アウトソーシングとBPOの違いとメリットや効果的な使い分け方を解説
アウトソーシングとBPOという二つの言葉は、採用担当者にとって馴染み深いものかもしれません。しかし、実際には、アウトソーシングとBPOの違いについて正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。
アウトソーシングとBPOは、どちらも業務を外部に委託することですが、その目的や範囲、契約形態などに大きな違いがあります。
この記事では、アウトソーシングとBPOの違いや、採用戦略におけるメリットとデメリット、効果的な使い分け方などを解説します。
アウトソーシングとBPOの違いを知ることで、効率的で効果的な採用活動ができるようになりますので、ぜひ参考にしてください。
アウトソーシングとBPOの定義と基本的な違い
アウトソーシングとは、自社で行っている業務の一部または全部を、外部の専門業者に委託することです。
アウトソーシングには、オフショア(海外の業者に委託する)、ニアショア(近隣国の業者に委託する)、オンショア(国内の業者に委託する)の3種類があります。
一方、BPOとは、ビジネス・プロセス・アウトソーシングの略で、自社の業務プロセス全体を外部の専門業者に委託することです。
BPOには、バックオフィス(経理、人事、総務などの間接部門の業務)とフロントオフィス(営業、マーケティング、カスタマーサービスなどの直接部門の業務)の2種類があります。
アウトソーシングとBPOの基本的な違いは、委託する業務の範囲や深さです。
アウトソーシングは、業務の一部を委託することであり、自社が主導権を持ちます。BPOは、業務プロセス全体を委託することであり、外部業者が主導権を持ちます。
また、アウトソーシングは、主に技術的なスキルや専門性が高い業務を委託することが多く、BPOは、主に汎用的なスキルや効率性が重視される業務を委託することが多いです。
アウトソーシングとBPOの目的や背景の違い
アウトソーシングとBPOの目的や背景にも違いがあります。
アウトソーシングの目的
アウトソーシングは、以下のような目的で行われるのが一般的です。
コスト削減
外部業者に委託することで、人件費や設備費などのコストを削減できます。
品質向上
外部業者はその分野の専門家であるため、品質やサービスレベルを向上させることができます。
スピードアップ
外部業者はその分野のノウハウや経験を持っているため、納期や対応速度を向上させることができます。
リスク分散
外部業者に委託することで、自社が直面するリスクや責任を分散させることができます。
戦略的集中
自社では得意ではないかつ重要ではない業務を外部に任せることで、自社では得意かつ重要な業務に集中することができます。
BPOの目的
一方、BPOは、以下のような目的で行われるのが一般的です。
組織変革
自社の業務プロセスを根本的に見直し、外部業者に委託することで、組織の効率化や柔軟性を高めることができます。
価値創造
外部業者はその分野の最先端の技術や知識を持っているため、自社の業務プロセスに革新的な価値を付加することができます。
競争力強化
外部業者はその分野のベストプラクティスやベンチマークを持っているため、自社の業務プロセスの競争力を強化することができます。
グローバル展開
外部業者はその分野のグローバルなネットワークやリソースを持っているため、自社の業務プロセスをグローバルに展開することができます。
アウトソーシングとBPOの背景
アウトソーシングとBPOの背景には、それぞれの時代や環境の変化があります。
アウトソーシングは、1980年代から1990年代にかけて、IT産業の発展やインターネットの普及によって、技術的な業務を外部に委託することが可能になったことで広まりました。
一方BPOは、2000年代以降のグローバル化やデジタル化によってビジネス環境が複雑化し競争が激化したことで、業務プロセス全体を外部に委託することが必要になったことで広まりました。
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アウトソーシングとBPOの範囲や内容の違い
アウトソーシングとBPOの範囲や内容にも違いがあります。
アウトソーシングは、主に以下のような業務を委託することが多いです。
- IT関連:システム開発、システム運用、システム保守、システム監視、システムテストなど
- 製造関連:製品設計、製品開発、製品製造、製品検査、製品修理など
- 研究開発関連:基礎研究、応用研究、開発研究、特許調査、特許出願など
- デザイン関連:グラフィックデザイン、ウェブデザイン、ロゴデザイン、パッケージデザインなど
