少子高齢化による働き手不足の実情とは?企業への影響や働き手不足への対策を紹介
現在の日本は少子高齢化の一途を辿っており、その傾向は今後より強まっていくことが予想されています。少子高齢化は経済規模の縮小や働き手不足など、多くの問題を引き起こす原因です。なかでも、働き手不足に悩んでいる企業は多いでしょう。
本記事では、少子高齢化と働き手不足の実情をふまえ、企業が受ける影響や働き手不足への対策などを詳しくご紹介します。
データで見る|少子高齢化と働き手不足の実情
少子高齢化が著しく、かつ働き手が不足している状況であることは、多くの人が知っている事実です。では、その実情は一体どれほどのものなのでしょうか。まずは、さまざまなデータから少子高齢化と働き手不足の実情についてみていきます。
生産年齢人口は今後も減少し続ける
総務省「令和4年版 情報通信白書」によると、少子高齢化により生産年齢人口は1995年をピークに減少し続けています。2050年には、2021年から約30%減の5,275万人にまで減少すると見込まれています。
なお、生産年齢人口は「15〜64歳」までの年齢層であり、その多くは労働人口です。生産年齢人口の減少は、働き手の不足や経済需要の縮小など、さまざまな社会的・経済的課題の深刻化を引き起こします。
2030年問題とは
2030年問題とは、少子高齢化が顕在化によって起こるおそれのある社会問題の総称です。働き手不足はもちろん、それに伴う人件費の口頭や人材獲得競争の激化、経済需要の縮小など、多くの問題に直面するおそれがあります。
令和4年10月時点の日本の総人口は1億2,495万人であり、うち65歳以上の割合を示す高齢化率は29%でした。今後も少子高齢化は進展すると予測され、2030年には人口1億2,000万人、2056年には1億人を下回り、2070年にはは8,700万人になると推計されています。
高齢化だけでなく、少子化も同時に進行していることから、企業は今よりも過酷な環境に立たされるでしょう。今は大きな影響がなく、働き手不足に困っていなかったとしても、10年後、20年後もそうとは限りません。
中小企業ほど働き手不足の影響を受けている
数十年後に比べればまだ少子高齢化の影響が少ない現代ですが、すでに中小企業では働き手不足が深刻化しています。
中小企業庁「2024年版 中小企業白書」内「中小企業・小規模事業者の現状」によると、中小企業の働き手不足は深刻な課題となっていることがうかがえます。
2011年以前は働き手の不足感はない、あるいはそこまでの不足感はありませんでした。しかし、2012年以降は働き手の不足を感じる企業が増加し、2023年にはピークを迎えています。コロナ禍の経済規模縮小により一時的に不足間は低下したものの、需要が回復し、企業の売上が回復傾向にある今だからこそ、働き手不足がより深刻化しているのです。
少子高齢化以外も関係する!働き手不足の原因
働き手不足の大きな原因は少子高齢化ですが、すべての企業が働き手不足に悩まされているわけではありません。少子高齢化以外では、主に以下のような原因が考えられます。
・働き方の多様化 ・仕事に対する価値観の変化 ・需要と供給のミスマッチ |
働き方の多様化
現代はフリーランスをはじめ、従来よりも働き方が多様化しています。コロナ禍を機にリモートワークを導入する企業が増えたり、短時間労働者を積極的に採用したりと、労働者の働き方の選択肢も増えました。
一方で、働き方の多様化に適応できていない企業も依然として多くあります。多様な働き方を受け入れることはそれだけ働き手を確保できるチャンスにつながりますが、企業の状況によってはそれが難しい場合もあるでしょう。
そうなると、多様な働き方に対応できない企業はどんどん人材確保が難しくなり、結果として働き手不足に陥ってしまうのです。
仕事に対する価値観の変化
終身雇用の実質崩壊など、従来とは労働環境も大きく変わっています。そんななか、とくに若者の仕事に対する価値観の変化は顕著であり、仕事に対するやりがいを求める人が増えています。
また、キャリア形成のために転職や起業、独立といった選択肢が一般化しつつあり、人材の流動性が高まっていることも働き手不足の原因の一つです。若者の数が減少し続ける中、彼らが働き続けたい環境を提供できていない企業は、働き手不足が深刻化していくでしょう。
需要と供給のミスマッチ
すべての企業・業界で働き手不足が深刻なわけではない背景には、需要と供給のミスマッチが関係します。
企業規模や業種、職種によっては十分な働き手が確保できている一方で、特定の仕事では慢性的な働き手不足に陥っている状況にあります。その代表例が、運送業界や介護業界などです。いくら求人を出しても、働き手が魅力に感じる条件でない限り、人材は集まりません。
そして、依然として大手志向を持つ求職者も多く、待遇が良い大手企業に人材が流れてしまうことも、中小企業が働き手不足に陥る原因の一つなのです。
働き手不足が著しい業界
具体的にどういった業界で働き手不足が深刻化しているのでしょうか。厚生労働省「労働経済動向調査(令和6年8月)」内「労働者の過不足状況」によると、労働者(正社員)の不足感が高い業界TOP5は、以下のとおりです。
