フリーランスと派遣の違いを雇用形態やコスト・特徴・活用シーン・採用方法別に詳しく解説
労働人口の減少や働き方改革の影響で、近年は慢性的に人手不足が続いています。このような状況に対処するために、多くの企業では、フリーランスや人材派遣が活用されるようになりました。
しかし、それに伴いフリーランスと派遣の違いが分からないという声も聞かれます。フリーランスを活用する際は業務委託契約を結ぶのが一般的で、人材派遣会社と結ぶ派遣契約とは内容が大きく異なるため注意が必要です。
もし、この違いを無視してしまうと、労働法に違反し、きつい罰則を受けるケースもあります。
そこで今回は、フリーランスと派遣の違いについて、雇用形態やコスト面、特徴の違いからそれぞれのメリット・デメリット、活用シーン、採用方法まで徹底解説します。これからフリーランスや派遣人材の活用をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
フリーランスと派遣の定義の違い
最初に、フリーランスと派遣それぞれの定義を簡単に解説します。
フリーランスとは
フリーランスとは、特定の企業や組織に所属せず個人として活動する人材、個人事業主のことです。
フリーランスは主に、デザイナーやエンジニア、マーケターなど専門職の人材を指し、企業とは業務委託契約を結び、仕事の受発注を行います。
派遣とは
派遣(派遣社員)とは、派遣会社に所属している人材のことです。
派遣人材を受け入れる企業は、人材を管理する派遣会社と契約を結び、人材を手配してもらいます。
そのため、派遣人材とは直接契約を交わしません。職種も幅広いですが、代表的なのはバックオフィスの職種や営業職などが一般的です。
フリーランスと派遣の3つの違い【雇用形態・指揮命令権・コスト】
フリーランスと派遣の違いのなかでも、とくに企業活動に影響する以下の3点を解説します。
- 雇用形態
- 指揮命令権
- コスト
雇用形態の違い
フリーランスと派遣では、そもそも雇用形態が異なります。
フリーランスは「業務委託契約」であり、派遣は「派遣契約」です。
一方、派遣とは「派遣会社と企業が契約を結ぶ」方式。派遣企業を通して、人材が派遣される仕組みです。
▲出典:ネオキャリア
このように、働く人自体と契約を結ぶのがフリーランスであり、派遣会社と契約を結ぶのが派遣といえます。この雇用形態の違いが、のちに述べるそれぞれのメリット/デメリットに大きく関わります。
2. 指揮命令権の違い
フリーランスと派遣では、企業が指揮命令権を持つか否かも大きな違いです。
フリーランス(業務委託)の場合には、指揮監督・命令権が依頼する企業にありません。
具体的には、フリーランスに対して以下のようなことが禁じられています。
- 労働時間の指定「◯時までは働いてください」
- 労働場所の指定「必ずオフィスへ出社してください」
- 仕事の進め方の指定「このようなプロセスで進めてください」
フリーランスに対して、このような指示を出すと法令違反となるケースもありますので、十分気をつけましょう。
ただ、上記の事項は「契約後に強制できない」という意味なため、場所や時間、仕事の進め方を指定したい場合は契約前にそれらの事項についてフリーランスに相談し合意のうえで契約を結べば、問題なく適用されます。
派遣の場合には、依頼企業(派遣先)が自由に指揮監督・命令できます。この違いから、エンジニアやデザイナーなど何らかの成果物が発生する職務ではフリーランス、経理や総務など他部署と関わるバックオフィス業務などには派遣が活用されるケースが多いです。
▼以下では、業務委託のメリットと注意点を詳しく解説しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。
3. コスト・特徴の違い
最後に、フリーランスと派遣のコストと特徴の違いについて説明します。
複数の項目で両者を比較してみましょう。
比較項目 | フリーランス | 派遣 |
---|---|---|
採用費(一人あたり) | 中〜高 | 低〜中 |
福利厚生費 | 低 | 低 |
設備費 | 低 | 低〜中 |
契約の柔軟性 | 高 | 低〜中 |
〈採用費〉
フリーランスは自社で人材を探すところから始める必要があるため、1人当たりの採用費は高くなる傾向にあります。しかし、自社や業務に適した人材を選定できるため、採用人数が少ない場合にはフリーランスのほうが結果的にコストを抑えられ業績向上に繋がる採用が行える可能性があります。
