副業・業務委託人材の採用ノウハウ

リファラル採用で転職人材を確保!企業・転職人材側のメリット・デメリットやリファラル採用の進め方を解説

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リファラル採用とは、従業員の友人や知人を紹介してもらい、採用につなげていく手法です。応募者の母集団形成の新たな手法として注目を高めており、企業側には採用コストの削減やマッチング精度の向上など、さまざまなメリットがあります。


本記事では、リファラル採用とは何かをふまえ、企業の実施状況や企業側・転職人材側のメリット・デメリット、リファラル採用の進め方について解説していきます。


リファラル採用とは

リファラル採用とは、従業員の友人や知人を紹介・推薦してもらう採用手法です。


いわゆる「コネ」を利用した採用手法ですが、紹介・推薦以降は通常の選考を行い、自社の採用条件や求める人物像にマッチするかを見極めます。そのため、候補者は不採用になる可能性もある点に注意が必要です。


この点は、縁故採用との大きな違いでもあります。縁故採用もリファラル採用と同様に従業員の紹介を前提とした採用手法です。しかし、縁故採用は選考は通さず、基本的には採用となります。


リファラル採用で転職人材を確保する企業は増えている

労働市場の縮小・変化に伴い採用候補者の母集団形成が難しくなったこともあり、近年リファラル採用を導入する企業が増加傾向にあります。

株式会社TalentXが実施した調査によると、2023年のリファラル採用の導入率は62.0%でした。2018年に実施した同調査と比較すると、5年間で20.3%も導入企業が増加しています。

企業がリファラル採用を実施する背景

同調査では、企業がリファラル採用を実施する理由についても調査しています。その回答結果は、下記のとおりです。

・新規チャネル開拓 による応募数拡大

・優秀な候補者の獲得や決定率向上

・採用工数の削減、効率的な採用

・採用単価の削減、採用コストの低減

・リテンション/エンゲージメント

引用:リファラル採用の実施状況に関する 企業規模・業界別統計レポート【最新版】

さまざまな業種で実施されているリファラル採用ですが、その実施理由として多かったのが転職潜在層をはじめとした新規応募者の母集団形成でした。

リファラル採用は転職市場にはいない、転職潜在層にもアプローチできる点が大きなメリットです。

この点は、後ほどリファラル採用を実施するメリットとして詳しく解説します。

リファラル採用を実施していない理由

一方、現在リファラル採用を実施していない企業の理由として多かったのが、以下2つです。

・導入、運用に工数がかかりそうだったから

・制度設計の難易度が高いと思ったから

引用:リファラル採用の実施状況に関する 企業規模・業界別統計レポート【最新版】

なお、2018年の調査での理由は以下のような内容となっています。

・始め方がわからない

・メリットを知らない

・導入、運用に工数がかかりそうだったから

・制度設計の難易度が高いと思ったから

引用:リファラル採用の実施状況に関する 企業規模・業界別統計レポート【最新版】

5年前の回答と比較すると、現在はリファラル採用のメリットや始め方はある程度理解できていることがうかがえます。その上で、導入や運用の工数確保や制度設計に懸念があり、実施に至っていないと考えられます。

企業がリファラル採用で転職人材を確保するメリット

多くの企業がリファラル採用の導入を進めている中、まだ実施を検討中の企業も少なくありません。

なかには、まだリファラル採用のメリットを十分に押さえられていないことで実施を決められない企業も多いでしょう。

ここでは、企業がリファラル採用で転職人材を確保するメリットを詳しくみていきます。

採用コストが削減できる

リファラル採用では従業員の紹介によって候補者を獲得できます。通常の採用活動では求人広告の掲載や人材紹介サービスなどといったコストがかかりますが、リファラル採用にはこうした外部コストがかかりません。

かかる費用として、紹介者へのインセンティブや採用活動費がありますが、広告費用やサービス利用料に比べると低コストで済むケースが多いです。

かつ、費用の発生は紹介時や採用活動時の一時的なものであるため、ランニングコストがかからない点でもコスト削減につながります。

ミスマッチの防止につながる

現場で実際に働く従業員が自社について説明するため、実態に即したコミュニケーションが可能となります。

そのため、入社後のミスマッチが起こりにくく、早期離職を防ぎやすい点はリファラル採用のメリットです。

また、従業員の友人となると価値観が近い可能性が高く、社風やカルチャーにも馴染みやすい傾向にあります。

転職潜在層へリーチできる

転職サイトや人材紹介サービスを通した採用活動では、基本的に転職顕在層にしかリーチできません。

しかし、リファラル採用では「従業員の友人・知人」という枠になるため、まだ転職サイトに登録していなかったり、他社からアプローチをかけられていなかったりする転職潜在層に出会える可能性が高まります。

独自のルートで母集団を形成でき、まだ転職市場には現れていない優秀な人材に出会えるチャンスも広がるでしょう。

従業員エンゲージメントの向上に期待できる

リファラル採用を通して、従業員エンゲージメントの向上にも期待できます。

リファラル採用を成功させるには、従業員が自社の理念やビジョン、強みなどを深く理解している必要があります。

リファラル採用をきっかけに従業員が自社への理解を深める機会が得られ、さらには候補者に自社のことを自分の言葉で話すことで、自社の良い面を再認識できるようになります。