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医療・福祉は高齢化の進展に伴いその需要が高まっており、とくに介護業界は働き手不足の深刻化が大きな課題となっています。また、肉体労働である建設業やEC拡大により急激に需要が高まった運輸業も働き手不足に頭を悩ませている代表的な業界です。
少子高齢化による働き手不足が企業にもたらす影響
少子高齢化により働き手が不足することは、企業に以下のような影響をもたらすおそれがあります。
・業績の低下 ・倒産 ・労働環境の悪化 |
業績の低下
働き手が不足すると、それだけ企業が生み出せるモノ・サービスの数・質が低下します。たとえ、顧客の数が多く需要が高かったとしても、提供できる人がいなければ売上にはつながりません。そうなると十分なモノ・サービスを提供してくれる他社へと顧客が流れ、自社の業績は低下の一途を辿ってしまうでしょう。
倒産
東京商工リサーチによると、2023年の全国の企業倒産件数は8,690件と31年ぶりの高水準を記録しました。そのうち、働き手不足による倒産が313件であり、働き手不足に伴う「人件費高騰」による倒産数が59件、「求人難」による倒産が58件でした。さらに、働き手不足が原因で倒産した企業のうち「建設業」が55件、物流が「19件」を占めています。
なお、2024年上半期の働き手不足による倒産は163件となり、2023年に続き2年連続で過去最多となりました。
業績が低下すれば経営の維持が難しくなり、倒産を余儀なくされることもあるでしょう。また、後継者がいないことで企業存続が難しくなるケースも少なくありません。後継者難による倒産は企業の準備不足である一方、少子高齢化の影響ともいえるでしょう。
労働環境の悪化
働き手が不足する状況では、一人当たりの業務量が増加します。その結果、残業が常態化したり、有給休暇の取得が難しくなったりと、労働環境の悪化を招くおそれがあるでしょう。
さらに、一人ひとりが多忙を極めることでストレスも高まり、社内のコミュニケーションが減少したり、殺伐とした雰囲気になってしまったりして、働きにくい職場環境が形成されてしまいます。
しかし、だからといって新しい人材を採用しても十分な教育ができなかったり、労働環境の悪さから早期離職してしまったりすることで、働き手不足の状況から抜け出せなくなってしまうのです。
少子高齢化による働き手不足への対策5選
少子高齢化を改善することは不可能であるため、企業側が柔軟に対応していくことが必要です。働き手不足への対策のポイントは、今いる人材の定着と採用の強化にあります。
ここでは、少子高齢化による働き手不足の解消に有効な5つの対策を紹介します。
働きやすい職場環境の整備
具体的な施策として、福利厚生の充実やハラスメント対策、柔軟な働き方の導入が挙げられます。働きやすい職場環境を整えることは、離職防止や従業員の労働意欲の向上に有効です。また、そうした企業には自然と人も集まるため、働き手不足の解消にもつながるでしょう。
労働条件・制度の見直し
給料や賞与の引き上げ、ワークライフバランスの推進や公平で公正な人事評価制度の構築など、労働条件や制度の見直しも働き手不足の対策として有効です。働きやすい職場環境と同様に、良い労働条件や公平な制度が構築できていると、離職防止につながります。とくに、良い労働条件を設定することで、新たな人材の獲得にも役立ちます。
多様な人材の活用
シニア人材や外国人、主婦やフリーランスなどといった、多様な人材を活用することも有効な対策です。とくに、少子高齢化の現代は、シニア人材の活用に注目が集まっています。定年年齢の引き上げや再雇用制度の整備など、シニア人材の雇用機会を増やしてみましょう。
多様な人材を活用して生産性を高めるには、個々の強みやスキルが最大限活かせる人員配置をおこなうことが重要です。
業務プロセスの見直し・IT化
業務プロセスを見直し、IT化を進めていくことも働き手不足への対策となります。手作業でおこなっていた業務をIT化できれば、従業員はコア業務に集中できるだけでなく、余ったリソースを他に回すことも可能です。
IT化により業務が自動化できればヒューマンエラーの軽減にもつながり、業務品質の向上にもつながるでしょう。さらに、テレワーク体制を構築できるなど、多様な働き方の導入も促進できます。
採用の強化
労働条件の見直しや働きやすい環境の整備と並行し、採用を強化していくことも重要です。採用強化のための具体的な対策は、課題によって異なります。そのため、まずは採用の課題を洗い出すことから始めましょう。
たとえば、応募はきているが求める人材ではない、あるいは採用しても早期に退職してしまうといった場合は、採用のミスマッチ防止に取り組む必要があります。
とりあえず採用し、ただ働き手を増やすだけでは問題の本質は解決しません。自社に必要な人材をしっかりと定義した上で、採用強化に取り組むことがポイントです。
まとめ
少子高齢化は今後さらに進展し、改善される見込みはほとんどないでしょう。少子化が進むことで働き手不足はますます深刻化しますが、それでも企業は経営活動を維持し続けなければなりません。少子高齢化という現状を変えることは難しいため、企業側がその状況に適応していくことが求められます。
たとえ、今は働き手不足に課題を感じていなくとも、10年、20年後と先を見据えて、早くから対策を講じておくことが大切です。
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