ワークシェアリングとは?成功事例やメリット・デメリットについて解説
働き方改革に伴い、多くの企業でワークシェアリングの導入が検討されています。特に新型コロナウイルスの感染が拡大してからは話題に上がることも多くなりました。
しかし「ワークシェアリング」については、まだまだ国内で浸透しているとは言い難い状態です。
そこで今回は、ワークシェアリングの意味や活用方法、メリットとデメリットまで解説していきます。
業務の効率化に取り組もうとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
ワークシェアリングとは? 意味や4つの種類を解説
ワークシェアリングとは「一つの仕事を労働者同士で分担する」ことです。
仕事を複数人で分け合うことで、労働者一人あたりの負担を軽減するとともに、雇用機会を創出しようという取り組みを指します。
ワークシェアリングは「失業率の上昇」や「オーバーワークによる過労」という2つの雇用問題を解決するための方法ですが、導入する企業にとっても人材雇用におけるさまざまな問題を解決し、各業務の品質向上が可能です。
ワークシェアリングの種類
ワークシェアリングは主に次の4つの種類に分類されています。
種類 | |
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雇用維持型 (緊急避難型) | 企業の業績が悪化してしまった場合など、何らかの理由で仕事量が低減した際に、今現在雇用している労働者を解雇せず雇用を維持するために行う緊急措置的なワークシェアリングです。 |
雇用維持型 (中高年対応型) | 定年退職後の中高年層を対象に、1人あたりの労働時間を短縮することで、中高年層の雇用機会を増やすことを目的として行うワークシェアリングです。 |
雇用創出型 | 失業者に新たな雇用機会を提供することを目的として、既存の労働者の労働時間を短縮し、新規採用者に労働時間を振り分けるワークシェアリングです。 |
多様就業対応型 | フレックスやパート勤務、在宅ワークなどの多様な就業形態で人材採用を行い、育児や介護などで短時間労働を希望する人に雇用機会を提供するワークシェアリングです。 |
多様な働き方を認める「多様就業対応型」のワークシェアリングでは、人手不足の解消や優秀な人材の確保に繋げられます。
その上、家庭の事情や体調によって、フルタイムで働くことが難しい人の働く機会創出にもつながるため、企業と労働者双方にメリットがあるのが「多様就業対応型」です。
(参照:厚生労働省)
ワークシェアリングの成功事例3選
新型コロナウイルスの感染拡大により雇用情勢が悪化している中、アメリカで1人当たりの労働時間を減らして解雇を防ぐワークシェアリングの活用が急増しています。
新型コロナウイルスによる不況は世界規模ですが、それに伴う一時解雇を防ぐ対策としてワークシェアリングを導入することは、一つの対策方法と言えるでしょう。
事例1. アリババ
ワークシェアリングの先駆けとして中国ネット通販大手、アリババ集団傘下の生鮮スーパー「盒馬(フーマー)鮮生」が挙げられます。
盒馬鮮生では、外食やタクシーなど40社以上から自宅待機などの従業員の受け入れを始め、5千人以上がフーマーで宅配スタッフなどとして働いていました。
今回、中国政府がこの取り組みを推奨したために他社へも広がり、外食産業では「約400万人以上の待機問題を解消した」とのことです。
事例2.トヨタ自動車
日本を代表する自動車メーカーのトヨタ自動車では、2009年の自動車販売数の減少を受けて、6つの工場で時短勤務を導入しました。
また時短勤務だけでなく、幹部社員を含む全社員の賞与の削減を行うなどして、売上の減少をカバーしました。
この事例も、雇用維持型(緊急避難型)のワークシェアリングに該当します。
事例3. まいばすけっと・出前館
イオン系食品スーパーの横浜市の「まいばすけっと」が、外食産業の人材を受け入れました。また、食品デリバリーの「出前館」なども、外食産業から宅配スタッフとしてアルバイトを受け入れています。
コロナ禍で休業となってしまった飲食店から、生活必需品を販売するスーパーへの従業員シェアは安定的であるため、従業員の生活を保証することができました。
▲出典:Touch Persol
このように、ワークシェアリングとは、平時は解雇で雇用を流動化し、産業の新陳代謝を進めるのが米国流の方法です。しかし、コロナ渦においては従業員を解雇することなく、ワークシェアリングに取り組むことで人材雇用の継続と安定が図る最適な方法にもなるのです。
ワークシェアリングを行うメリット・デメリット
ワークシェアリングを導入した場合、企業にはどのような変化があるでしょうか。
本来ワークシェアリングは、求職者に新たな雇用機会を提供することを目的として行われるものですが、企業側も求職者や既存社員のニーズに応えることによって様々なメリットを得られます。
しかし、新たな人材を受け入れて業務分担を行うとなると、これまでにはなかった問題が発生する可能性があるのも事実です。