一方、BPOは主に以下のような業務を委託することが多いです。
- 経理関連:会計処理、財務報告、税務申告、監査対応など
- 人事関連:採用活動、人事評価、給与計算、福利厚生管理など
- 総務関連:事務処理、文書管理、備品管理、法務対応など
- 営業関連:営業戦略立案、営業支援ツール作成、営業レポート作成など
- マーケティング関連:マーケティング戦略立案や施策の支援など
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アウトソーシングのメリット・デメリット
アウトソーシングのメリット
コア業務に集中できる
自社の強みや競争力を高めるために、重要な業務に人的資源を投入できる。
コスト削減ができる
社内で部門を設置するよりも、外部に委託することで人件費や設備費などを抑えられる。
業務の品質や効率が向上する
専門性やノウハウを持った外部の業者に任せることで、業務の処理速度や精度が高まる。
組織の肥大化を防ぐ
コア業務以外をアウトソーシングすることで、組織をスリム化して身軽になれる。
アウトソーシングのデメリット
情報漏洩のリスクがある
社内の情報を外部に出すことで、機密情報が流出したり、競合他社に利用されたりする恐れがある。
ノウハウが蓄積しない
自社で行わない業務は、自社の知識や技術として蓄積されない。
費用対効果が悪くなる場合がある
アウトソーシング先との契約内容や管理方法によっては、コスト削減どころか逆に費用がかさむこともある。
業務の煩雑化やブラックボックス化
アウトソーシング先との連携や調整に手間がかかったり、業務の進捗や品質が把握しにくくなったりすることもある。
BPOのメリット・デメリット
BPOのメリット
コスト削減ができる
BPOでは、人件費や設備費などの固定費を変動費に変えることができます。また、BPO事業者が持つ専門性や最新テクノロジーを活用することで、業務の効率化や品質向上が期待できます。
コア業務に集中できる
BPOでは、コア業務以外のノンコア業務を外部に委託することで、社内のリソースをコア業務に集中させることができます。これにより、コア業務の質や競争力を高めることができます。
事業成長の加速ができる
BPOでは、自社では賄えないリソースやノウハウを外部から補うことができます。これにより、新規事業や成長領域において、ビジネスチャンスを逃さず、事業成長の加速が可能になります。
BPOのデメリット
ノウハウが蓄積されない
BPOでは、自社の業務を外部に委託するため、自社にノウハウが蓄積されません42。また、後から自社で対応しようとした場合、部門を一から構築する必要があり、多大な労力やコストがかかります42。
情報漏洩のリスクがある
BPOでは、外部に自社の情報を提供するため、情報漏洩のリスクが発生します42。このため、委託先の情報管理体制やセキュリティ対策について十分な確認や契約が必要です42。
組織変更への対応が難しい
BPOでは、委託先との契約内容や管理方法によっては、自社の組織変更やニーズ変化に柔軟に対応できない場合があります。このため、BPOを導入する際は、将来的なビジョンや戦略も考慮する必要があります。
アウトソーシングとBPOの使い分け方
アウトソーシングとBPOの使い分け方については、以下のような基準が考えられます。
アウトソーシングを選ぶべき場合
- 業務の一部や単純作業を外部に委託したい場合
- 業務の範囲や内容が明確で、マニュアル化できる場合
- 業務の効率化やコスト削減が目的で、業務プロセスの見直しや改善は必要ない場合
- 短期的な人員不足や繁忙期の対応が必要な場合
- 自社のコア業務ではないが、自社で管理したい場合
BPOを選ぶべき場合
- 業務プロセス全体を外部に委託したい場合
- 業務の範囲や内容が複雑で、専門性や知見が必要な場合
- 業務の改善や見直し、経営戦略の支援が目的で、外部のノウハウや提案力を活用したい場合
- 中長期的な人材確保や組織変革が必要な場合
- 自社のコア業務ではなく、外部に任せても問題ない場合
- 以上のように、アウトソーシングとBPOは、それぞれ異なる目的や特徴を持っています。自社の業務課題やニーズに応じて、適切な方法を選択することが重要です。
アウトソーシングやBPOを活用する際の注意点
アウトソーシングやBPOを活用する際の注意点については、以下のような点が挙げられます。
- 委託する業務が外部に任せても問題ないか、自社のコア業務や競争力に影響しないかを慎重に検討すること。
- 委託先の専門性や実績、信頼性、情報管理体制などを十分に確認し、契約内容や責任範囲を明確にすること。
