採用費用の平均相場と新卒や中途の採用コストを削減する方法を徹底解説
労働人口の減少による人材不足によって深刻な採用難が続く現代では、採用にかかる費用が増大する傾向にあります。
ただ、人材採用は費用をかければ必ず成功するわけではないため、効率良く優秀な人材を採用できる採用手法を選択して確立することが大切です。
人材採用に成功するポイントは、それぞれの企業の強みや特徴に合わせた適切な採用手法を選び、平均的な相場を理解した上で、効率よく運用することです。
そこで今回は、採用費用の平均相場と、新卒や中途の採用コストを削減する方法を徹底解説します。
人材採用を効率よく進めたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
採用費用(コスト)とは?新卒・中途別の平均相場と現状を分析
採用費用(コスト)とは、企業の採用活動のすべてにかかる費用の総称です。
採用コストには、採用担当者の人件費や求人広告への掲載費用、人材紹介会社への報酬や人材採用管理ツールの利用料金など、さまざまな費用があります。また、採用にかかった費用の総額を採用した人数で割ることにより、人材を1人採用するのにかかった費用を計算することが可能です。
採用コストは業種によって大きく異なるため、できるだけ自社の業種や業態に合わせた採用手法を選ぶ必要があります。そして、採用コストが低ければ、効率良く採用活動ができた証拠です。
一方、採用した人材と仕事のミスマッチが起こると早期退職に繋がり、結果として投資した採用コストが無駄になる可能性があるため注意が必要です。
従って「ただ採用コストが低ければ良い」ということではなく「自社にマッチした人材を、いかに低コストで採用するか」が人材採用の成功ポイントとなります。
採用費用の平均相場の現状分析
採用費用の平均相場についての現状分析は、企業が直面する重要な課題の1つです。
新卒と中途採用では、それぞれ異なるコスト構造があります。例えば、リクルートが発表した「就職白書2020」によると、2019年度の新卒採用の採用単価は平均で93.6万円であり、中途採用の場合は平均で103.3万円となっています。
新卒採用では、企業は学生との接点を増やすためにインターンシップなどのプログラムに投資する傾向があります。一方、中途採用では、経験豊富な人材を確保するために、より高い採用コストがかかることが一般的です。
また、求人広告費用の相場も職種や企業規模によって異なります。例えば、2023年の職種別中途求人広告費用は、営業職で33.7万円、企画・経営職で33.9万円、管理・事務職で32.3万円となっています。
採用コストを削減する方法としては、ミスマッチをなくすこと、求人広告サイトの見直し、SNSやオウンドメディアの活用、ダイレクトリクルーティングの活用などが挙げられます。これらの方法を通じて、効率的に優秀な人材を確保しつつ、採用費用を抑えることが可能です。
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採用コストと採用単価の計算方法
採用費用(コスト)には大きく2種類があります。1つは社外に支払う外部コストで、もう1つは社内で発生する内部コストで、外部コストと内部コストの合計によって採用コストを求めることが可能です。
採用コストの総額を採用人数で割ったものが、採用一人当たりにかかる「採用単価」で、採用活動の重要な指標となります。
採用コストと採用単価は、以下の計算方法で求めることができます。
- 採用コスト=外部コスト+内部コスト
- 採用単価=採用コスト÷採用人数
以下では、外部コストと内部コストについて、それぞれ解説します。
外部コストとは
外部コストとは、人材採用に関わる社外へ支払う費用で、以下のような費用があります。
- 求人広告媒体へ支払う掲載費用
- 人材紹介へ支払う成果報酬金
- ダイレクトリクルーティングサービスの利用料
- オウンドメディアの採用ページやパンフレットなどの制作費用
- 企業説明会にかかる会場・設営費用
- オンライン面接を行う場合のツール利用費
- 採用・不採用者への通知にかかる費用 など
内部コストとは
内部コストとは、人材採用に関わる社内で発生する費用で、以下のような費用があります。
- 採用担当者や採用に関わる社員や役員の人件費
- リファラル採用を行った際の社員へのインセンティブ(謝礼金) など
注)内部コストにかかる人件費は、採用活動にかかった時間から割り出します。
新卒の採用単価の平均相場
リクルートが発表した「就職白書2020」によると、2019年度の新卒採用の採用単価は平均で93.6万円となっており、2018年度の平均金額の71.5万円から大幅に増加し、今後も増加傾向にあると推測されます。
