副業・業務委託人材の採用ノウハウ

広告運用代行の業務委託|契約の種類や契約書の作り方、印紙税まで徹底解説

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企業でリスティング広告や求人広告を出す際に、広告作成から運用までのすべての工程を内製化した場合、多くの社内リソースが必要となります。そこで広告運用を代行業者に業務委託することで、社内リソースをコア業務に集中させることが可能です。

広告運用を業務委託する際は、フリーランス(個人事業主)や広告代理店などに委託するのが一般的です。

しかし、業務委託をする際に、契約の種類や契約の仕方、業務委託契約書の作り方などがわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、広告運用を代行業者に委託する際の契約の仕方や契約書の作り方を徹底解説します。広告運用でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

広告運用とは?

広告運用とは、自社の広告をさまざまなメディアに出稿し、広告効果を検証しながら改善して効果を高めていく施策です。

これまでの広告運用は、新聞や雑誌などの「マス広告」が主流であったため、広告効果の検証が難しいという問題がありました。しかしインターネット環境が急速に発達したことにより、近年は「Web広告」が主流となりつつあります。

Web広告を活用することで、企業が低コストで効果的な広告を打つことが可能です。ただ、Web広告にはさまざまな手法や配信メディアがあるため、初めてWeb広告を出す際は、専門的な知識やスキルを持つ広告運用代行業者の活用が不可欠となっています。

広告運用の種類

現在主流となっているWeb広告には、大きく分けて次の4つの種類があります。

  1. リスティング広告
  2. ディスプレイ広告
  3. 動画広告
  4. SNS広告

この4つの広告は、それぞれ配信される場所や内容が異なるため、自社で活用すべき広告の種類を決めなければなりません。まずは各広告について解説します。

1.リスティング広告(検索連動型広告)

リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに対して、検索結果の上部に表示される広告です。そもそも検索するキーワードに対して興味のあるユーザーに広告を表示できるため、クリックや成約する確率が高くなりやすいのが特徴です。

2.ディスプレイ広告(バナー広告)

ディスプレイ広告とは、Webサイト上の決められた広告枠に表示する広告です。認知度の低い商品やサービスの広告に向いていると言われており、幅広いユーザーに広告を見てもらえるのが特徴です。

3.動画広告

動画広告とは、さまざまな場所で動画を活用した広告のことで、SNSやWebサイト上などいたるところで目にすることが急激に増えた広告の1つです。

画像やテキストと比較して、視覚と聴覚に訴えることができる強みがあります。

配信先については、自社が宣伝したいユーザー属性にあわせて選択すると良いでしょう。

4.SNS広告

SNS広告は、FacebookやTwitter、Instagram、LINEなどのSNSに表示する広告のことを言います。SNS広告では、ユーザー属性が比較的はっきりしているSNSを活用することで、ターゲットを絞り込んだ広告を出せるのが強みと言えるでしょう。

広告運用を業務委託すべき企業の特徴4つ


広告運用を業務委託すべき企業は、以下のような特徴があります。

  1. 広告運用の専門知識が社内にない 企業
  2. 社内リソースが限られている企業
  3. 効率化と業績向上を目指す中小企業やベンチャー企業
  4. 初めてWeb広告を活用する企業

1.広告運用の専門知識が社内にない企業 

専門知識が不足している企業は、効果的な広告戦略を立てることが難しく、運用においても最適な判断を下すことができません。そのため、専門的な知識を持つ代理業者に委託することで、広告の効果を最大化することが可能です。

2.社内リソースが限られている企業 

人材や時間、予算などのリソースが限られている企業では、広告運用に必要なリソースを確保することが困難です。委託することで、限られたリソースを他の重要な業務に集中させることができます。

3.効率化と業績向上を目指す中小企業やベンチャー企業 

効率化と業績向上を目指す企業にとって、広告運用は重要な要素です。しかし、中小企業やベンチャー企業では社内リソースが限られており、専門的な運用を行うことが難しいため、業務委託が有効な戦略となります。

4.初めてWeb広告を活用する企業 

Web広告を初めて利用する企業は、運用のノウハウがないため、効果的な広告キャンペーンを実施することが難しいでしょう。そこで、専門の代理業者に委託することで、初めてのWeb広告でも効果的な広告を出稿することが可能となります。

ただし、下記のような特徴のある企業では、広告を出す媒体やタイミングについての知識がないケースも考えられます。そこで、まずは信頼できる代行業者に相談して、適切な広告戦略を策定した上で実行するのがおすすめです。

