リモートワークの勤怠管理はどうする?課題と利用可能なサービスを紹介
リモートワークを推進していく上で、社員の勤怠管理をどうするかという問題が発生します。
例えば、長時間労働を防ぐためにどのように勤務時間を管理するか、従業員の評価はどう行うか、また、コミュニケーション不足はどう解消するかなどが課題として浮上するでしょう。
本記事では、起こり得る課題には何があるか、勤怠管理を行う上で利用可能なサービスについて解説します。
記事の内容・結論
- リモートワークが推進されることで、従業員の労働時間や労働の質をどう管理するかという問題が生じている
- 従来、人事評価の対象とされていた、他の従業員へのサポートやチームへの協力などを評価することが難しくなっているため、評価基準をどうするかといった課題も生じている
- リモートワークに活用できる勤怠管理システムを導入することで、従業員の労働時間などを管理できることがある
リモートワークの推進で起こり得る勤怠管理の課題
リモートワークが推進されているのにはさまざまな背景がありますが、パソコンを使ってリモートワーク可能な仕事が増えたことは、リモートワーク化が進む原因の1つです。
例えば、エンジニアや事務作業などの仕事の場合、セキュリティ対策の万全なネットワーク環境が整っていれば、オフィスに行かなくとも自宅やコワーキングスペースなどで仕事を進められます。
場所に縛られず仕事ができることにより、通勤に対する負担が減って、働きやすくなったと感じている人は大勢いるでしょう。
しかし、リモートワークを推進することで、新たな課題も生じています。
特に雇用する側は、以下のような課題に頭を悩ませていることが少なくありません。
- 従業員の労働時間をどう管理するか
- 従業員の労働の質をどう管理するか
- どのような評価制度を構築するか
- コミュニケーション不足をどう解決するか
従業員の労働時間をどう管理するか
毎日オフィスに出向くわけではないため、従業員の労働時間を把握しづらいという問題があります。
時間を自由に使えるため、仕事に対するモチベーションが低下し、通勤時と比べて明らかに業務時間が短くなる社員もいるでしょう。
反対に、成果を出すためについ長時間労働になってしまう従業員もいます。
従業員の健康を守りつつ規則正しく働いてもらうために、リモートワークであっても勤怠管理を徹底する必要があるといえるでしょう。
従業員の労働の質をどう管理するか
スマートフォンやパソコンのブラウザ上で利用できるクラウド型勤怠管理システムを導入すれば、従業員の労働時間を管理することは可能です。しかし、労働の質までは管理できません。
成果物が出にくい作業の場合は、なおさら労働の質の管理が必要になるもの。カメラを使って労働状況を管理することもできないわけではありませんが、プライバシーを侵害する恐れもあり、従業員からの反発を招く可能性があるでしょう。
プライバシーを侵害せずに労働の質を管理する方法については、各企業が克服しなくてはいけない課題と考えられます。
どのような評価制度を構築するか
今までであれば、他の従業員をサポートすることやチームワーク向上のための努力なども評価につなげることができましたが、リモートワークになったことで、成果物だけで仕事を評価することになりがちです。
しかし、成果物だけで仕事を評価するのは偏りがあるため、リモートワーク用の新しい評価制度を構築しなければなりません。
どのような評価制度であれば偏りが少なく、なおかつ不公平感が少ないか、各企業の実情を反映しながら試行錯誤する必要があるでしょう。
コミュニケーション不足をどう解決するか
リモートワークでも、Zoomなどのアプリを活用すれば会議を行うことができます。
しかし、会議以外の雑談などがなくなることで、チームワークが保ちづらくなり、複数で担当する業務が進めづらくなるというデメリットもあるでしょう。
適度の雑談は、疲れた脳をリフレッシュしたり、新しいアイデアのヒントになったりといったメリットがあるので、コミュニケーションの減少は企業にとってプラスとは言えません。
ビジネスチャットツールなどの導入や、定期的な出勤日の設定なども検討すべき問題です。
