リモートワークの7つの課題とは?解決方法や導入のメリットも解説
オフィスに行かずにオンラインで仕事をする「リモートワーク」をする人も増えてきました。
しかしリモートワークには課題も多く、やみくもにオンラインでの仕事を増やせば良いというわけではありません。
リモートワークが抱える7つの課題とそれぞれの解決方法、また、リモートワークを導入することで得られるメリットについて確認していきましょう。
記事の内容・結論
- 半数を超える企業において、従業員の過半数がリモートワークを行っている
- リモートワークを導入してから廃止した企業は、全体の1/4を超える
- インターネットセキュリティやコミュニケーションの希薄化、ペーパーレス化に課題はあるので、企業に合う方法でリモートワークを導入する必要がある
リモートワークとは?
リモートワークとは、オフィスではなく遠隔地で仕事をすることです。
育児や介護との両立のため家を離れられないから、オフィスから自宅が遠いからなど、リモートワークを選ぶ理由はさまざまですが、自宅やカフェ、あるいはコワーキングスペースなどといったオフィス以外の場所で働くことにより、家族と過ごせる時間が増える、生産性が上がるなど多くのメリットを享受できます。
企業側にとっても、社内の設備コストをカットできる、遠方に住んでいる優秀な人材とも一緒に働けるなど、多くのメリットがあるでしょう。
リモートワークの現状
働き方改革やコロナ禍の影響で、リモートワークを選択する人は増加傾向にあります。
具体的にはどの程度の割合でリモートワークが実施されているのか、実際の数字を確認してみましょう。
50.96%の企業は5割以上の社員がリモートワークを実施
リモートワークに対応している企業に対して、どの程度の従業員がリモートワークを行っているのか調査したところ、5~9割と答えた企業は34.42%、10割と答えた企業は16.54%でした。
つまり、全体の50.96%もの企業において、リモートワークを行っている従業員が半数以上いるということが分かります。
また、リモートワークを行っている従業員の割合は、大企業よりも中小企業においてやや多い傾向です。
リモートワークを実施する従業員の割合
割合 | 中小企業 | 大企業 | 全体 |
---|---|---|---|
1~4割 | 48.38% | 51.57% | 49.03% |
5~9割 | 31.86% | 40.52% | 34.42% |
10割 | 19.76% | 8.90% | 16.54% |
(参照:第6回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査)
中小企業の19.76%は全社員がリモートワークを実施
従業員の10割、つまりすべての社員がリモートワークを行っている企業も少なくありません。
特に中小企業においては、約2割の企業で全社員がリモートワークを行っています。つまり、実際にリモートワークを導入している中小企業のうち、約1/5の企業が全社員リモートワークの勤務体制ということです。
リモートワークを導入してから廃止した企業は26.78%
リモートワークを導入する企業は増えていますが、必ずしもすべての企業でリモートワークの働き方が合っているわけではありません。
導入してから廃止した企業も多く、リモートワークを導入した企業の26.8%が制度を廃止しています。
リモートワークを実施する従業員の割合
実施度合 | 中小企業 | 大企業 | 全体 |
---|---|---|---|
リモートワークを実施している | 48.38% | 51.57% | 49.03% |
コロナ禍を機にリモートワークを導入したが、廃止した | 31.86% | 40.52% | 34.42% |
リモートワークを導入していない | 19.76% | 8.90% | 16.54% |
(参照:第6回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査)
リモートワークの課題
コロナ対策のためにも、リモートワークに対応している企業は増えています。
しかし、リモートワーク制度を廃止した企業が多いことからも、課題も多いことがうかがえるでしょう。
実際にリモートワークを推進・実行する上で、解決すべき課題を紹介します。
リモートワークの課題7つ
- 書類のペーパーレス化が必要
- セキュリティ対策が必要
- 端末やソフトウェアなどの初期費用がかかる
- 仕事に専念できる場所がない
- チーム内でのコミュニケーションが希薄になる
- モチベーションの維持が難しい
- 人事評価が難しい
書類のペーパーレス化が必要
リモートワークを導入するのであれば、従業員が自宅から各種書類を作成できなければなりません。
つまり、仕事に必要なフォーム等は、すべてオンラインでも利用できるようにペーパーレス化を進めておく必要があります。
多岐にわたる書類すべてをペーパーレス化するのは時間がかかるもの。リモートワークを始めてからも、最初のうちは書類のためにオフィスに出向くことがあるでしょう。
セキュリティ対策
会社では一括ですべてのパソコンのセキュリティ対策ができていたとしても、自宅のパソコンはどうでしょうか。
従業員が使用するすべてのパソコンにセキュリティ対策ができていないならば、どこかのパソコンでウイルスに感染し、そのファイルを大勢で共有することで被害が広がる可能性があります。
また、通信環境のセキュリティ対策も注意が必要です。カフェや公的機関などのフリーWi-Fiを利用して仕事を行う場合、フリーWi-Fi経由で個人情報や会社の機密情報が抜き取られてしまうかもしれません。
IDやパスワードの管理も抜かりなく行い、社内の機密事項や個人情報などが外部に漏れないよう徹底しましょう。
端末やソフトウェアなどの初期費用がかかる
すべての従業員がパソコンを持っているとは限りません。また、持っていたとしても、処理能力が十分とは限らないでしょう。
業務に必要なソフトウェアを利用できないこともあるので、場合によっては会社からパソコンやタブレットを支給する必要があります。
