トランジション採用とは?業務委託か正社員か迷う採用担当者に向けて採用方法の特徴やステップ、注意点を解説
多くの業界や企業でIT人材の確保が難しくなっている現在、「トランジション採用」が注目を集めています。
トランジション採用とは、フリーランスや業務委託として働く人材を、正社員として登用する採用手法です。
トランジション採用は、企業にとってスキルや適性を見極めた上での採用ができる、求職者にとっては職場環境や業務内容を理解してから正社員として働ける魅力がある採用といえるでしょう。
本記事では、トランジション採用の需要が高まっている理由や利用するメリット、具体的な採用ステップや注意点を詳しく解説します。
記事の後半では、トランジション採用を成功させるためのおすすめサービスも紹介していますので、優秀なIT人材を確保したい採用担当者の方はぜひ参考にしてください。
そもそもトランジション採用とは?
そもそもトランジション採用という言葉を初めて聞いた、という人もいるでしょう。
まずは「トランジション」という言葉に分けて説明します。
トランジション(transition)とは、「移行」や「変化」などの意味があります。
キャリアにおけるトランジションとは、今の段階から次の段階へと移り変わることを指し、人事異動や役職の昇格などを表す言葉と捉えることも可能です。
トランジションという言葉の意味を使ってできた「トランジション採用」は、フリーランスや業務委託で働く人材を、一定期間の契約後に正社員へ移行する採用手法を指します。
通常の正社員採用では、履歴書や面接だけで適性を判断するため、入社後のミスマッチが発生しやすいデメリットがあります。
しかしトランジション採用では、まず業務委託として採用し、スキルや社風との適合度を確認した後に正式採用するため、ミスマッチを減らせます。
トランジション採用は、企業と求職者の双方にメリットがある新しい採用手法としてこれからも注目されていくでしょう。
フリーランスから正社員へのトランジション採用が重要視される3つの理由
特にIT人材の採用手法として、トランジション採用が注目されています。
ここからは、フリーランスから正社員へのトランジション採用が重要視される3つの理由を解説します。
優秀な人材をスピーディに育成できるから
人材の定着を促進できるから
潜在層とつながり組織を活性化できるから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
優秀な人材をスピーディに育成できるから
トランジション採用を活用すれば、即戦力の人材をスピーディに育成し、戦力化できます。
一般的な新卒・中途採用では、新人研修やOJTなど組織との相性を把握する・馴染む作業に時間とコストがかかります。
しかしトランジション採用では、すでに同じプロジェクトに参加しているフリーランスを採用するため、必要な業務を経験・把握している即戦力として活躍しやすいということ。
即戦力として正社員を確保できれば、正社員登用後すぐに必要な役職を与えることも容易でしょう。
育成に時間をかけず、短期間で優秀な人材を戦力化できる点は、トランジション採用の大きなメリットです。
人材の定着を促進できるから
トランジション採用を活用することで、ミスマッチによる離職者を減らし人材の定着を促進できるでしょう。
厚生労働省の調査によると、離職率の割合は令和2年から男女ともに増加傾向にあります。
引用:[令和5年雇用動向調査結果の概要]
さらに株式会社マイナビが行った調査では、早期退職者が「想定していた仕事じゃなかった」「職場の雰囲気が良くなかった」など入社前に判断しにくい条件によって退職していることがわかりました。
引用:[正社員のワークライフ・インテグレーション調査2024年版(2023年実績)]
実際の業務で組織との相性を把握してから正社員登用をするトランジション採用であれば、採用後の早期退職やミスマッチを防げるでしょう。
潜在層とつながり組織を活性化できるから
業務委託契約を通じてフリーランスとの繋がりを持つことで、企業は将来的な採用候補者(潜在層)との接点を作ることができます。
採用活動では、求職者との接点が「応募後」に限定されているため、応募に来た求職者の中から自社に合う人材を探す必要があります。
自社に興味がある人材を集める点ではメリットですが、母数が小さくなることで自社と本当に相性の良い人材を取りこぼしてしまうリスクもあるでしょう。