これは、年々深刻化する人手不足により、採用活動に多くの社内リソースを投下していることが原因です。
そこで新卒採用を目指す企業においては、できるだけ早くからインターン採用などの告知を行い、学生と会社の接点を増やす努力が必要といえるでしょう。
中途の採用単価の平均相場
採用単価の上昇傾向は中途採用の場合も同じで、リクルートが発表した「就職白書2020」によると、2019年度の中途採用の採用単価は平均で103.3万円で、2018年度の平均金額の83万円から増加しています。
中途採用の場合は、採用する人材の経験値やスキルによって給与が変わるため、採用手法の選択によってコストが変動するのが特徴です。スキルの高い優秀な人材を採用したい場合に、採用コストが高くなるのが一般的です。
ただし採用単価が高くても、即戦力となる優秀な人材は会社に大きな利益をもたらしてくれる可能性があります。そこで、人材と仕事のミスマッチが起きないようにしっかりとしたターゲティングを行い、自社に必要となる人材を積極的に採用しましょう。
また近年は、新卒・中途の採用活動にオンラインを取り入れることで、採用企業と求職者の負担を減らしているのも大きな特徴です。
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採用コストの削減方法
採用コストの削減には、外部コストと内部コストの両面から考える必要があります。
以下では、外部コストと内部コストを精査し、削減する施策を解説します。
外部コストの削減方法
外部コストの削減では、費用対効果を検証しながら採用活動を精査していくことが重要です。
自社の採用したいターゲットが新卒採用か中途採用か、またターゲットの属性によっても求人広告をだすべき媒体が異なります。
費用が比較的安いからといって、自社サイトだけで募集をかけたとしても、余程知名度のある人気企業でなければ応募が集まらないのが現実です。そうなると、せっかく採用活動にかけた費用が全て無駄となるケースもあるでしょう。
外部コストを削減する最も効率の良い方法は、自社に必要な人材と人材サービスの相性を考え、より効果的な募集方法を選択して使い分けることです。
内部コストの削減方法
採用にかかる内部コストは、その大半が社員や役員の人件費となるため、無理に削減しようとすると採用成功率が下がる原因となります。
なぜなら、採用活動の人的コストを下げることで、求職者へのフォローが疎かになる可能性が高いからです。
内部コストを上手く抑えるポイントは、採用にかかる時間をどのように短縮するかにあります。採用活動は、時間が経過するとともに人件費や広告費用がかさむのが一般的です。
そのため、採用活動をできるだけ短期間に終わらせることができれば、採用コストを下げることができます。
これまでオフラインで行っていた企業説明会をオンライン化するのも良い方法です。会場費用や設営費を削減できるだけでなく、人件費や交通費も大きく節約可能です。しっかりとした求職者のターゲティングと、節約できた費用の一部を広報費用に回すことで、オフラインよりも効率良く求職者を集めることができるでしょう。
外部コストと内部コストを同時に削減する方法
上記のように、採用コストには外部コストと内部コストがありますが、採用手法を適正化することで、両方を削減できる可能性があります。
一般的な求人広告では、掲載料金が比較的安いものの、どうしても採用にかかる期間が長くなります。採用期間が長くなることで採用過程での内部コストがかさみ、結果として採用コストが増えるリスクも高まります。
もし自社の採用人数が多くない場合には、人材紹介のエージェントを活用することで、内部費用を大幅に削減可能です。
エージェントを利用することで、自社に必要なリソースに合わせた人材をマッチングしてくれるため、人材と仕事のミスマッチが起きにくく、最短1日で採用活動が終わるケースもあります。
採用工程や期間が短縮されることで、人材紹介へ支払う成果報酬が高めでも、採用コストを効果的に抑えられるでしょう。
採用コストの削減に効果的な採用方法5選
採用コストを抑えながら優秀な人材を獲得するためには、効果的な採用手法が必要です。
以下では、効率よく人材採用ができる5つの手法を紹介します。
- ソーシャルリクルーティングを活用する
- 広報活動にSNSを活用する
- リファラル採用する
- カジュアル面談を取り入れてミスマッチと早期離職を減らす
- 採用代行サービスを利用する
それぞれ解説します。
ソーシャルリクルーティングを活用する
