副業・業務委託人材の採用ノウハウ

新卒に即戦力を求めるべき?即戦力人材の特徴や採用・育成方法などを解説

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新卒採用は、育成を前提としたポテンシャル採用です。しかし、人手不足や人材の流動性が高まっている現代では、新卒にも即戦力を求める傾向が強まっています。しかし、「新卒に即戦力は求めすぎなのか」「そもそも、即戦力となる新卒とはどういう人材なのか」など、さまざまな疑問が生じるでしょう。

本記事では、新卒の即戦力採用について、その基準や採用、育成方法などを解説していきます。

新卒に即戦力を求めてもよいのか

企業における即戦力とは、入社後すぐに業務遂行に必要なスキルや能力を持っている人材のことです。即戦力を求めるなら基本的には中途採用であり、新卒に即戦力を求めるのは「おかしい」「求めすぎ」と感じる人もいるでしょう。


結論、新卒に即戦力を求めてよいかは、企業によります。単に労働力が不足しており、すぐに活躍してほしいという理由だけで新卒に即戦力を求めるのは間違っているでしょう。新卒で即戦力を求めるかの判断は、「自社の経営戦略や目標を実現するため」「新卒採用の目的を達成するため」に新卒に即戦力を求める必要があるかという視点から考えることがポイントです。

新卒に即戦力を求めるのが適しているケース

企業が求める即戦力人材の条件にマッチするのであれば、新卒に即戦力を求めることは可能です。しかし、新卒が即戦力となれる企業や職種は限定的といえます。具体的に、下記のようなケースは新卒の即戦力採用に適しています。


・専門職(例:エンジニア、士業など)

・ベンチャー、スタートアップ企業

・新卒・中途に区別なく通年採用を導入している企業


専門職に求められるスキルや資格は、学生のうちからでも身につけることが可能です。


また、社員数が少ないベンチャー企業やスタートアップ企業では、すぐにでも活躍してもらう必要があることから、新卒に即戦力を求める傾向にあります。とくに、スタートアップ企業では新卒が将来の経営陣候補やコアメンバーになる可能性もふまえて、即戦力を求める場合があるでしょう。


そして、新卒・中途の区別なく通年で採用をおこなっている企業では、新卒・中途に関係なく、求める人物像にマッチするかに重点を置きます。そのため、新卒にも中途と同じ、あるいは近い能力を求める点で新卒の即戦力採用をおこなっているといえます。


新卒にも即戦力が求められる背景

新卒に即戦力が求められる、求める企業が増えている背景には、人材不足が深刻化している状況があります。


従来は終身雇用を前提に、新卒は年数をかけて育成する考えが一般的でした。しかし、現代は少子高齢化による労働人口の減少や従来の雇用システムの実質崩壊による人材の流動性が高まったことで、人材不足が顕在化しています。


とくに、ベンチャー企業や中小企業では時間をかけて育成する余裕がなく、限られた人材で効率的に業務を進めるためにも、新卒に即戦力を求める傾向が強まっているのです。くわえて、ビジネス環境が急速に変化する中、企業が後れをとらず成長するために、新卒を含む人材の早期戦力化のニーズが高まっていることも関係しています。


新卒における即戦力とは|即戦力となる人材の特徴

では、新卒においては具体的にどういった人材が即戦力となるのでしょうか。新卒では、以下のような特徴があると即戦力となる可能性に期待できます。


・専門性の高いスキル・資格を持っている

・明確なキャリアビジョンがある

・積極性がある

・コミュニケーション能力が高い


前提として、即戦力であるかの基準は、企業によって異なります。その点を理解した上で、即戦力となる人材を見極めるためのポイントとして上記のような特徴を参考にしてみましょう。

専門性の高いスキル・資格を持っている

スキルや資格は学部の専攻や個人的な学習、学生時代の長期インターンなどによって習得が可能です。プログラミングや士業など、特定分野において高度な専門性を持っている人材は即戦力として活躍に期待できます。


そもそも、専門職や資格を必要とする職種は、業務を遂行するにあたってスキルや資格の有無が大前提となります。新卒時にすでにスキルや資格があれば、早期に具体的な業務に取り組め、さらなる即戦力化が進むでしょう。

明確なキャリアビジョンがある

入社前から明確なキャリアビジョンがある人材は、入社後の早期即戦力化に期待できます。なぜなら、キャリアビジョンという目標があることで、目標達成に向けて必要な知識やスキルを積極的に吸収できるからです。


どんなにスキルや知識があっても、新卒という点で未経験であることに変わりはありません。新卒という同じスタートラインの中、入社後の目標を入社前の段階で持っている点でリードしています。