- 委託先とのコミュニケーションや連携を密に行い、業務の進捗や品質を把握し、必要に応じてフィードバックや改善要望を伝えること。
- 自社で行わない業務は、自社のノウハウや知識として蓄積されないことを認識し、将来的なビジョンや戦略も考慮すること。
以上のように、アウトソーシングやBPOは、メリットだけでなくデメリットやリスクも存在します。そこで、自社の業務課題やニーズに応じて適切な方法を選択し、効果的に活用することが重要です。
アウトソーシングやBPOはフリーランス人材がおすすめ
ここまで、「アウトソーシング」と「業務委託」の違いやメリット、デメリットについて解説してきました。
これらは主にアウトソーシング会社に業務委託を行なう場合が多いのですが、一方でフリーランスに業務を委託するという選択肢もあります。
フリーランスに業務委託する3つのメリット
フリーランスを活用することで以下のようなメリットがあります。
・コストを抑えられる
フリーランスを活用することでコストを抑えられるというメリットがあります。
正社員と給与が同額であってもフリーランスには福利厚生費や保険料などがほとんどかかりません。また、個人との契約になるため、手数料などの別途費用が発生しないのも特徴です。
・教育に時間を割く必要がない
上記で述べた通りフリーランスは企業でスキルを高め独立した人材が多い傾向にあります。そのため、即戦力として活用できることが多く、時間的なロスが発生しません。
・人材の流動性が高い
売り手市場で採用難度が高まっている正社員雇用と比べ、複数社と同時に契約でき労働人口も増えているフリーランスの採用は容易です。
以下ではフリーランスを採用する際に活用できる各種サービスの特徴や費用をまとめた資料を無料ダウンロードいただけます。
フリーランスにおすすめの採用手法4つ
最後に、フリーランスを採用する代表的な方法4つをご紹介します。メリット・デメリットをまとめましたので、自社に適したものを選ぶ参考にご覧ください。
- ダイレクトリクルーティング
気になる人材に直接コミュニケーションを図っていく採用手法。おもにSNSなどのサービスを使って行ないます。 - リファラル採用
既存社員の紹介から人材を探す方法。採用が成功した場合、紹介社員へインセンティブを渡します。インセンティブは予め設定し、社内に告知しておきます。 - 人材紹介サービス
フリーランス・副業人材を専門とした人材紹介サービスを導入し、採用を進めます。人材の質、サポート体制などが整っているため、初めてでもスムーズに採用できます。 - 求人広告
求人広告やサイトに募集を掲載し、人材からの応募を待ちます。掲載に料金がかかるタイプと、成約時に料金がかかるタイプなどがあります。
上記4つの採用手法のメリット・デメリットをそれぞれ箇条書きにして表にまとめてみます。
採用手法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
1. ダイレクトリクルーティング | ・直接コミュニケーションが取れる | ・企業側の工数が大きい |
2. リファラル採用 | ・候補者にある程度の信頼性がある | ・採用タイミングが選べない |
3. 人材紹介サービス | ・優秀な人材に出会いやすい | ・費用がかかる |
4. 求人広告 | ・手間がかからない | ・知名度がないと難しい |
どの方法が一番優れているというわけではありません。自社の状況やタイミングに合わせて、各手段を検討して最善の採用方法を考えていきましょう。
▼以下では、フリーランス採用サービス比較表を無料でダウンロードできます。ぜひ貴社の採用活動の参考にしてください。
フリーランスの採用におすすめの人材紹介サービス13選
最後に、フリーランス採用におすすめのサービスをご紹介します。
1. Workship|国内最大級のフリーランスマッチングサービス
▲出典:Workship
「Workship」は国内最大級の登録者数を誇るフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 登録者数:47,700人以上
- 三者間契約のため、安全に業務委託できる
- さまざまな採用手法が利用でき、最短1日で契約した事例もあり
- 人材のスキル/経歴を分析しスコア化
▼以下では、Workship登録人材の働き方調査レポートを無料でダウウンロードできます。ぜひ貴社の採用活動の参考にしてください。
2. ワークポート|全国規模の対応が持ち味
▲出典:ワークポート
ワークポートは全国の多種多様なネットワークが持ち味のエージェントです。
特徴
- 幅広いネットワークで、全国の多様な業種に対応
- 採用成功まで費用がかからない完全成果報酬型