ソーシャルリクルーティングとは、YouTubeやTwitter、FacebookやInstagramなどのSNSを活用して採用活動をする手法です。
SNSは、基本的に無料で運用できるうえ、会社のアカウントを作成すれば直ぐに始められる手軽さが魅力です。
最近では、中小零細企業でも、ユーザーの興味を引く内容の動画をアップすることで数十万人ものファンを持つ企業もあります。このような企業では、SNSを通じて興味のある人材に直接スカウティングしたり、求職者からのアプローチを呼びかけることもできるでしょう。
SNS特有のインタラクティブ(双方向)なチャット機能などを使い、効果的な採用活動に期待できます。
広報活動にSNSを活用する
一般的な採用活動においては、求人広告が欠かせません。そこで求人広告にSNSを活用するのが、この手法です。
最近では、SNSを使った企業広告やスカウティングに抵抗の少ない方も多くいます。そこで常日頃から自社のアカウントの運用をしている企業は、数多くのフォロワーやユーザーに対し、求人情報を積極的に配信しましょう。
普段から自社のSNS投稿に興味を持っている方であれば、ミスマッチが起こりにくい可能性があります。
広報活動からスカウティング、採用へと、企業が積極的に動くことが大切です。
リファラル採用する
リファラル採用とは、自社の社員に友人や知り合いを紹介してもらう手法です。これまでリファラル採用の制度がない会社では、まずリファラル採用した時の成功報酬などを決めなければなりませんが、外部コストも内部コストも節約できるでしょう。
リファラル採用の特徴は、ミスマッチが少なく、また離職率も低いこと。もし社内にリファラル採用に協力的な社員がいる場合には、ぜひ活用したい採用手法の1つです。
カジュアル面談を取り入れてミスマッチと早期離職を減らす
カジュアル面接とは、選考に進む前の段階で、求職者と企業の社員がマンツーマンで気軽に会話しながら質疑応答し、お互いの理解を深める手法です。
カジュアル面談と面接は混同されがちですが、カジュアル面談はあくまで「お互いを良く知ること」に重きを置くため、合否を左右する決定を行いません。
そのため、面談後は次の選考に進むための案内を行います。間違っても、この段階で企業側から不採用を決めて伝えないことが大切です。
カジュアル面談で不採用を伝えることは、求職者にとって面接されたと感じ、企業のブランドに傷が付く可能性があります。SNSなどを通じて悪い噂が直ぐに広まる時代ですので、くれぐれもご注意ください。
採用代行サービスを利用する
採用代行サービスとは、企業の採用活動の一部を専門会社にアウトソーシングする手法です。自社に採用ノウハウやリソースがない企業におすすめの方法です。
採用代行会社では、採用経験が豊富なプロが採用活動にあたるため、ミスマッチが少なく、優秀な人材を選んでくれる可能性が高まるでしょう。
そして、採用活動にかかるはずだった自社のリソースが本業のコア業務に集中できるため、結果的に業務効率と採用効率が上がることに繋がります。
採用コスト削減におすすめの人材エージェント13
選
人材エージェントサービスの利用には料金がかかるものの、人材の提案、契約締結業務の代行、稼働中の管理サポートなどのサービスが充実しており、困ったことがあれば人材採用に精通した担当者に相談しながら進められます。
特に人材難が顕著なIT関連の業種などは「採用現場の工数負担による人件費」と「エージェントサービスの利用料」、コスト効率と質のバランスを見極めて採用方法を検討しましょう。
以下では、採用コストの削減におすすめの人材エージェント13選を紹介します。
1. Workship|国内最大級のフリーランスマッチングサービス
▲出典:Workship
「Workship」は国内最大級の登録者数を誇るフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 登録者数:51,600人以上
- 三者間契約のため、安全に業務委託できる
- さまざまな採用手法が利用でき、最短1日で契約した事例もあり
- 人材のスキル/経歴を分析しスコア化
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2. ワークポート|全国規模の対応が持ち味
▲出典:ワークポート
ワークポートは全国の多種多様なネットワークが持ち味のエージェントです。
特徴
- 幅広いネットワークで、全国の多様な業種に対応
- 採用成功まで費用がかからない完全成果報酬型
3. リクルートエージェント|業界最大級の実績
▲出典:リクルートエージェント
リクルートエージェントは各業界に精通したアドバイザーによる手厚い対応が売りのエージェントです。
特徴