ここでは、企業側からみたワークシェアリングのメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
ワークシェアリングのメリットは「ニーズの確保と生産性向上」
ワークシェアリングを導入するメリットとしては、次のような点が挙げられます。
- 求職者の多様なニーズを埋めることができる
- 生産性が向上する
これまで一人が行っていた仕事を分担し、労働時間が短縮されると、育児や介護などの理由でフルタイム勤務が難しい人でも働きやすくなります。
企業側にとっても、時間的な問題でこれまで働く機会を得られなかった人たちの能力を活用できるようになることは大きなメリットです。専門分野やスキルの異なる人が一つの仕事に携わるようになれば、相乗効果によって業務の質が高まるでしょう。
社内の各々の業務負担が軽くなれば、本来のやるべき仕事に集中できるため、業務全体の効率化はもちろん売り上げの増加にも繋がります。
さらに、労働時間が短縮されることで、ライフワークバランスを保ち労働環境が改善できます。
ワークシェアリングのデメリットは「コストと手間の増加」
一方、ワークシェアリングを導入するデメリットとしては、次のような点が挙げられます。
- 人件費や厚生費などの増加
- 業務内容や流れが明確でないと手間が増えるリスクがある
ワークシェアリングを導入し、新たな人材を受け入れると、当然ながら社員の人数が増えることになります。
そうなると人件費はもちろん、交通費、福利厚生費などが通常よりも多くかかる可能性があります。リモートワークにより交通費や福利厚生費などは削減できますが、それでも業務用に関わるコストの発生は避けられないでしょう。
また、ワークシェアリング導入直後は引き継ぎや連絡事項が多くなることから、業務効率が一時的に低下するでしょう。マニュアル制作やワークシェアリング以前の業務の属人性によって変わりますが、生産性の低下から売り上げの減少もあり得ます。
ワークシェアリングを成功させるには、こうした起こりうるリスクを想定したうえで、慎重かつ計画的に導入を進めていく必要があります。
ワークシェアリングの導入方法【5つのステップ】
ワークシェアリングをしっかりと機能させていくためには、導入前に以下の準備が必要となります。
- 現状の業務や人材の把握・見直し
- 不要な業務を洗い出す
- ワークシェアリングが可能な業務の選出
- マニュアル作成
- 業務の進捗を確認する
まず最初に行うべきことは、現在の人材や業務の把握です。「どんな仕事を・何名で・どのような方法で」行っているのかを確認し、無駄な業務があれば見直しましょう。そのうえで分担可能な業務を探ります。
また、漠然と業務を分担してしまうと、連携などが上手くいかず仕事が滞ってしまうことになりかねません。分担する業務は、担当者全員が内容や流れを理解できるようにマニュアルを作成しましょう。
ワークシェアリングを導入した後は振り返りも重要です。業務を分担したことによって、これまでよりも作業効率が落ちているなどの問題が出ているのであれば、速やかに状況を確認し、改善を行う必要があります。
ワークシェアリングに関する助成金
日本ではワークシェアリングに関する助成金があります。
雇用調整助成金
雇用調整助成金とは、経済に関わる事象が原因で事業の縮小が必要になった企業が、 労働者に対して一時的な休業等を行うことで労働者の雇用の維持を行なった場合、企業が従業員に支払った休業手当等の一部を国が助成する制度です。
また一定の要件を満たす場合は、全額が助成されます。
ワークシェアリングに係る緊急雇用創出特別奨励金
こちらは、企業と労働者の合意のもと、労働時間の短縮とそれによる賃金の減額を行い、その上でハローワーク等の紹介により求職者を雇った場合、ワークシェアリング導入についての奨励金と新規雇用についての奨励金が支給される助成金制度です。
ワークシェアリングのリスクは「フリーランス採用」でカバーできる
ワークシェアリングの導入によって多様な働き方を受け入れることで、様々なスキルを持った人材が集まり業務効率化や生産性の向上に繋がる可能性があります。しかし、新しい人材を雇うことでコストがかさんでしまうことは考慮しなければなりません。
「社員の負担軽減」「多様な就業機会の確保」にはフリーランスでも対応可能
コロナ禍の事例のように、解雇を避けるためにワークシェアリングを試みるということもあります。
一方で、
- 社員の仕事が増えたため、別の人材を雇って負担を減らしたい
- 短時間など多様な働き方の人を補うため、他の人と仕事をシェアさせたい
- ワークシェアリングなどの柔軟な働き方を認めることで、会社への信頼度を高めたい
このような理由の場合には、フリーランスを雇うことでもワークシェアリングに近い効果を期待できます。さらに、フリーランスは社員に比べて人件費が安いため、ワークシェアリングに取り組むハードルは低いと言えるでしょう。
フリーランス採用におすすめの人材サービス11選
1. Workship
