アウトソーシングと業務委託の違いとは|メリットデメリットも解説
アウトソーシングと業務委託の異なる点は、意思決定権の有無にあります。アウトソーシングと業務委託を適切に使い分けることで、ビジネスの効率化や業務の効果的な遂行につながるでしょう。
そこで今回は、業務委託や派遣とアウトソーシングがどう違うのかを解説し、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
アウトソーシングと業務委託の違い
アウトソーシングと業務委託は、どちらも仕事を外部に任せるという意味の言葉で、同じ意味で使われることもあります。しかし、厳密には下記のような違いがあります。
アウトソーシング | 業務委託 | |
意思決定 | アウトソース先 | 委託者 |
その他の部分 | 違いなし | 違いなし |
アウトソーシングと業務委託の違いは「意思決定の場所」
アウトソーシングは、業務だけでなく業務に関わる意思決定も任せることがあります。
たとえば子会社のような扱いです。アウトソーシングの依頼主は仕事によって達成すべき目標を設定し、作業方法や進め方などはアウトソーシング先が決定。業務によっては目標設定からアウトソーシング先に協力してもらうこともあります。
一方、業務委託は業務のみを任せる形態です。
業務委託では、意思決定は依頼主が行います。業務の遂行上、意思決定が必要な場面においては、委託先は依頼主に指示を仰いで行動します。
ただし、業務委託とアウトソーシングの線引きは明確ではありません。ある解釈では、業務委託もアウトソーシングの手段の一つとして捉えることができます。そのため、業務委託をアウトソーシングと同じ意味で使われることがあるため、契約書にしっかりと内容を明記することが重要です。
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業務委託と派遣の違い
アウトソーシングと派遣の違いについても押さえておきましょう。大きく分けて2つの違いがあります。
1. 雇用契約の有無
【雇用契約の有無】
- 業務委託:なし
- 派遣:あり
業務委託と派遣の相違点に、雇用契約の有無が挙げられます。業務委託では、雇用契約が結ばれることはありません。その代わり、委任契約や準委任契約、請負契約が結ばれます。
また、派遣では派遣会社と雇用契約を結びます。雇用契約を結んだうえで、派遣先の企業で働く仕組みです。
2. 指揮命令権の有無
【指揮命令権】
- 業務委託:なし
- 派遣:あり
派遣では、指揮命令権が存在します。派遣された人材は派遣先の企業から指示を受け、業務を遂行します。
一方、業務委託の場合は指揮命令権がありません。そのため、委託先の企業は受託者に対して業務に関して細かい指示を出すことや、正社員と同じ時間働かせることは不可となっております。
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アウトソーシングのメリットとデメリット
意思決定をする場所が違うだけでも、業務にさまざまな違いが生じます。
アウトソーシングを選ぶメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット |
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デメリット |
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メリット
決定権もすべて丸ごとアウトソーシングすることで、次のようなメリットが生まれます。
それぞれについて詳しく解説します。
中心となる業務に専念できる
特定の業務を完全にアウトソーシング化すれば、意思決定も含めたすべての業務を委託先に任せられます。
依頼主は委託した業務に関わる必要がなくなるため、中心となる業務に専念できます。従業員の人数に比べて業務量が多い・業務同士の関連性が薄い場合、メインではない業務のアウトソーシング化を検討するとよいでしょう。
業務効率が上がる
通常、アウトソーシングする際には、その業務の専門家に任せます。
専門知識がない自社の従業員が担当するよりも、専門家に任せたほうが業務効率が上がります。また、委託分野のプロが手がけることで、成果物の品質の向上も期待できます。
従業員の育成時間・コストを削減できる
新しい業務を始めるときは、従業員の育成が必要になるケースがあります。
専門家を講師に招いて研修を実施するなど、育成には時間もコストも必要です。しかし、その業務に熟練している専門家にアウトソーシングすれば、育成にかかる時間やコストを削減できます。
デメリット
アウトソーシングを利用すると、さまざまなメリットがある一方、デメリットもあります。
特に注意すべきデメリットとしては、次の3点が挙げられます。
機密情報の漏洩につながるリスクがある
信用できるアウトソーシング先であっても、セキュリティ対策がおろそかであったときなどは、悪意なく機密情報が漏洩するリスクが考えられます。
依頼するときには、セキュリティ対策をどの程度実施しているか、また、機密情報を漏洩しないためにどのような情報管理基準を設けているかをチェックしておきましょう。
変更事項への対応に時間がかかる
委託する業務に変更事項があったときは、アウトソーシング先に連絡して情報を共有しなくてはいけません。
社内にいる従業員と比べれば、共有するまでに時間がかかります。また、情報を共有してから対応することになるため、対応にも時間がかかるでしょう。