一方、派遣は、人材が多く在籍する派遣会社との契約になるため、1人当たりの採用費を削減できます。そのため、一度に多くの人材を獲得したい場合には、派遣のほうが低コストで活用できるでしょう。
〈福利厚生費〉
両者とも、支払う必要がありません。
〈設備費〉
フリーランスは、設備を自分で揃えているケースも多く、採用に際して新たに設備費がかかりにくい特徴があります。
一方、派遣の場合ではデスクやPCといった設備費が必要です。オフィスで業務を行う機会が多いことがフリーランスとの違いです。
〈契約の柔軟性〉
人材活用の柔軟性では、フリーランスの方が優れているといえます。個人との契約であるため、
- 契約更新
- 業務内容の変更
- 正社員雇用に関する相談
といったことも可能です。
一方、派遣の場合最大でも派遣期間は3年。また、過去に自社で労働経験のある人は原則派遣として雇えないなど、いくつか制約があります。
下にはフリーランスと正社員、どちらを雇うべきかについて書かれた記事も興味があればご覧ください。
フリーランスと派遣のメリット・デメリットを比較
ここからは、フリーランス・派遣それぞれについてより詳しく解説します。
フリーランス採用のメリット・デメリット
フリーランスを採用するメリット・デメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
フリーランスを採用するメリットには、少人数採用の際のコストの低さや契約の柔軟性などが挙げられます。さらに、特定の分野でスキル・知識が豊富な人材が多いため、上手く活用すれば社内に足りないスキルや知識を補えるのも特徴です。
デメリットとしては、自社の業務に適した人材が必要なため、採用までに時間がかかりやすいこと。また、専門性の高い業務が多いためノウハウが社内に蓄積されにくいこともあげられます。しかし、このデメリットはフリーランスに社員教育を依頼することで解決する問題でもあります。
派遣のメリット・デメリット
派遣を利用する場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
|
|
派遣のメリットは、派遣会社に所属する多くの人材を一度に獲得できること。そのため、1人当たりの採用コストが抑えられ、業務の効率化が図れるでしょう。また、所属はあくまで派遣元の企業になるため、その人材にかかる労務周りのコストを削減できるのも嬉しいポイント。
一方、デメリットは自社が行う事業についての知識がない場合、教育が必要になる点です。また帰属意識が低い傾向にあることにも注意しましょう。
これは、派遣の場合は本人の意向だけでなく、派遣会社の都合も関わるため、望まずに自社へ来る可能性も考えられるためです。
▼以下では、業務委託の労務管理に関する実践ガイドを無料で公開しています。労働法を遵守して業務委託を行うために、ぜひご活用ください。
フリーランスと派遣のおすすめの活用シーン
それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、どのようなケースでフリーランスや派遣を活用すべきなのか、一例をご紹介します。
即戦力を期待する際にはフリーランスがおすすめ
フリーランスは、特に以下のような場合には採用をおすすめできます。
- 特定の分野の即戦力を採用したい場合
- ジェネラリストではなく、スペシャリストを採用したい場合
- 採用したい人材の要件や能力値が明確になっている場合
- 人件費を削減したい場合
フリーランスはデザイナーやエンジニア、マーケターなど専門分野の即戦力を補うには適した雇用形態といえます。
人員不足の解決、バックオフィス業務の効率化には派遣がおすすめ
このような派遣サービスの特徴や形態から、以下のような場合には派遣を利用することが勧められます。
- 社内の人材が足りず、業務が回っていない場合
- 事務作業を外注化して、業務の効率化を図りたい場合
- 特定の忙しい数ヶ月だけ人員を増やしたい場合
マルチにさまざまな仕事へ対応してくれる人材が欲しい場合には、派遣のメリットが活かされるでしょう。
フリーランス・派遣を採用する方法
比較の最後に、フリーランスと派遣それぞれの採用方法をご紹介します。特徴や注意点をまとめているので、どちらかの採用を検討している方はぜひご覧ください。
フリーランスの採用の仕方4選
フリーランスの採用の仕方はさまざまですが、その中でも代表的な物を4つご紹介します。
採用手法 | 特徴 |
求人広告 | 一般的な手法の1つです。求人広告を受け付けている企業やサービスへ費用を払い、募集情報を掲載してもらいます。ただし費用は安いとは言えないことに加え、知名度のない企業にとってはなかなか応募が集まりにくいという難点もあります。 |