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特徴・メリット |
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2. ポテパンフリーランス
▲出典:ポテパンフリーランス
ポテパンフリーランスはプログラミングスクール「ポテパンキャンプ」を運営する株式会社ポテパンが運営するフリーランス専門エージェントです。プログラミングスクールを傘下にもつエージェントだからこそ、フリーランスへの対応が厚く採用企業側の心配事が少ない点がメリットです。
メインはエンジニアやプログラマーといったIT人材ですが、PMやイラストレーターといった案件も幅広くあります。
特徴・メリット |
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3. レバテック
▲出典:レバテック
レバテックは、フリーランス専門エージェントの大手企業として、取引企業5,000以上、登録エンジニアやクリエイター数は20万人以上の規模となっています。
レバテックが紹介するフリーランス人材は「準委任契約」で働くスタッフで、成果物の納品を目的としない、業務を遂行するためのIT人材を求める方におすすめです。
特徴・メリット |
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4.テックビズフリーランス
▲出典:テックビズ
テックビズフリーランスは、取引先企業1,400社以上、4,000名を超えるエンジニアが登録している大手フリーランスエージェントサイトです。常時採用可能なエンジニアも300名以上おり、最短即日契約も可能です。
テックビズフリーランスでは、テックビズからの紹介意外に、企業からのスカウティングもできるため、能動的な採用活動を進めることもできます。
特徴・メリット |
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5.PE-BANK(ピーイー・バンク)
PE-BANK(ピーイー・バンク)は、マージンや手数料の公開など、透明性の高い契約が評判のフリーランスエージェントです。
東京・大阪以外のエリアの案件が多いため、地方都市の企業にもおすすめできます。
特徴・メリット |
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6.ギークスジョブ(geechs job)
大手企業案件が多いギークスジョブ(geechs job)は、年間契約数1万件以上とITエンジニアの利用実績も豊富。
早く自分の希望条件に合う案件・求人の紹介を受けたいフリーランスのITエンジニアやWEBデザイナーにおすすめのエージェントサービスです。
特徴・メリット |
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7.テクフリ
▲出典:テクフリ
フリーランスエンジニア向けの案件・求人サイトのテクフリ(テックキャリアフリーランス)は、案件・求人情報が常時1万件以上のおすすめフリーランスエージェント。
主な対応エリアは東京・神奈川・千葉・埼玉で、東京周辺でフリーランスのITエンジニアを探す際におすすめのフリーランスエージェントです。
特徴・メリット |
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8.HiPro Tech
▲出典:HiPro Tech
HiPro Tech(ハイプロテック・旧i-common techサービス)は、エンジニアやITコンサルタントに特化したフリーランスエージェント。
運営会社は東証プライム上場企業のパーソルキャリア株式会社で、転職サイトのdodaやハイクラス転職エージェントのdoda Xを運営しています。
特徴・メリット |
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9.ランサーズエージェント
▲出典:ランサーズエージェント
クラウドソーシングサービスで有名なランサーズ株式会社のグループ会社が運営するランサーズエージェント。
ランサーズの運営だけに他のフリーランスエージェントと比較して登録者数が多いのが特徴です。
特徴・メリット |
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10.ITプロパートナーズ
▲出典:ITプロパートナーズ
ITプロパートナーズは、フリーランスのITエンジニアやWEBデザイナーを探す際におすすめのサービスです。
特徴・メリット |
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11.クラウドテック
▲出典:クラウドテック
クラウドテックは、ウドソーシングサービスで有名な株式会社クラウドワークスが運営するフリーランスエージェント。
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