副業・業務委託人材の採用ノウハウ

タレントプールとは?採用におけるメリットやタレントプールの作り方・運用方法、活用のポイントを解説

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タレントプールとは、企業が求める人材要件にマッチした人材を蓄積・管理するデータベース・仕組みのことです。人材獲得競争が激化するなか、効率的に質の高い採用を実現する手段として、タレントプールが注目を高めています。

本記事では、タレントプールの必要性やメリット、作り方・運用方法や活用のポイントを詳しく解説していきます。

タレントプールとは?目的、由来

タレントプールとは、将来採用する可能性がある優秀な人材を中長期的に管理していくためのデータベース・仕組みのことです。「Talent(タレント)」は「優秀な人材」、「Pool(プール)」は「蓄積すること」を意味する単語です。

タレントプールの目的は、適切なタイミングで優秀な人材を採用することにあります。優秀人材を管理するデータベースを構築し、継続的にコンタクトを取っていくことが具体的な手法です。継続的なコンタクトにより関係を維持し、適切なタイミングで採用を成功させることがタレントプールの狙いです。

タレントプールの由来

タレントプールという言葉の発祥は、アメリカの大手コンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」です。同社が発表した報告書「The War for Talent」では、まさに今日本が直面している人材獲得競争の時代になることが予想されていました。少子高齢化が進む日本では、今後さらにそうした状況が続くため、タレントプールはますます注目されるでしょう。

タレントプールの必要性が高まっている背景

現代、そしてこれからの時代に備え、タレントプールの必要性が高まっている背景には、下記3つの要素が関係しています。

・労働人口の減少による人材獲得競争の激化

・働き方・雇用形態の多様化

・優秀人材・スペシャリスト人材の確保困難・不足

労働人口の減少による人材獲得競争の激化

少子高齢化の進展により労働人口が減少し続けている状況にあり、今後さらに深刻化することが推測されています。こうした状況で売り手市場が続くなか、企業の人材獲得競争は激化しています。

くわえて、変化が早く将来の予測が困難なビジネス環境では、変化に適応できる優秀な人材が必要です。しかし、そうした人材は他の企業から引くてあまたであるため、タレントプールによって早期に関係を持っておくことが求められます。

働き方・雇用形態の多様化

働き方や雇用形態の多様化も人材の確保が困難となる原因の一つです。終身雇用の実質崩壊や転職の一般化、フリーランスのような働き方も一般的になりつつあり、労働の流動性が高まっています。そうした中でも、タレントプールなら人材の働き方に変化があった際もすぐにコンタクトが取れ、優秀人材を見失うことがなくなります。

優秀人材・スペシャリスト人材の確保困難・不足

ただでさえ労働人口が減少する中、割合が少ない優秀人材やスペシャリスト人材の確保はより困難であり、企業でもそうした人材が不足しています。

獲得競争が激しい優秀人材やスペシャリスト人材をプールしておくことは、採用の効率化と質の向上に有効です。すでにリストがある状態は、採用競争において競合他社から一歩リードを得られています。

企業がタレントプールを活用するメリット

企業がタレントプールを活用するメリットは、採用に関する3つのポイントにあります。

・採用活動の効率化

・採用コストの削減

・採用の質向上

今後ますます人材確保が難しくなる中、企業の持続的な成長を可能とするには、タレントプールがキーポイントとなるでしょう。

採用活動の効率化

タレントプールの母集団となるのは、自社に関心を持っている人材や過去に一度コンタクトをとった人材などです。自社を知らない、関心がない人材の採用活動に比べると、どちらが効率的かは明らかでしょう。

また、企業が今必要とするスキルや人材要件を軸にすでにある人材情報からマッチする候補者を探せるため、その点でも採用にかかる労力を大幅に削減できます。

採用コストの削減

求人広告の掲載料や人材紹介の手数料など、外部ツールを活用した採用活動には多額のコストがかかります。それでも自社が求める優秀な人材を獲得できるとは限らず、採用コストに対するパフォーマンスが低いこともあるでしょう。

一方、タレントプールなら、自社で構築したデータベースに過去の採用活動を通して出会った人材をストックできます。そうした人材にアプローチする際に新たなコストは発生せず、かつすでに自社を知っている人材にアプローチできるため、金銭的・時間的なコストの大幅な削減につながります。

採用の質向上

タレントプールでは、ストックしている人材に継続的にアプローチします。企業と候補者の関係が構築できているため、いざ採用したいという段階になったときにミスマッチがないことがわかった上で先行を進められます。

あらかじめ、お互いの情報がインプットされた状態で選考に臨めるため、通常の選考よりもミスマッチが防ぎやすく、採用の質向上につながります。そのためにも、プールするタレントの質が重要です。