しかしトランジション採用では、まずはエージェントサイトなどで仕事をしたい人材を企業側からオファーすることが可能です。
実際にフリーランスとして業務委託関係を築き、仕事をするうえで相性を検討することができるため、優秀な人材を発掘しやすくなります。
結果的に正社員登用に繋がらなかったとしても、フリーランスとのネットワークを広げることで、将来的な採用候補者を確保しやすくなり、企業の組織活性化にもつながるでしょう。
トランジション採用の3ステップを詳しく解説
トランジション採用は、以下の3つのステップを経て進める必要があります。
ステップ1|業務委託契約
ステップ2|契約の更新
ステップ3|正社員登用
業務委託契約で人材とマッチングするには、フリーランス専門の採用サービスやエージェントを活用するのがおすすめです。
実際に仕事をするうえで、必要に応じて契約の更新をしたり、正社員登用を打診する流れでトランジション採用が進められます。
ポイントなのは、いきなり正社員登用をするわけではないということです。
なぜならトランジション採用は、業務委託としてスキルや働きやすさを把握した後に、正社員として働かないかを打診することで実現する採用方法だからです。
あくまでも業務委託契約を結んだ結果、自社との相性が良さそうだと判断できたため正社員登用を進めた、という流れがなければ、偽装請負と判断されるリスクもあります。
トランジション採用に関してより詳しく情報を知りたい人はこちらのサービスをご検討ください。
https://enterprise.goworkship.com/
トランジション採用で注意すべきポイント
トランジション採用は、魅力が多い一方で注意点もあります。
ここでは採用企業が注意すべき、トランジション採用のポイントを3つ紹介します。
組織のメンバーの一員として関わる
雇用形態のすり合わせを行う
契約切り替えの手続きを理解しておく
それぞれ詳しく見ていきましょう。
組織のメンバーの一員として関わる
トランジション採用を進める場合は、業務委託契約としてフリーランスを雇った段階から、「外注」という考え方はなくすことが大切です。
実際の正社員と同じようにチームに関与できる環境を徐々に増やしていくことで、正社員登用後もスムーズに仕事を進められるからです。
フリーランスはプロジェクトごとなど短期的な業務を担当することが多いため、企業やチームの雰囲気に馴染みにくい傾向があります。
トランジション採用を成功させるには、業務委託期間中から「社内メンバーの一員」として働ける環境を整えることが大切です。
具体的に対策できるポイントは以下のとおりです。
社内のチームミーティングへの参加
社内イベントへの参加
チームのディレクションが必要になるポジションに設置
業務委託契約中も社内メンバーと連携する機会を増やし、チームメンバーとの意思疎通をしやすくしておく・社内での居場所を作っておくことで、採用後の不安を解消し、トランジション採用を成功させられるでしょう。
雇用形態のすり合わせを行う
トランジション採用を成功させるには、業務委託契約の段階から、将来的な雇用形態についてフリーランス側と話し合うことが大切です。
なぜならフリーランスには、「自由な働き方を続けたい」と考える人もいれば、「安定した雇用を望む」人もいるからです。
企業側の意向とフリーランス側の希望が一致しないと、契約更新や正社員登用の際にトラブルが発生する可能性があります。
おすすめの方法は業務委託契約を締結する段階で、企業の意向や正社員登用の可能性について明確に伝えておくことです。
先に伝えておくことで、フリーランス側は正社員登用の可能性があることを踏まえて仕事内容や企業との関わりを確認しながら仕事ができます。
覚えておくべき点は、フリーランスと企業はあくまでも対等な関係ということ。
双方が歩み寄り、お互いの意向を伝えておくことで雇用形態のミスマッチを防げるでしょう。
契約切り替えの手続きを理解しておく
当たり前ではありますが、業務委託から正社員へ切り替える際には、契約内容の変更が必須です。
なぜならフリーランスと正社員では、契約内容・給与体系・福利厚生・税制などが大きく異なるからです。
たとえば正社員登用のはずが、社会保険などの切り替えに不備があれば、フリーランス側が不利益を被るリスクがあり、トラブルにつながることもあります。