3. リクルートエージェント|業界最大級の実績
▲出典:リクルートエージェント
リクルートエージェントは各業界に精通したアドバイザーによる手厚い対応が売りのエージェントです。
特徴
- 完全成果報酬型の料金形態
- 業界最大級の登録者数
4. quick AGENT|最短2分で紹介
▲出典:quick AGENT
quick AGENTは、デザイナーとエンジニアに特化した採用媒体です。
案件を公開してデザイナーからの応募を待つこともできますが、案件を登録すると専属のエージェントが適した人材を紹介してくれるので、比較的早めに人材が決まることも特徴です。
タイミングにもよりますが、登録からデザイナー紹介まで最短2分で進むこともあります。今すぐデザイナーを採用したい企業や即戦力を求めている企業に適した採用媒体といえるでしょう。
特徴
- デザイナーとエンジニアに特化している
- 早めに採用まで決まりやすい
5. レバテック|エンジニアとデザイナー特化
▲出典:レバテック
レバテックはエンジニアとデザイナーの採用に特化したエージェントです。
特徴
- 社員、派遣、フリーランス希望者の中からニーズに合わせてご紹介
- エンジニア、デザイナー専門のエージェント
- 採用課題から必要な人材像を整理し、求めるスキルにマッチする人材を推薦
6. ITプロパートナーズ|問い合わせから60分以内に人材紹介
▲出典:ITプロパートナーズ
ITプロパートナーズは迅速かつ丁寧な対応に定評があるエージェントです。
特徴
- 迅速かつ手厚いサポート対応
- 豊富な人材データベース
7. スタンバイ|幅広い雇用形態に対応
▲出典:スタンバイ
スタンバイは日本最大級の人材紹介サービスです。
登録しているエンジニアも多く、スキルや経験を限定して適した人材が選べます。
また、正社員や契約社員、フリーランスなどのさまざまな働き方を希望するエンジニアが登録しているので、企業がどのようなエンジニアを採用したいかによって適する働き方のエンジニアとマッチングできます。勤務地も限定できるので、通勤してもらうエンジニアを探す場合にも活用しやすい採用サイトといえるでしょう。
特徴
- 幅広い雇用形態に対応
- 勤務地を限定できる
8. SOKUDAN|Facebookとの連携で安心
▲出典:SOKUDAN
SOKUDANは面接までの時間が短く、Facebookと連携するなど、信頼性の高いフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 会社の状況にあった料金プランの提案
- 最短当日のマッチング
9. CODEAL|豊富なハイスキル人材
▲出典:CODEAL
CODEALは多くのハイスキルなデザイナーのデータベースをもつフリーランスマッチングサービスです。
特徴
- 豊富な利用実績
- 即戦力人材が多い
10. MOREWORKS|スキルからピンポイント採用
▲出典:MOREWORKS
MOREWORKSは、デジタル・クリエイティブ業界特化型の求人サイトです。
エンジニア、デザイナー、ディレクター、プロデューサーの4つの職種から人材を探せるので、エンジニア以外の人材を採用する際にも活用できます。
特徴
- デジタル/クリエイティブに特化している
- エンジニア以外にもデザイナー、ディレクター、プロデューサーを探せる
- プログラミング言語でエンジニアを指定できる
11. Crowdtech|最短3日で即戦力を契約可能
▲出典:Crowdtech
Crowdtechは、日本最大級のアウトソーシングサービスであるCrowdworksの関連サイトです。
登録しているデザイナーの数も多く、最短3日で即戦力のデザイナーと契約できます。
特徴
- 最短3日で即戦力のデザイナーを採用できる
- 掲載費用がかからないので採用コストを抑えやすい
12. green|カジュアルな転職を可能に
▲出典:green
greenはカジュアルな転職を目指した採用媒体です。
専門の人事担当者がスカウトに介入するので、応募者のスキルや希望する条件とマッチングしやすいのもgreenの特徴です。IT/WEB専門の採用媒体なので、ITエンジニアの登録が多いことも希望に近い人材と出会いやすいポイントです。
特徴
- 応募者と面談することが可能
- 希望条件と応募者のスキルがマッチしやすい
13. Midworks
▲出典:Midworks
Midworksは、IT系のフリーランスエンジニアやデザイナー専門のエージェントサービスです。
フリーランス人材と採用企業の間に立ち、双方のマッチングをサポートします。
特徴
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