広告運用を業務委託するメリットとデメリット


次に、広告運用を業務委託するメリットとデメリットを解説します。

広告運用を業務委託するメリット4つ

広告運用を業務委託する主なメリットは、次の4つです

1.専門家による効率的な運用が可能

広告運用は専門性が高く、自社で全ての手法を把握するのは困難です。そこで、広告運用の専門家に業務委託することで、高度な知識と経験を活用した効率的な運用が期待できます。

2.最新の業界動向や他社事例を活用できる

外部の専門家は、常に最新の広告動向を追っており、他社の成功事例なども把握しています。このような知見を活用することで、自社の広告運用を最適化できます。

3.社内リソースを広告運用に専念させる必要がない

広告運用は継続的な運用が求められる作業です。そこで、業務委託するで社内のリソースを広告運用に割く必要がなくなるため、他の業務に専念できます。

4.費用対効果が高い場合がある

自社でリソースを確保し広告運用のノウハウを蓄積するよりも、専門家への業務委託の方が費用対効果が高い場合があります。

広告運用を業務委託するデメリット4つ

一方、広告運用を業務委託する際には、以下の4つのデメリットが考えられます。

1.社内に広告運用のノウハウを蓄積できない

広告運用を業務委託すると、ノウハウが社内に残りにくくなります。なぜなら、自社で広告運用を行わないと、知見を蓄積する機会が失われてしまうからです。

そこで、いずれは自社内で広告運用を行おうと計画されている場合には、すべての業務を委託せずに、協業しながら広告運用ができるプランを策定しましょう。

2.情報の共有が難しく、コントロールが効きにくい

業務委託の場合、社内と委託先との情報の行き来が滞りがちです。そのため、適切な情報共有がなされず、広告運用をコントロールしづらくなるケースがあります。

そこで、業務委託先とは、常に密なコミュニケーションを行いましょう。

3.業務委託の費用がかかる

専門家への業務委託には費用がかかります。また、自社内で既存の人材を活用する場合と比べると、継続的なコスト負担が発生します。そのため、予算に余裕がない企業には、負担が大きくなる場合があるでしょう。

そこで、広告運用を行う際は、しっかりとした予算計画と管理体制を整えた上で実行しましょう。

4.広告方針の転換が難しい場合がある

業務委託先と綿密なコミュニケーションを取らないと、自社の広告方針の変更に素早く対応してもらえない恐れがあります。また、社内の意思決定のスピードに合わせづらい面があります。

そこで、常に密なコミュニケーションが取れる業務委託先に依頼するのがおすすめです。

広告運用の業務委託先の種類と選び方のポイント


次に、広告運用の業務委託先の種類と選び方を解説します。

広告運用の業務委託先の種類3つ

広告運用の業務委託先には、主に次の3種類が挙げられます。

1.広告代理店

広告代理店とは、広告運用を一括で請け負う業者です。そのため、企画から運用、分析までトータルでサポートしてくれるのが特徴です。大手代理店が多く安心できますが、費用が高めになる傾向にあります。

2.広告運用の専門会社

広告運用の専門会社とは、広告手法ごと(リスティング広告、SNS広告など)に特化した運用を行う業者です。特定の広告に専門特化しているため、高い運用力に期待できます。

3.フリーランス

個人事業主として活躍する、フリーランスにも広告運用を委託できます。費用が比較的安価な半面、案件の継続性が課題となる場合があります。ただし、優秀なフリーランスも多いため、協業やヘッドハンティングできるといったメリットが多いのが魅力です。

広告運用の業務委託先の選び方のポイント4つ

広告運用の業務委託先を選ぶ際は、次の4つのポイントを押さえることが大切です。

1.自社の広告運用ニーズと委託先の専門性がマッチしているかを確認すること 

広告運用では、広告の種類や媒体ごとに委託先の専門性が異なるため、自社が運用したい広告手法と業者の得意分野を照らし合わせる必要があります。そこで、まずはいくつかの業者に相談した上で決めるのがおすすめです。

2.委託料金と自社の広告運用予算のバランスが取れているかを確認すること 

委託費用は広告予算によって変動するため、自社の広告運用予算内に抑えられるかを事前に確認しましょう。そうすることで、予算オーバーや無駄な出費を抑えることが可能です。

