できること、入社後とのギャップが少ないことも意識して見直しましょう。ポイントは以下のとおりです。
- 求める人物像が明確に伝わっているか
- 募集の背景を伝えているか
- 労働条件・環境が実際と異ならないか
- 現場社員から見て内容に相違ないか
- 求職者が見て、疑問に思う点や不明点などがないか
2. 面接での適性判断を見直す
面接で、企業と求職者の相互理解がより深まるような取り組みを考えてみましょう。たとえば、下記のような対策をすることでより適性が見極められるようになる場合があります。
- 選考フローに性格診断(ツール)を追加する
- 現場社員との面接の機会を設ける
- 会社が置かれている状況やネガティブな要素も正確に伝える
以上のような働きかけを求職者にすることで雇用のミスマッチは減らすことができます。
3. 内定〜入社後のフォローを充実させる
入社後に一定期間フォローを行なうことで、雇用者のストレスや不安を取り除き、ミスマッチによる早期退職を防げる場合があります。たとえばフォローには下記のようなものがあります。
- 転職者向けの研修を行なう
- 転職者用の相談窓口を設ける
- 入社後の定期的に面談をする
また入社前であっても、内定前後からフォローをスタートすることで、内定承諾率や辞退などを減らす効果もあります。
4. 正社員採用を前提にフリーランスを活用する
中途採用に限っていえば、たとえば正社員採用を前提としてフリーランスを活用するという手法もあります。
フリーランスの場合、すでに専門分野でのスキルやノウハウを習得して独立する方が多く、優秀な人材が多い傾向があります。それゆえに、待遇・条件については個別に交渉が必要ですが、たとえばトライアル期間として業務委託を開始し、数ヶ月後にお互いの合意があれば正社員として迎え入れる、などが可能です。
仮に数ヶ月のトライアルを経て「正社員採用は難しい」と判断したとしても、業務委託の関係を解消する必要はなく、それ以降も業務発注できる社外の存在として関係を継続することもできます。
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