リモートワークにおける勤怠管理システム|4つの便利な機能
労働の質管理は困難ですが、労働時間の管理は実現可能です。
リモートワークの労働時間をチェックするために、勤怠管理システムをの導入を検討してみましょう。
提供する業者によって異なりますが、勤怠管理システムには次のような機能がついていることが一般的です。
- 打刻機能
- 申請機能
- 業務集計機能
- 勤務管理機能
打刻機能
勤怠管理システムには、いつから働きいつ仕事を終えたか記録する打刻機能がついています。打刻の方法は、生体認証やパソコン経由、スマートフォン経由などさまざまです。
また、GPSを活用することにより、特定の場所から離れたところでは打刻ができないようにになっているシステムも。例えば旅行に出かけているのに打刻するといった不正を未然に防止できます。
申請機能
例えば残業や休日出勤を行ったときには、然るべき申請をして時間外労働の記録を残しておかなくてはいけません。
勤怠管理システムでは申請機能もついているので、残業や休日出勤、有給の申請なども自宅から行えるようになります。
業務集計機能
勤怠管理システムの中には、業務を管理し、集計する機能がついているものもあります。
どの業務まで終わっているのか、それぞれの締め切りはいつなのかなどを管理できるので、従業員は一人で作業をしていても期日内に業務を完了しやすくなるでしょう。
勤務管理機能
合計勤務時間を管理する機能もついています。
残業時間などもカウントし、システムによっては給与計算まで行うので、人事の業務負担を軽減することにもつながるでしょう。
リモートワークで勤怠管理システムを導入するメリット
リモートワーク化を進めるにあたって、勤怠管理システムを導入することにはさまざまなメリットがあります。
特に次の4つは、勤怠管理システムを導入することで得られる大きなメリットといえるでしょう。
- 勤務時間を正確に把握できる
- 不正を防止しやすい
- コストの削減につながる
- 他のサービスと連携して業務を効率化できる
勤務時間を正確に把握できる
勤怠管理システムを導入することで、従業員の勤務時間を正確に把握できるようになります。
超過勤務にならないように管理することは、法令順守のためにも不可欠なこと。リモートワークであっても、システムを導入しておけば働きすぎを防止できるでしょう。
不正を防止しやすい
手作業でタイムカードを記録する場合は、間違いが生じやすいだけでなく、場合によっては不正を働く従業員もいるかもしれません。
しかし、勤怠管理システムを導入することで、指紋認証や特定のパソコン、スマートフォンなどを使って打刻をすれば、不正しにくく、より正確に勤務管理を行えるようになるでしょう。
コストの削減につながる
タイムカードを使わないことでペーパーレス化が促進され、コスト削減にもつながります。
また、残業時間や休日出勤の報告書類作成にかかっていた時間も削減でき、業務効率が上がるでしょう。
勤怠管理から給与計算まで一貫して対応する勤怠管理システムであれば、給与計算にかかる労働を削減し、人件費の縮小も期待できます。
他のサービスと連携して業務を効率化できる
オンラインで勤怠管理を行うことで、他のオンラインサービスと連携しやすくなり、業務を効率化することもできます。
勤怠管理システムによっては、ワークフローや労務管理を行うオンラインサービスと連携させることも可能です。
リモートワークで勤怠管理システムを導入する際の注意点
リモートワークを推進するにあたって、勤怠管理システムさえ導入すれば従業員の管理がうまくいくというわけではありません。
勤怠管理システムを導入する際には、次の3つのポイントに留意するようにしましょう。
- 自社の勤務体系に対応しているか
- コストに見合った機能があるかどうか
- サポートを受けられるかどうか
自社の勤務体系に対応しているか
リモートワークといっても、企業によって取り組み方が異なります。
9時始業5時終業のスタイルで業務にあたる企業もありますが、成果物の質と量が担保されるなら就業時間にこだわらないという企業もあるでしょう。