3.実績や口コミなどを踏まえた信頼性を確認確認すること

委託業者を決める際は、過去の実績や口コミ評価を参考にして、業者の実績や信頼性を確かめることが重要です。広告運用では、実績のない業者は避けた方が無難でしょう。

4.報告体制やコミュニケーション頻度などのフォロー体制 を確認すること

委託業者を決める際は、定期的な報告会や連絡体制が整っているかどうかを確認しましょう。密なコミュニケーションが取れる体制があると安心です。

上記の4つのポイントを意識して、複数の委託先候補を比較検討することが、賢明な業務委託先の選び方につながります。

広告運用代行の業務委託はフリーランスがおすすめ

上記のように、広告運用はフリーランスや広告代理店などの広告代行業者に業務委託できます

広告運用を専門的な広告知識を持つ人材に業務委託することで、社内リソースをコア業務に集中させ、業務の効率化と業績の向上を目指せるでしょう。

とくに中小企業やベンチャー・スタートアップ企業の場合には、広告運用の業務委託がおすすめです。なぜなら、広告運用を業務委託することで、広告スキルの高い人材が持つ人脈やノウハウを社内に蓄積でき、今後の内製化にも役立つからです。

広告運用については、エンジニアやマーケターなどと同じく専門性が求められる業務であるため、人材の採用が難しい職種です。そのため社内にノウハウが構築できるまでは、業務委託するのが一般的となっています。

そこで、これから広告を運用代行業者に委託する場合には、フリーランスの広告運用代行の利用をおすすめします

フリーランスの中には、大手広告代理店から独立した人材も多く、さまざまな広告運用業務に精通した方も豊富です。そのような人材に、自社の広告の配信先や運用方法などを相談することで、低コストでより効果の高い広告運用が可能となるでしょう

業務委託契約の仕方と契約書の作り方

広告運用を業務委託する際は、準委任契約を結ぶのが一般的です。業務委託契約では、不要なトラブルを避けるために「業務委託契約書」の作成が必須となります。

広告運用を業務委託する際は、広告業務を発注する側に広告内容や自社製品に関する秘密保持のリスクがあるため、必ず広告運用を依頼する(発注企業)側が契約書を作成しましょう。

以下では、業務委託契約書に記載すべき13の内容と、契約書の作り方を解説します。

業務委託契約書の作り方と記載すべき13の内容

業務委託契約書に記載すべき13の内容は、以下の通りです。

  1. 委託業務の内容
  2. 委託料(報酬額)
  3. 支払条件、支払時期、支払い方法など
  4. 成果物の権利
  5. 再委託の可否
  6. 秘密保持に関する条項
  7. 反社会的勢力の排除
  8. 禁止事項の詳細
  9. 契約解除の条件
  10. 損害賠償について
  11. 契約期間について
  12. 所轄の裁判所について    
  13. その他の事項

それぞれ解説します。

1.委託業務の内容

まずはじめに、業務委託をする広告の内容や、広告成果物についての詳細を明記しましょう。この内容によって業務委託契約の種類が変わるため、委託内容は非常に重要な項目です。

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2.委託料(報酬額)

委託料とは、広告運用代行業者に支払う報酬です。報酬額がいくらなのか、税抜きと税込み金額を明記しましょう。

3.支払条件、支払時期、支払い方法など

業務委託契約書に記載するのは、委託金額とともに支払い条件や、時期、方法なども明記します。請負契約では、契約書に記載した通りの製品を、納期までに納品しなかった場合、契約不履行となり報酬を支払わないケースがあるため、しっかりと記載しましょう。

4.成果物の権利

業務委託契約では、委託した業務が成果物の納品を目的としていた場合に、その成果物の権利が発注先から発注元に移るのか否かも記載しましょう。広告運用では、著作権や商標権などが絡む取引も多いため、事前に弁護士などに相談した上で契約書を作成すると安心です。

5.再委託の可否

業務委託では、委託した仕事をさらに2次下請けや3次下請けに回すこともあります。このようなケースでは自社の機密事項などが漏れやすくなるリスクがあるため、禁止する場合には、契約書にしっかりと明記しておくことが大切です。

6.秘密保持に関する条項

業務委託契約において最も注意したい項目の1つが、この「秘密保持」に関する条項です。近年は個人情報の管理や企業のコンプライアンスを重視する傾向が強く、自社だけでなく、顧客情報などの取り扱いにも十分な注意が必要です。