社内でノウハウが蓄積できない
従業員の育成にはお金も時間もかかりますが、社内に専門家が増え、ノウハウや知識を蓄積できるというメリットがあります。
しかし、アウトソーシングでは、従業員は直接業務に携わらないため、社内にノウハウを蓄積できません。
従業員のスキルの向上や社内のノウハウの蓄積を視野に入れるのなら、今後も関わっていく業務については、アウトソーシングより社内で対応できる方法を検討したほうがよいでしょう。
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業務委託のメリットとデメリット
業務委託を利用することでは、どのような利点や注意すべき点があるのでしょうか。
メリットとデメリットを紹介します。
メリット |
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デメリット |
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メリット
決定権を社内に残しつつ、業務のみを委託することで、以下のようなメリットが生まれます。
人件費の削減
業務が必要なときだけ委託するため、人件費を削減できます。
また、社会保険料や福利厚生費なども不要です。福利厚生費や通勤費などがかからない点も、業務委託のメリットといえるでしょう。
人材教育コストと時間の削減
人材育成が必要ない点は、業務を外部に委託するメリットです。
また、教育費や研修費などのコストを削減できるうえに、人材を育成するまでの時間も削減できるため、迅速に事業を推進できます。
手が足りない部分だけを委託できる
業務委託を利用すると、手が足りない部分だけを委託できるので、依頼する業務と成果が分かりやすいというメリットがあります。
一方、業務に関する決定権も預けてしまうアウトソーシングでは、予想しない成果物ができる可能性があります。
業務の内容を細かく決めて外部に依頼するときは、業務委託を選ぶほうがよいでしょう。反対に、業務の指針や成果物だけを決めて、業務の過程は問わないときは、アウトソーシングが向いているといえます。
デメリット
業務委託によるメリットは多いですが、デメリットもあります。
品質に対して不安が残る
業務を委託するまでは、人材が持つスキルの質が分からない懸念があります。
業務委託先に、過去の成果物を提出してもらい、スキルを確認する方法もあります。しかし、業務内容が異なる場合は、過去の成果物が参考にならない可能性があります。
また、能力が高く、評判のよい専門家に委託したとしても、成果物が好みに合わず、納得できない結果となる場合も考えられます。
スキルが高く成果物が好みに合うよい人材を発見したら、単価をアップしたり特別な契約を締結したりするなど、つなぎとめる努力が必要になるでしょう。
人材管理が難しい
業務委託先は正社員ではないため、会社がどんなに忙しくても残業などに応じてもらえない可能性があります。
また、急に仕事が発生したときにも、即座に対応できる人材が見つからないケースもあるでしょう。そのため、急いで仕上げなくてはいけない業務などは、業務委託に向かないといえます。
社内でノウハウの蓄積ができない
アウトソーシングと同様、どんなに優秀なスタッフに作業を依頼しても、社内ノウハウとしては蓄積されません。
何度も行う業務に関しては、初期費用や時間はかかりますが、社内の従業員を育成するほうがよいこともあります。
業務内容に合わせて、アウトソーシングや業務委託などの外部委託と、社内での対応を使い分けるようにしましょう。
アウトソーシングと業務委託、それぞれに適した業務
アウトソーシングと業務委託のどちらを選ぶかは、会社のスタンスにもよりますが、業務内容にもよります。
それぞれどのような業務に向いているのか紹介します。
アウトソーシングするほうがよい業務
アウトソーシングは意思決定も委託先に任せるため、会社の核となる業務には向きません。
また、核となる業務以外であっても、意思決定を社内でするほうが好ましいと思われる仕事もアウトソーシングしないほうがよいでしょう。
しかし、専門性が高く、意思決定も含めて外部に依頼するほうが望ましい業務は、アウトソーシングの利用をおすすめします。
たとえば次のような業務は、アウトソーシングサービスを活用できるでしょう。
- 店舗の運営
- 工場の運営
- 社内の他の業務との関わりが薄い業務
- 専門家に任せるほうが効率がよいと思われる業務
業務委託するほうがよい業務
業務をスポット的に依頼するときは、業務委託がよいでしょう。
クラウドソーシングサービスなどを活用すれば、フリーランスや会社等の団体に依頼できます。
たとえば次のような業務は、業務委託に向いていると考えられます。
- 経理、会計
- 人事
- 一時的な対応で完了する業務
- 専門性の高い業務
効率化や自動化が求められる事務作業や専門性が求められる業務を外注することで社員をより将来性や重要性の高い業務に専念させられます。
なお、以下の業務はアウトソーシングにも業務委託にも向いていません。
社内の従業員で担当することが望ましいでしょう。
- 社内の他の業務との関連性が高い業務
- 会社の主軸となる業務
- 現金を直接扱う業務
- 今後、会社の主要業務になると考えられる業務
- 顧客の利益に直接つながる業務
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フリーランスへ業務委託することもできる!