また、フレックスタイム制を導入し、始業時間や終業時間を選択できる企業もあります。
勤怠管理システムを導入する際には、自社の勤務体系に対応しているシステムなのか忘れずに確認するべきです。
コストに見合った機能があるかどうか
勤怠管理システムを導入するには、初期費用や毎月の利用料金、メンテナンス費用などがかかります。
しかし、高額なシステムであれば機能が優れているというわけではありません。勤怠管理システムを選ぶ際には、コストに見合った機能がついているか必ずチェックするようにしてください。
また、コスト的に納得できる機能がついていても、使わない機能であれば費用の無駄となってしまいます。必要な機能が揃っているかだけでなく、自社が使わない機能ばかりではないか最低限チェックしておきましょう。
サポートを受けられるかどうか
勤怠管理システムを利用する際に、トラブルが発生することも想定されます。万が一のときにサポートを受けられるのかについても確認しておきましょう。
また、毎日の業務管理に関わることなので、サポートが迅速に提供されるかについてもチェックしてください。
勤怠管理システムを3例紹介
リモートワークに活用できる勤怠管理システムを紹介します。
それぞれの特徴や料金についてまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
マネーフォワード クラウド勤怠
「マネーフォワード クラウド勤怠」は、勤怠管理から給与計算までワンストップで行える勤怠管理システムです。
基本勤務制やフレックス制、シフト制などのさまざまな勤務形態に対応しているので、正社員以外の管理も行えます。
また、ワークフロー管理や異動管理機能もついているので、組織の変更があるときにも柔軟に対応可能です。
項目 | スモールビジネスプラン | ビジネスプラン |
---|---|---|
月額料金 | 3,980円 | 5,980円 |
ログイン可能人数 | 3人まで | 3人まで |
- ※年間で支払うと毎月の料金は上記よりも安価になります。
- ※2021年7月現在。料金は税抜表示です。
KING OF TIME
「KING OF TIME」は、顔認証や指紋認証、スマートフォンなどのさまざまな方法で打刻が行える勤怠管理システムです。
スケジュール管理やシフト管理機能もついているので、従業員の管理がシンプルになります。
また、月の残業時間が30時間を超えるとアラートが鳴るシステムもあり、超過勤務の抑制にも役立つでしょう。
初期費用 | 0円 |
月額料金 | 300円/人 |
※2021年7月現在。料金は税抜表示です。
スマレジ・タイムカード
「スマレジ・タイムカード」は、打刻管理から休暇管理、給与管理までワンストップで行える勤怠管理システムです。
サービスによっては、年末調整やマイナンバー管理なども行えるので、人事にかかる労務を大幅に削減できます。
プレミアム以上のサービスでは、有給休暇の取得義務化にも対応しています。
料金 | スタンダード | プレミアム | エンタープライズ |
---|---|---|---|
基本料金 | 30人までは無料 | 10人までは2,200円 | 10人までは6,600円 |
超過料金 | 1人あたり110円 | 1人あたり330円 | 1人あたり660円 |
※2021年7月現在。料金は税抜表示です。
まとめ
勤怠管理システムを活用すれば、リモートワークにおいても勤怠管理をしやすくなります。
勤務時間から給与管理までワンストップで行える勤怠管理システムも多いので、業務削減にもつながるでしょう。
また、もしもリモートワークに対応する人材でお悩みならWorkshipにご相談ください。
Workshipは、フリーランスと企業とをつなげる人材マッチングサービスです。エンジニアをはじめさまざまな職種のフリーランスが登録しており、その数は30,000人を超えています。
企業側は募集の掲示だけでなく候補者へのスカウトも可能なので、リモートワーク対応の従業員をお探しの場合や、才能ある従業員を積極的に採用していきたいという場合には、ぜひこちらより資料をご覧ください。