タレントプールの作り方|3つの手順・運用方法

では、タレントプールはどのようにして構築していけば良いのでしょうか。3つの手順からタレントプールの作り方と運用方法を解説します。

①人材要件の定義

まずは、自社が求める人材の要件を定義します。ここがしっかりできていないと、タレントプールの質が低下してしまいます。

どのようなスキルや経験が必要か、どんな人物が自社のカルチャーにマッチするかなど、要件を具体的に定義するほど質を高められます。

なお、人材要件を定義する視点として、下記2パターンがあります。

 

ポジションに人を当てはめる

役職や職種に対する必要なスキルや経験を定義

人にポジションを当てはめる

企業に必要な人材像を定義し、スキルや適性をふまえてポジションに配置する

経営戦略やビジョン、自社で活躍するハイパフォーマーの特徴などを基準に人材要件を定義してみましょう。

ただし、求めるレベルが現実的でない人材要件を設定してしまうと、プールできる人材数極端に限られてしまうため要注意。求める要件の優先順位を明確にし、プールできる人材の幅を広げることがポイントです。

②データベースの作成|候補人材のプール

人材要件を軸に、以下のようなルートからマッチする人材をデータベースに追加していきます。

・過去に応募があったが採用に至らなかった人

・内定辞退者

・SNSでつながった人

・転職イベントやセミナーなどで自社に興味を持っている人

データベースはただ情報をまとめるだけでなく、後から検索できる仕組みが不可欠です。「いつ、どのようなルートで接点を持ったか」「どんなスキルがあるか」「どの分野のスペシャリストか」など、カテゴリを分けることでスムーズな検索が可能となります。

なお、データベースの作成にはExcelや採用管理システムが活用できます。タレントプールに特化した機能を求める場合には、タレントマネジメントシステムの活用がおすすめです。

③継続的なコンタクト|データベースリクルーティング

タレントプールはデータベースを作成して終わりではありません。継続的にコンタクトを取り続けて関係を構築し、相互理解を深めていくことが重要です。

具体的なコンタクト方法としては、以下のようなものがあります。

・メルマガの配信

・求人案件の紹介

・採用イベントやセミナーの案内送付

・社員とのランチやカジュアル面談への誘致 など

タレントプールで管理するのは「今すぐには採用しないが、将来その可能性がある人材」です。転職潜在層も多いため、すぐに具体的な採用の連絡をする必要はありません。いざ、転職するとなった際、自社を選択肢にしてもらうことがタレントプールの狙いです。

タレントプールの活用を成功させるためのポイント

タレントプールを活用した採用を成功させるためにも、以下4つのポイントを押さえましょう。

・中長期的な視点をもって運用する

・データベースを更新する

・適度に継続してコンタクトを取る

・候補者の意欲の変化をチェックする

中長期的な視点をもって運用する

タレントプールは、候補者と中長期的に関係を構築することが前提の取り組みです。また、データベースの構築やデータの運用には、労力と時間がかかります。データベースを構築したからとすぐに成果が出るものではないため、中長期的な視点を持って運用することが大切です。

データベースを更新する

一度データベースに登録した情報はそのままにせず、候補者の変化にあわせて適宜更新することがポイントです。状況によっては、自社が求める人材要件も変化していくでしょう。常に自社が求める人材をプールできるよう、データベースの定期的な更新や事業・組織の変化に伴う人材要件の再定義をおこなうことが重要です。

適度に継続してコンタクトを取る

適切なタイミングで採用につなげるには、適度に継続してコンタクトを取ることが大切です。タレントプールの具体的な運用方法は、「データベースの作成・更新」と「継続的なコンタクト」の2つです。

過度に連絡を取りすぎても、連絡をとらなすぎても良くありません。メルマガの配信やイベントの案内などライトなアプローチからはじめ、候補者との関係がある程度構築できれば、候補者の状況にあわせてランチミーティングに誘ったり、業務委託で業務に関わってもらったりと、より具体的なアプローチにも取り組んでみましょう。

候補者の意欲の変化をチェックする

候補者の意欲の変化をチェックすることで、最適なタイミングでの採用につなげられるようになります。当初は転職潜在層だった人も、時間の経過に伴い転職意欲が高まっているケースも多いです。

メルマガの開封率やイベントへの参加率、メール返信の内容などから、候補者の転職意欲や自社への関心度をチェックしてみましょう。転職意欲や関心度が高い時に適切なアプローチができれば、選考に進んでくれる可能性の向上に期待できます。

まとめ

タレントプールは、将来採用する可能性がある優秀人材を中長期的に管理するためのデータベースです。労働市場の縮小・変化に伴い、優秀人材の採用はますます困難になっていますが、企業の持続的な成長を可能にするには、優秀な人材が必要です。ただし、誰でも良いというわけではなく「企業が求める人材要件にマッチするか」が重要です。

タレントプールで自社が求める要件にマッチする候補者を蓄え、必要なタイミングで採用につなげていきましょう。

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