自社への理解や魅力が再認識できることで、帰属意識やエンゲージメントが高まる効果に期待できるでしょう。

企業がリファラル採用で転職人材を確保するデメリット

一方、リファラル採用で転職人材を確保することは、以下のようなデメリットもあります。

採用が長期化しやすい

転職潜在層にもリーチできる点はリファラル採用のメリットである一方、採用が長期化しやすくなる点はデメリットです。

紹介してもすぐには選考に進まなかったり、内定を出してもすぐに退職できなかったりするケースも珍しくありません。

転職潜在層はタレントプールとして確保しておき、いざ転職を検討するとなったタイミングで自社を選択肢に入れてもらえるよう定期的にコンタクトを取ることがポイントです。

紹介者と候補者の関係性に配慮が必要になる

リファラル採用は、候補者が採用で有利になるといった制度ではありません。不採用になるケースもあるため、その際は紹介者と候補者の双方にフォローが必要です。

また、実際に入社した際も、紹介した側と紹介された側で評価基準が異なり、一方のモチベーションが下がってしまったりしないよう注意しましょう。

そして、一方が退職の選択をすると、もう一方も同じ選択を取る可能性もあるため、人間関係がマイナス面でも影響する点について理解と配慮が必要となります。

多様性が失われるリスクがある

ミスマッチが軽減できる一方で、似たような価値観を持つ人材が集まりやすくなります。リファラル採用での採用率が高い場合、定期的に人材に偏りが生じていないかをチェックすることが必要です。

価値観が一致していることは組織力を高める反面、イノベーションが生まれにくくなる側面もあります。

現代は、ビジネスにおいても多様性が重要です。人材の同質化を防ぐためにも、さまざまな採用チャネルを活用し、多様な人材をバランスよく採用することを意識しましょう。

リファラル採用で転職活動するメリット

では、リファラル採用は転職人材にとってもメリットがある制度です。企業側は、リファラル採用が転職人材にどういったメリットがあるのかも理解しておくと良いでしょう。

・入社後のギャップが生じにくい

・リファラル採用独自の採用フローで転職活動を短期化できる

・入社後に馴染みやすい

・採用率が高い

やはり、大きなメリットは入社後のギャップの少なさやや安心感です。

実際に働いている従業員から実態に即した情報を入手できるため、入社後をイメージしやすく、給与や休暇などの疑問点に対してもリアルな回答が得られます。

さらに、友人や知り合いがいる会社であれば精神的な安心感もあり、入社後も馴染みやすいでしょう。

そして、リファラル採用では従業員の紹介ということで候補者に対して一定の保証があるため、選考にも通りやすい点は転職人材側にとってもメリットです。企業によってはリファラル採用独自の採用フローを用意しており、選考もスムーズに進みます。

リファラル採用で転職活動するデメリット

一方、転職人材側には、以下のようなデメリットもあります。

・不採用になる可能性もある

・他社との比較がしにくい

・紹介者と気まずくなる場合もある

リファラル採用だからと、必ずしも採用されるとは限りません。あくまで候補者の母集団形成の段階で紹介という手段を利用するのであり、その後の選考は企業の採用基準に基づいておこなわれます。

不採用になってしまうと紹介者と候補者が気まずくなってしまったり、企業の対応が悪かったことで双方が企業に対してネガティブな感情を抱くおそれもあるでしょう。

企業側は紹介者と候補者の関係性を尊重し、慎重に選考を進めていくことが求められます。

リファラル採用の進め方|転職人材を確保するためにやるべきこと

リファラル採用で転職人材を確保するためには、以下のようなポイントにも力を入れることが大切です。

従業員のエンゲージメントを高める

リファラル採用は、従業員エンゲージメントが高い状態でないとうまく活用できません。なぜなら、従業員のエンゲージメントが高くないと、自社を紹介するという行動に至らないからです。

リファラル採用を導入するにあたって、まずは従業員のエンゲージメントを調査する必要があります。導入後も引き続き従業員エンゲージメントの向上に取り組むことが、リファラル採用の活性化につながります。

報酬制度を設計する

リファラル採用を推進する上で、紹介者となる従業員への報酬制度も重要です。必ずしも必要というわけではありませんが、報酬制度があることで従業員がリファラル採用に取り組むモチベーションが高まります。

報酬は金銭で支給するケースも、休暇や旅行の提供など非金銭的報酬を支給するケースもみられます。金銭の場合、報酬相場は1〜30万円とさまざまです。報酬額は自社の採用単価や採用者のレベル、紹介人数などに応じて決めると良いでしょう。

社内に制度を認知・浸透させる

リファラル採用を導入しても、従業員がその存在を知らなければ協力は得られません。制度設計が完了したら、社内への周知を徹底し、定期的なリマインドによって浸透させることが必要です。

募集ポジションや採用基準、採用フローを明確にし、リファラル採用に関する情報をオープンにするなどして、従業員がリファラル採用に参加しやすい仕組みを作りましょう。

まとめ

リファラル採用は、転職人材を確保する新たな手法として導入が進んでいます。企業と転職人材、双方に通常の採用活動では得られないメリットがありますが、一方でデメリットや注意点もあります。

まずは、企業側がリファラル採用に取り組む体制を構築することが必要です。その上で、従業員を巻き込み、二人三脚で取り組んでいくことがリファラル採用の成功につながります。

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