積極性がある

積極性のある人材は、即戦力となるポテンシャルを秘めています。積極性があれば、業務に必要なスキルや知識を主体的に身につけたり、自発的に行動できたりします。また、好奇心旺盛な人材も、自ら情報収集したり、行動力が高かったりする傾向にあり、早期に戦力化する可能性に期待できるでしょう。

コミュニケーション能力が高い

ビジネスでは、コミュニケーションが不可欠です。コミュニケーション能力が高い人材は円滑に業務が進められ、わからないことがあった際に迅速に解決に向けて行動できます。また、周囲の従業員とも良好な関係を構築できるため、協力しながら業務を遂行していけます。


即戦力となる新卒の採用に役立つ手法

即戦力となる新卒は、通常の新卒採用では出会うのが難しい場合が多いでしょう。また、そうした人材は優秀であるがゆえに、自ら就職活動をしなくとも多くの企業から声がかかっている場合もあります。


ここでは、即戦力となる新卒の採用に役立つ手法として「ダイレクトリクルーティング」「インターン」の2つを紹介します。

ダイレクトリクルーティング

即戦力となるような能力を持つ優秀な学生は、企業側からアプローチしましょう。企業が直接アプローチする採用手法を「ダイレクトリクルーティング」といいます。わかりやすい表現に言い換えると、「スカウト」「ヘッドハンティング」です。


ダイレクトリクルーティングでは、企業の認知度に関係なく、企業がほしいと思える人材に直接スカウトできます。即戦力となる学生は限られてくるため、ピンポイントにアプローチできるダイレクトリクルーティングが効率的です。

インターン

実務を通して学生のスキルや知識が確認できるインターンは、学生の実力を見極めるための有効な手法です。実務的な能力のほか、協調性や適応力などといった人となりや性格面の把握も可能です。


ただし、インターンは参加してもらわない限りは、即戦力であるかを見極められません。ダイレクトリクルーティングを活用してインターンの参加を促したり、学生が参加したいと思えるインターンを企画したりと、企業側の工夫が必要です。


新卒は育成により即戦力化が可能!育成の方法・ポイント

スキルや資格があったとしても、実務経験がない点で中途と同レベルの即戦力を求めるのは難しいでしょう。そのため、採用時に即戦力であるかを基準に判断していては、誰も採用基準を満たせない可能性があります。


新卒は、基本的にポテンシャルを見込んだ採用となります。そして、そのポテンシャルを活かせるかは企業の育成にかかっており、育成を強化することで早期の即戦力化が可能です。


ここでは、新卒を短期間で即戦力に育成するための方法・ポイントをお伝えします。

育成計画を策定する

育成計画を策定することで、効率的な即戦力化が可能となります。具体的には、四半期、半期、1年などの時間軸ごとに、その時点でなってほしい人物像を明確にし、それを目標とします。育成計画に沿って必要なスキルや経験を身につけ、目標の進捗を管理していきます。


育成計画があることで、育成対象となる新卒は明確な目標のもと必要な行動が取れ、育成側も必要な教育や業務を提供できます。さらに、育成計画をチームで共有できれば、一丸となって効率的に育成に取り組めるでしょう。

1on1ミーティングを導入する

成長のためには、定期的なフィードバックと評価が必要です。ただ育成に取り組んでいるだけでは、本人も成長できているのかが客観的にわかりません。1on1ミーティングによって育成に対するフィードバックと評価を行うことで、お互いの改善点が理解でき、次のステップへと進めるようになります。

メンター制度を取り入れる

メンター制度とは、年齢の近い先輩社員が新入社員をサポートする制度です。業務に関する支援だけでなく、キャリアや人間関係など幅広い悩みに対してサポートをおこないます。


どれだけ良い新卒人材を確保できても、早期に離職されてしまったら即戦力化自体が不可能です。新卒の精神面を配慮することは、継続的な即戦力化に取り組むためにも必要です。

内定者インターンを実施する

内定者インターンとは、内定承諾後に学生に対して行うインターンです。学生は入社前に実務に関われ、入社後の早期戦力化につながります。


 入社前に基本的な業務を教えることで入社後にスムーズに業務が進められるほか、学生の適性が把握でき人員配置の検討もおこなえます。学生側も業務に必要なスキルや知識を身につけられ、入社後の業務に対する不安が解消できるでしょう。

まとめ

企業が求める即戦力の条件を明確にした上で、新卒に即戦力を求めることは可能です。ただし、新卒は実務経験がなく、スキルや資格があってもそのレベルは中途人材に及ばないことが多いでしょう。そのため、中途と同じ即戦力を求めないよう注意が必要です。


また、即戦力となるような優秀な新卒を採用するには、相応の裁量や条件を設けることも重要です。そして、採用時の能力だけでなく、入社後のポテンシャルもふまえ、企業が求める人材であるかに重点をおいて採用をおこないましょう。

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