また、自宅にデバイスやインターネット環境が整っていない場合には、導入費を補助しなければなりません。
仕事に専念できる場所がない
自宅には仕事に専念できるような場所がない、という社員も当然います。
セキュリティ対策の観点からも屋外のフリーWi-Fiをつかうことは好ましくないので、できれば自宅にワーキングスペースを用意したいですが、家が狭い、家族もリモートワークをしているなどの事情により自宅での仕事が難しいケースは少なくありません。
どうしても自宅での仕事が難しい従業員には、自宅で仕事がしやすいように設備費用を提供するなど、さまざまな配慮が必要になることもあるでしょう。
チーム内でのコミュニケーションが希薄になる
Zoomなどのオンライン会議アプリを使えば、対面でなくともチーム内で話し合って仕事を進めていくことも可能です。
しかし、雑談などのちょっとした会話はわざわざアプリを使ってまで行わないため、徐々にコミュニケーションが希薄になっていくでしょう。
雑談からアイデアが生まれたり、チームの結束力が強くなったりすることもあるので、雑談しなくなるということが業務全体にマイナスの影響を及ぼす可能性もあります。
モチベーションの維持が難しい
リモートワークでは、基本的には毎日一人でパソコンに向かって作業を行います。
1日、2日程度は楽しく仕事を行えたとしても、なかなかモチベーションを保つことは難しく、徐々に仕事をさぼってしまうことにもなりかねません。
人事評価が難しい
本来、人事評価には、仕事の成果だけでなく勤務態度や他の社員へのサポートといったものも含まれます。
しかしリモートワークでは、勤務態度が良いのかどうかが分かりにくく、他の社員をサポートしているのかどうかも見えづらいため、単純な成果だけで評価をすることになります。
作業が早い社員にとっては評価向上につながりますが、今まで成果以外のポイントで評価されてきた社員にとっては評価の低下、ひいては給料低下につながることもあるでしょう。
リモートワークの課題を解決する方法
リモートワークにおける課題は少なくありませんが、一方ですぐに解決可能な問題もあります。
早急に解決可能な課題とその解決策を確認していきましょう。
課題 | 解決策 |
---|---|
書籍のペーパーレス化が必要 | FAXやスキャンを利用する |
セキュリティ対策が必要 |
|
チーム内でのコミュニケーションが 希薄になる | 通勤日を設ける |
モチベーションの維持が難しい |
セキュリティの課題に対する解決方法
従業員のパソコンやインターネット環境、また、IDやパスワードの管理などにセキュリティ対策ができていないと、情報漏洩につながり、会社の社会的信用度が著しく落ちる可能性があります。
以下の3つのポイントを参考に、セキュリティ強化を進めましょう。
最新のOSにアップデートして使用する
常にOSを最新の状態にすることで、ウイルスに感染するリスクを抑えることができます。
OSが自動的にアップデートされるように設定しておけば、常に最新の状態をキープできるでしょう。
なお、すべてのOSが自動的にアップデートできるわけではありません。サポートが終了しているものについてはアップデートされないため、ウイルスの脅威にさらされやすくなります。
サポートが終了しているOSを利用している場合には、OSごと変更し、自動アップデートを設定するようにしてください。
ウイルス対策のソフトをインストールする
OSを最新の状態にするだけでは、ウイルスの感染リスクを完全に抑えることはできません。
ウイルス対策用のソフトウェアをインストールし、徹底的にリスクを排除するようにしましょう。
ウイルス対策のソフトウェアは、自動でアップデートされるものを選ぶのがポイント。ウイルスも日々進化しているので、ウイルス対策も常に最新の状態に保てるように備える必要があります。
フリーWi-Fiでは重要な情報のやり取りを行わない
個人情報や会社の機密情報の漏洩を防ぐためにも、フリーWi-Fiの利用はおすすめできません。
家庭用のWi-Fiあるいは有線LANを用いて、インターネットにアクセスするようにしましょう。
外出先などでどうしてもフリーWi-Fiを利用しなくてはならない状況のときは、顧客情報などの重要なやり取りは行わないようにしてください。
また、情報共有システムはオフにし、情報漏洩する可能性をできるだけ低くするように配慮しましょう。
コミュニケーションの希薄化やモチベーション低下の解決方法|通勤日を設ける
モチベーションを保つため、また、チーム内のコミュニケーションを取るためにも、定期的に通勤日を設けることをおすすめします。
週に1回でも通勤することで仕事に張り合いが出て、チーム内の結束を維持することができるでしょう。
また、ペーパーレス化が進んでいないケースにおいても、通勤日を設けることで課題を解決できることがあります。
ペーパーレス化への解決方法|FAXやスキャンの利用
すべてのフォームがペーパーレス化できていない場合は、オンラインを通した書類提出が困難です。しかし、FAXも併用するならば、紙のフォームのまま書類を提出できるでしょう。
リモートワークにともなって全てを一気にオンライン化するのではなく、FAXやスキャナーといった既存のツールを併用していくことも検討するべきです。
なお、家庭にFAXがない場合は、コンビニや印刷所などの有料FAXを利用することもできます。
まとめ
コロナ禍により、日本のリモートワーク化は急速に進んできました。実際に、リモートワークを実施している中小企業の約1/5がすべての業務をリモート化しています。
リモートワークを実施する上では、インターネットセキュリティやペーパーレス化、従業員のモチベーションの維持などの課題はありますが、いずれも解決不可能な問題ではありません。
必要に応じて対策を実行し、課題解決に向けて環境を整えていきましょう。
リモートワークへの移行に際して、優れた人材を探している場合には、ぜひWorkshipにご相談ください。
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