ダイレクトリクルーティング | 企業がSNSやスカウト型サイトなどを利用して、フリーランスへ直接アプローチする方法です。相手も興味があった場合には選考ステップを省くことができる一方で、見つけるまでの手間がかかるのはデメリットとなります。 |
リファラル採用 | 社内の人脈や知り合いを通じて採用する方法です。最初からある程度の信頼感を持って選考が進められること、またコストがほとんどかからないことはメリットです。ただし、入社後の関係性などが不安定になることもあります。 |
人材エージェント | 人材紹介業者へ費用を支払い、人材を斡旋してもらいます。ほぼ確実に優秀な人材と出会えること、また自社の手間がかからないのはメリットです。ただし、支払う費用はかなり高くなるため、採用へあまりお金をかけたくない企業には厳しいかもしれません。 |
派遣を依頼する場合は派遣会社と契約を結ぶ
派遣を活用する場合は、派遣会社に依頼します。
派遣会社と打ち合わせし契約するだけで人材を獲得できるため、フリーランスの採用に比べると手間が少ないのはメリットです。しかし、自社で人材を選定できない点には、注意しましよう。
自社ができるのは求める職種や業務内容を決定し派遣会社に依頼することまで。その内容に合う人材に派遣会社から来てもらう形となるため、事前に人材要件をしっかり定めることが重要です。
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フリーランス人材を活用する人事戦略
近年は、フリーランスを活用する人材戦略が増えています。
上記の調査によれば、半分以上の企業が「フリーランスを活用・または活用を検討している」と回答していることがわかります。
▼以下では、カスタマーサクセスが解説する人材採用の成功ポイント紹介しています。ぜひ貴社の採用活動にお役立てください。
フリーランスを採用するには?
こうしたメリットのあるフリーランスですが、どうやって採用をすれば良いのでしょうか?「リファラル採用」「ダイレクトリクルーティング」など多様な採用手法もありますが、ここでは人材エージェントを利用することをお勧めします。
人材エージェントを利用すれば、
「正確な募集情報の掲載」と「希望する人材とのマッチング」
が両立できます。
特に初めてフリーランスを採用する際には、ノウハウがなければただ時間とコストを浪費するだけになってしまいます。人材エージェントを利用し、ノウハウがある程度確立してから他の採用手法に挑戦してみると良いのではないでしょうか。
▼以下では、フリーランス採用サービス比較表を無料でダウンロードできます。ぜひ貴社の採用活動の参考にしてください。
フリーランス採用におすすめの人材サービス12選
1. Workship
Workshipはエンジニア/デザイナー/PMまで幅広い職種で、46,000人以上のフリーランス人材が在籍するフリーランス専門エージェントです。募集だけでなく企業側からスカウトできるため積極的な採用をしたい企業におすすめです。
また、フリーランスの実績や経験がわかりにくい採用課題をWorkship独自のアルゴリズムでスコアリングし、即戦力となるフリーランスを採用できます。
特徴・メリット |
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▼以下では、Workshipのサービス資料を無料でダウンロードできます。ぜひ貴社の採用活動にお役立てください。
2. Midworks
▲出典:Midworks
Midworksはフリーランス専門のエージェントです。エンジニア案件を多く取り扱っており、業界最安値のマージン率10〜15%で運営されています。
Midworksでは、フリーランスの勉強費用を月1万円まで負担してくれるサービスがあり、登録するフリーランスにとっては登録する魅力があるため、スキルアップを求めるフリーランスエンジニアが集まると考えられるかもしれません。
特徴・メリット |
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3. ポテパンフリーランス
▲出典:ポテパンフリーランス
ポテパンフリーランスはプログラミングスクール「ポテパンキャンプ」を運営する株式会社ポテパンが運営するフリーランス専門エージェントです。プログラミングスクールを傘下にもつエージェントだからこそ、フリーランスへの対応が厚く採用企業側の心配事が少ない点がメリットです。
メインはエンジニアやプログラマーといったIT人材ですが、PMやイラストレーターといった案件も幅広くあります。