ここまで、「アウトソーシング」と「業務委託」の違いやメリット、デメリットについて解説してきました。
これらは主にアウトソーシング会社に業務委託を行なう場合が多いのですが、一方でフリーランスに業務を委託するという選択肢もあります。
フリーランスに業務委託する3つのメリット
フリーランスを活用することで以下のようなメリットがあります。
・コストを抑えられる
フリーランスを活用することでコストを抑えられるというメリットがあります。
正社員と給与が同額であってもフリーランスには福利厚生費や保険料などがほとんどかかりません。また、個人との契約になるため、手数料などの別途費用が発生しないのも特徴です。
・教育に時間を割く必要がない
上記で述べた通りフリーランスは企業でスキルを高め独立した人材が多い傾向にあります。そのため、即戦力として活用できることが多く、時間的なロスが発生しません。
・人材の流動性が高い
売り手市場で採用難度が高まっている正社員雇用と比べ、複数社と同時に契約でき労働人口も増えているフリーランスの採用は容易です。
以下ではフリーランスを採用する際に活用できる各種サービスの特徴や費用をまとめた資料を無料ダウンロードいただけます。
フリーランスを採用する4つの方法
最後に、フリーランスを採用する代表的な方法4つをご紹介します。メリット・デメリットをまとめましたので、自社に適したものを選ぶ参考にご覧ください。
- ダイレクトリクルーティング
気になる人材に直接コミュニケーションを図っていく採用手法。おもにSNSなどのサービスを使って行ないます。 - リファラル採用
既存社員の紹介から人材を探す方法。採用が成功した場合、紹介社員へインセンティブを渡します。インセンティブは予め設定し、社内に告知しておきます。 - 人材エージェント
フリーランス・副業人材を専門とした人材エージェントを導入し、採用を進めます。人材の質、サポート体制などが整っているため、初めてでもスムーズに採用できます。 - 求人広告
求人広告やサイトに募集を掲載し、人材からの応募を待ちます。掲載に料金がかかるタイプと、成約時に料金がかかるタイプなどがあります。
上記4つの採用手法のメリット・デメリットをそれぞれ箇条書きにして表にまとめてみます。
採用手法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
1. ダイレクトリクルーティング | ・直接コミュニケーションが取れる | ・企業側の工数が大きい |
2. リファラル採用 | ・候補者にある程度の信頼性がある | ・採用タイミングが選べない |
3. 人材エージェント | ・優秀な人材に出会いやすい | ・費用がかかる |
4. 求人広告 | ・手間がかからない | ・知名度がないと難しい |
どの方法が一番優れているというわけではありません。自社の状況やタイミングに合わせて、各手段を検討して最善の採用方法を考えていきましょう。
▼以下では、フリーランス採用サービス比較表を無料でダウンロードできます。ぜひ貴社の採用活動の参考にしてください。
はじめてのフリーランスの採用におすすめの人材サービス13選
最後に、フリーランス採用におすすめのサービスをご紹介します。
1. Workship|国内最大級のフリーランスマッチングサービス
▲出典:Workship
「Workship」は国内最大級の登録者数を誇るフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 登録者数:50,000人以上
- 三者間契約のため、安全に業務委託できる
- さまざまな採用手法が利用でき、最短1日で契約した事例もあり
- 人材のスキル/経歴を分析しスコア化
▼以下では、Workship登録人材の働き方調査レポートを無料でダウウンロードできます。ぜひ貴社の採用活動の参考にしてください。
2. ワークポート|全国規模の対応が持ち味
▲出典:ワークポート
ワークポートは全国の多種多様なネットワークが持ち味のエージェントです。
特徴
- 幅広いネットワークで、全国の多様な業種に対応
- 採用成功まで費用がかからない完全成果報酬型
3. リクルートエージェント|業界最大級の実績
▲出典:リクルートエージェント
リクルートエージェントは各業界に精通したアドバイザーによる手厚い対応が売りのエージェントです。
特徴
- 完全成果報酬型の料金形態
- 業界最大級の登録者数
4. quick AGENT|最短2分で紹介