- 完全成果報酬型の料金形態
- 業界最大級の登録者数
4. quick AGENT|最短2分で紹介
▲出典:quick AGENT
quick AGENTは、デザイナーとエンジニアに特化した採用媒体です。
案件を公開してデザイナーからの応募を待つこともできますが、案件を登録すると専属のエージェントが適した人材を紹介してくれるので、比較的早めに人材が決まることも特徴です。
タイミングにもよりますが、登録からデザイナー紹介まで最短2分で進むこともあります。今すぐデザイナーを採用したい企業や即戦力を求めている企業に適した採用媒体といえるでしょう。
特徴
- デザイナーとエンジニアに特化している
- 早めに採用まで決まりやすい
5. レバテック|エンジニアとデザイナー特化
▲出典:レバテック
レバテックはエンジニアとデザイナーの採用に特化したエージェントです。
特徴
- 社員、派遣、フリーランス希望者の中からニーズに合わせてご紹介
- エンジニア、デザイナー専門のエージェント
- 採用課題から必要な人材像を整理し、求めるスキルにマッチする人材を推薦
6. ITプロパートナーズ|問い合わせから60分以内に人材紹介
▲出典:ITプロパートナーズ
ITプロパートナーズは迅速かつ丁寧な対応に定評があるエージェントです。
特徴
- 迅速かつ手厚いサポート対応
- 豊富な人材データベース
7. スタンバイ|幅広い雇用形態に対応
▲出典:スタンバイ
スタンバイは日本最大級の人材紹介サービスです。
登録しているエンジニアも多く、スキルや経験を限定して適した人材が選べます。
また、正社員や契約社員、フリーランスなどのさまざまな働き方を希望するエンジニアが登録しているので、企業がどのようなエンジニアを採用したいかによって適する働き方のエンジニアとマッチングできます。勤務地も限定できるので、通勤してもらうエンジニアを探す場合にも活用しやすい採用サイトといえるでしょう。
特徴
- 幅広い雇用形態に対応
- 勤務地を限定できる
8. SOKUDAN|Facebookとの連携で安心
▲出典:SOKUDAN
SOKUDANは面接までの時間が短く、Facebookと連携するなど、信頼性の高いフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 会社の状況にあった料金プランの提案
- 最短当日のマッチング
9. CODEAL|豊富なハイスキル人材
▲出典:CODEAL
CODEALは多くのハイスキルなデザイナーのデータベースをもつフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 豊富な利用実績
- 即戦力人材が多い
10. MOREWORKS|スキルからピンポイント採用
▲出典:MOREWORKS
MOREWORKSは、デジタル・クリエイティブ業界特化型の求人サイトです。
エンジニア、デザイナー、ディレクター、プロデューサーの4つの職種から人材を探せるので、エンジニア以外の人材を採用する際にも活用できます。
特徴
- デジタル/クリエイティブに特化している
- エンジニア以外にもデザイナー、ディレクター、プロデューサーを探せる
- プログラミング言語でエンジニアを指定できる
11. Crowdtech|最短3日で即戦力を契約可能
▲出典:Crowdtech
Crowdtechは、日本最大級のアウトソーシングサービスであるCrowdworksの関連サイトです。
登録しているデザイナーの数も多く、最短3日で即戦力のデザイナーと契約できます。
特徴
- 最短3日で即戦力のデザイナーを採用できる
- 掲載費用がかからないので採用コストを抑えやすい
12. green|カジュアルな転職を可能に
▲出典:green
greenはカジュアルな転職を目指した採用媒体です。
専門の人事担当者がスカウトに介入するので、応募者のスキルや希望する条件とマッチングしやすいのもgreenの特徴です。IT/WEB専門の採用媒体なので、ITエンジニアの登録が多いことも希望に近い人材と出会いやすいポイントです。
特徴
- 応募者と面談することが可能
- 希望条件と応募者のスキルがマッチしやすい
13. Midworks
▲出典:Midworks
Midworksは、IT系のフリーランスエンジニアやデザイナー専門のエージェントサービスです。
フリーランス人材と採用企業の間に立ち、双方のマッチングをサポートします。
特徴
- 企業が登録した技術や要望に合わせた最適な案件を提案
- エンジニアとの契約や交渉事も代行
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