特徴・メリット |
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4. レバテック
▲出典:レバテック
レバテックは、フリーランス専門エージェントの大手企業として、取引企業5,000以上、登録エンジニアやクリエイター数は20万人以上の規模となっています。
レバテックが紹介するフリーランス人材は「準委任契約」で働くスタッフで、成果物の納品を目的としない、業務を遂行するためのIT人材を求める方におすすめです。
特徴・メリット |
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5.テックビズフリーランス
▲出典:テックビズ
テックビズフリーランスは、取引先企業1,400社以上、4,000名を超えるエンジニアが登録している大手フリーランスエージェントサイトです。常時採用可能なエンジニアも300名以上おり、最短即日契約も可能です。
テックビズフリーランスでは、テックビズからの紹介意外に、企業からのスカウティングもできるため、能動的な採用活動を進めることもできます。
特徴・メリット |
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6.PE-BANK(ピーイー・バンク)
PE-BANK(ピーイー・バンク)は、マージンや手数料の公開など、透明性の高い契約が評判のフリーランスエージェントです。
東京・大阪以外のエリアの案件が多いため、地方都市の企業にもおすすめできます。
特徴・メリット |
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7.ギークスジョブ(geechs job)
大手企業案件が多いギークスジョブ(geechs job)は、年間契約数1万件以上とITエンジニアの利用実績も豊富。
早く自分の希望条件に合う案件・求人の紹介を受けたいフリーランスのITエンジニアやWEBデザイナーにおすすめのエージェントサービスです。
特徴・メリット |
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8.テクフリ
▲出典:テクフリ
フリーランスエンジニア向けの案件・求人サイトのテクフリ(テックキャリアフリーランス)は、案件・求人情報が常時1万件以上のおすすめフリーランスエージェント。
主な対応エリアは東京・神奈川・千葉・埼玉で、東京周辺でフリーランスのITエンジニアを探す際におすすめのフリーランスエージェントです。
特徴・メリット |
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9.HiPro Tech
▲出典:HiPro Tech
HiPro Tech(ハイプロテック・旧i-common techサービス)は、エンジニアやITコンサルタントに特化したフリーランスエージェント。
運営会社は東証プライム上場企業のパーソルキャリア株式会社で、転職サイトのdodaやハイクラス転職エージェントのdoda Xを運営しています。
特徴・メリット |
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10.ランサーズエージェント
▲出典:ランサーズエージェント
クラウドソーシングサービスで有名なランサーズ株式会社のグループ会社が運営するランサーズエージェント。
ランサーズの運営だけに他のフリーランスエージェントと比較して登録者数が多いのが特徴です。
特徴・メリット |
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11.ITプロパートナーズ
▲出典:ITプロパートナーズ
ITプロパートナーズは、フリーランスのITエンジニアやWEBデザイナーを探す際におすすめのサービスです。
特徴・メリット |
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12.クラウドテック
▲出典:クラウドテック
クラウドテックは、ウドソーシングサービスで有名な株式会社クラウドワークスが運営するフリーランスエージェント。
リモートワークや週3日・4日稼働の案件を探す際にもおすすめのサービスで、業界最大級のリモートワーク案件が特徴のフリーランスエージェントです。
特徴・メリット |
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