契約の切り替えに伴う手続きや法的な要件を事前に把握することで、スムーズに採用を進められるでしょう。
\業務委託契約に必要な4種の書類、知っていますか?/
そもそも業務委託契約に必要な契約書などの情報も知りたい!という人は、こちらの資料を参考にしてください。
https://enterprise.goworkship.com/material/15
フリーランスから正社員への切り替えに関するより詳しい資料はこちらから
https://enterprise.goworkship.com/material/36
Workshipができるトランジション採用のサポート
ここまでの情報から、自社でもトランジション採用を進めたいと考える方は、Workshipを活用するのがおすすめです。
Workshipとは株式会社GIGが運営するフリーランス・副業人材採用サービスです。
ここからはWorkshipができるトランジション採用のサポートを3つに分けて解説します。
業務契約の切り替えサポート
正社員・フリーランス目的問わず候補者数が豊富
業務契約や採用に関する豊富なノウハウ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
業務契約の切り替えサポート
Workshipでは、企業とフリーランス人材の間にWorkshipが入る三者間契約をとっています。
そのため、契約内容を変更する場合も三者間契約に伴ってWorkshipのサポートを受けられます。
契約書の作成や契約内容の確認など、採用のプロからのサポートが入ることで、抜け漏れを防げるでしょう。
さらに、企業の担当者がフリーランス人材を正社員として登用したいと思ったタイミングでWorkshipに相談すれば、仲介に入っているスタッフからフリーランス人材に意思確認を行うことも可能です。
契約周りは特に慎重に進める必要がある項目ですが、サポートがあることでスムーズに進められるでしょう。
正社員・フリーランス目的問わず候補者数が豊富
Workshipは、登録者数が豊富なことから、多くの潜在層とのつながりが持てる点も魅力です。
2025年2月現在、Workshipには54,000人以上のフリーランスが登録しています。
データベースにはフィルタリング機能もついているため、トランジション採用を検討する企業であれば、採用時点で企業に所属していないフリーランスから選ぶことも可能。
検索条件の例は以下のとおりです。
職種
地域
スキル
働き方
報酬額
雇用形態
さらには求人掲載もできるため、自社に興味を持った人材を集めることも並行して進められます。
トランジション採用を目的とする以前に、人材不足の対応としてフリーランス人材が欲しい際にも役立つでしょう。
業務契約や採用に関する豊富なノウハウ
Workshipでは、業務契約などに関するサポートを受けられるだけでなく、自社に必要な採用ノウハウを学ぶこともできます。
Workshipの公式サイトでは、お役立ち資料として採用や業務委託、職種ごとの特徴などをまとめた資料を掲載しています。
任せっきりにするのは怖い、自社でもスキルをつけておきたいという方は、まず資料を使って基礎知識をつけていくのもおすすめです。
\自社に必要なノウハウを知りたい方はこちらから/
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まとめ
今回は、トランジション採用について、概要や必要とされている理由、具体的な採用ステップや注意点を紹介しました。
トランジション採用は、現時点では複数のプロジェクトを業務委託として進めているフリーランス人材を、正社員として採用する方法です。
トランジション採用は、フリーランス人材にとっては実際に仕事をしている会社の正社員として働けるメリットにもなり、企業側にとっては優秀な人材をスピーディーに確保できるメリットがあります。
実際に正社員として採用する際は、双方の同意のうえ契約方法の更新や条件のすり合わせを行う必要があるため、企業側の準備が必須です。
採用手順が分からない、そもそもどうやってフリーランス人材に出会うのか、などの疑問がある採用担当者は、Workshipにご相談ください。
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