▲出典:quick AGENT
quick AGENTは、デザイナーとエンジニアに特化した採用媒体です。
案件を公開してデザイナーからの応募を待つこともできますが、案件を登録すると専属のエージェントが適した人材を紹介してくれるので、比較的早めに人材が決まることも特徴です。
タイミングにもよりますが、登録からデザイナー紹介まで最短2分で進むこともあります。今すぐデザイナーを採用したい企業や即戦力を求めている企業に適した採用媒体といえるでしょう。
特徴
- デザイナーとエンジニアに特化している
- 早めに採用まで決まりやすい
5. レバテック|エンジニアとデザイナー特化
▲出典:レバテック
レバテックはエンジニアとデザイナーの採用に特化したエージェントです。
特徴
- 社員、派遣、フリーランス希望者の中からニーズに合わせてご紹介
- エンジニア、デザイナー専門のエージェント
- 採用課題から必要な人材像を整理し、求めるスキルにマッチする人材を推薦
6. ITプロパートナーズ|問い合わせから60分以内に人材紹介
▲出典:ITプロパートナーズ
ITプロパートナーズは迅速かつ丁寧な対応に定評があるエージェントです。
特徴
- 迅速かつ手厚いサポート対応
- 豊富な人材データベース
7. スタンバイ|幅広い雇用形態に対応
▲出典:スタンバイ
スタンバイは日本最大級の人材紹介サービスです。
登録しているエンジニアも多く、スキルや経験を限定して適した人材が選べます。
また、正社員や契約社員、フリーランスなどのさまざまな働き方を希望するエンジニアが登録しているので、企業がどのようなエンジニアを採用したいかによって適する働き方のエンジニアとマッチングできます。勤務地も限定できるので、通勤してもらうエンジニアを探す場合にも活用しやすい採用サイトといえるでしょう。
特徴
- 幅広い雇用形態に対応
- 勤務地を限定できる
8. SOKUDAN|Facebookとの連携で安心
▲出典:SOKUDAN
SOKUDANは面接までの時間が短く、Facebookと連携するなど、信頼性の高いフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 会社の状況にあった料金プランの提案
- 最短当日のマッチング
9. CODEAL|豊富なハイスキル人材
▲出典:CODEAL
CODEALは多くのハイスキルなデザイナーのデータベースをもつフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 豊富な利用実績
- 即戦力人材が多い
10. MOREWORKS|スキルからピンポイント採用
▲出典:MOREWORKS
MOREWORKSは、デジタル・クリエイティブ業界特化型の求人サイトです。
エンジニア、デザイナー、ディレクター、プロデューサーの4つの職種から人材を探せるので、エンジニア以外の人材を採用する際にも活用できます。
特徴
- デジタル/クリエイティブに特化している
- エンジニア以外にもデザイナー、ディレクター、プロデューサーを探せる
- プログラミング言語でエンジニアを指定できる
11. Crowdtech|最短3日で即戦力を契約可能
▲出典:Crowdtech
Crowdtechは、日本最大級のアウトソーシングサービスであるCrowdworksの関連サイトです。
登録しているデザイナーの数も多く、最短3日で即戦力のデザイナーと契約できます。
特徴
- 最短3日で即戦力のデザイナーを採用できる
- 掲載費用がかからないので採用コストを抑えやすい
12. green|カジュアルな転職を可能に
▲出典:green
greenはカジュアルな転職を目指した採用媒体です。
専門の人事担当者がスカウトに介入するので、応募者のスキルや希望する条件とマッチングしやすいのもgreenの特徴です。IT/WEB専門の採用媒体なので、ITエンジニアの登録が多いことも希望に近い人材と出会いやすいポイントです。
特徴
- 応募者と面談することが可能
- 希望条件と応募者のスキルがマッチしやすい
13. Midworks
▲出典:Midworks
Midworksは、IT系のフリーランスエンジニアやデザイナー専門のエージェントサービスです。
フリーランス人材と採用企業の間に立ち、双方のマッチングをサポートします。
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