もし委託する業務に自社の機密事項や取引先、顧客の情報がある場合には、別途秘密保持契約を交わし、万一に備える必要があります。

7.反社会的勢力の排除

こちらも企業のコンプライアンスに違反しないために注意すべき項目です。自社はもちろんのこと、外注先にも反社会的勢力とのかかわりがないか確認しましょう。

8.禁止事項の詳細

 業務委託契約を結ぶ際に、上記以外の禁止事項があれば記載しましょう。できるだけ詳細に明記することが大切です。

9.契約解除の条件

契約書に記載した内容に違反があった場合などに、契約を解除できる条件を記載しておきます。万一の際に自社を守るための切り札となる条項ですので、あらゆるトラブルを想定して内容を決めましょう。また、契約解除は委託先にとっても一番厳しい条件となるため、常識の範囲内で設定すること。また、契約先と内容をすり合わせながら決めることが重要です。

10.損害賠償について

損害賠償についての項目も、万一の際に有効です。成果物の不備や欠陥、納期の遅れが許されない業務委託契約の場合には、損害賠償に関する条項を設けておきましょう。

11.契約期間について    

契約期間を定めた取引を行う場合には、しっかりとその期間を明記します。契約期間の詳細によっては、契約書にかかる印紙税額が変わるため、こちらにも留意しながら記載しましょう。

12.所轄の裁判所について

業務委託契約書には、万一のトラブルで裁判となった場合に、所轄の裁判所がどこになるかを明記することが大切です。

特に遠方の業者や個人と契約を結ぶ際には、トラブルが発生した際の所轄の裁判所を明記しておかなければ「両者の中間の裁判所」を指定されるケースもあります。

そこで、あらかじめ発注者の最寄りの裁判所を明記しておき、委託先の合意を得ておきましょう。

実際に裁判に発展するトラブルは少ないものの、裁判所を記載しておくことがトラブルの抑止にも繋がります。

13.その他の事項

その他の事項には、上記以外で記載すべき内容があれば明記しましょう。

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業務委託契約書の作成ルール

以下では、業務委託契約書の作り方を解説します。

業務委託契約書は2通作成する

業務委託契約書は、必ず2通作成し、発注元と発注先の両者が保管します。

それぞれに印紙を添付して消印する

業務委託契約書を紙媒体で作成した場合、契約書は「課税文書」となり、印紙税の課税対象となります。後で解説する印紙税額相当の印紙をそれぞれで購入し、契約書に貼付後に消印しましょう。

それぞれに署名・押印して保管する

業務委託契約書を2通作成し、印紙を貼付・消印したら、最後に両者で署名・押印して1通ずつ保管します。

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業務委託契約書の印紙税と支払い方

業務委託契約書には2号文書と7号文書があります。2号文書とは一般的に請負契約を指し、7号文書は継続的に行われる業務委託契約の契約書を指します。

広告運用の場合は、一定期間において継続的な契約を結ぶことが多いため、7号文書となるのが一般的です。

ただし、請負契約で短期の契約を結ぶケースもあるため、以下で2号文書と7号文書の両方を解説します。

2号文書の特徴と印紙税額

2号文書の特徴は、次の2つです。

  • 継続もしくは単発の請負契約で、契約金額に記載のないもの
  • 契約期間が3ヶ月以内で、更新の定めがないもの

上記を満たす契約書には、下記の表にある契約金額(税抜)に応じた印紙税が必要です。

また、印紙税は契約書2通それぞれに契約金額に応じた額の印紙を購入し添付・消印する必要があるため、企業と営業代行者の双方で負担します

印紙税額は、2022年9月現在以下の通りとなっています。

請負契約金額(税抜)と必要な印紙税額
1万円未満非課税
1万円以上100万円未満200円
100万円以上200万円未満400円
200万円以上300万円未満1千円
300万円以上500万円未満2千円
500万円以上1千万円未満1万円
1千万円以上5千万円未満2万円
5千万円以上1億円未満6万円
1億円以上5億円未満10万円
5億円以上10億円未満20万円
10億円以上50億円未満40万円
50億円以上60万円
契約金額の記載がない契約書の場合200円

7号文書の特徴と印紙税額

7号文書の特徴は、次の3つです。

  • 継続する請負契約で、契約金額の記載がないもの。
  • 契約期間の定めがないまま、すでに契約期間が3ヶ月を超えている請負契約書。
  • 請負期間に関係なく、契約更新の定めがあるもの。

上記の請負契約に関しては、一律で4,000円の印紙税が必要となります。

電子契約書なら印紙税が非課税になるのでおすすめ

上記のように、契約金額が大きくなると、印紙税も高額となります。しかし電子契約書を作成すれば、契約書にかかる印紙税が「非課税」となります。

これは印紙税が「紙媒体の課税文書」にかかる税金であるためです。そこで近年は、電子契約書の利用が増えています。

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