新卒人材紹介サービスとは?仕組みや料金、メリット・デメリットやおすすめのサービスを紹介
人材紹介サービスと聞くと中途採用がイメージされますが、新卒採用でも多くの企業に活用されています。新卒人材紹介サービスでは、企業が求める学生と効率的にマッチングできたり、専門スキルを持つ希少な学生に出会えたりとさまざまなメリットがあります。
本記事では、新卒人材紹介サービスとは何かをふまえ、企業が利用するメリットやデメリット、おすすめのサービスなどをご紹介します。
新卒の人材紹介サービスとは|仕組み・特徴
新卒の人材紹介サービスとは、新卒を採用したい企業と就活中の学生の仲介・マッチングをおこなうサービスです。人材紹介サービスは、企業に代行して企業が求める人物像や条件にマッチした新卒学生を紹介します。
人材紹介サービスを提供する人材紹介会社は「エージェント」と呼ばれます。企業から受けた求人依頼の内容に合わせてマッチする学生を選定し、学生へのカウンセリングから企業への紹介、入社に至るまでを一貫してサポートします。
新卒人材紹介サービスの種類
新卒人材紹介サービスには「登録型」と「サーチ型」の主に2種類の形態があります。
登録型 | 人材紹介サービスに登録している学生のデータベースからマッチする人材を紹介 |
サーチ型 | 人材紹介サービスに登録している学生のデータベースのほか、他社データやSNSなどからマッチする人材を紹介 |
一般的な登録型のサービスは、新卒で就職活動をおこなう総合的な学生が母集団です。なかには、理系や体育会系、外資系企業志望者など、特性に合わせて特化した母集団を持つ新卒人材紹介サービスもあります。
サーチ型はヘッドハンティングとも呼ばれ、企業の求める人物像にマッチする新卒学生を広くサーチできる点が特徴です。
新卒人材紹介サービスの料金体系
新卒人材紹介サービスの料金体系は「成功報酬型」と「固定報酬型」の主に2パターンです。
成功報酬型 | サービスを通して学生が内定承諾、あるいは入社が確定した際に料金が発生 |
固定報酬型 | 内定承諾や入社の有無にかかわらず、新卒学生の紹介からの一連の流れに対して固定で報酬が発生 |
新卒人材紹介サービスの多くは、成功報酬型の料金体系です。そのため、内定承諾につながらなかった場合は、料金が発生しません。
成功報酬の費用相場はサービスによってさまざまですが、相場は50〜数百万円です。理系学生は文系学生よりも、成功報酬が高額になる傾向にあります。
中途採用の人材紹介サービスの成功報酬は「年収の25〜35%」が相場となるため、中途採用に比べると費用相場は安めでしょう。
学生が新卒人材紹介サービスを使う理由
学生は、必ずしも内定をもらうためだけに人材紹介サービスを利用しているとは限りません。新卒人材紹介サービスを利用する学生の特徴を知るためにも、学生がサービスを利用する理由をみていきます。
情報収集のため
就職情報を収集することは、人材紹介サービスに登録する大きな理由の一つです。自分に合う企業を見つけたい、自分の力だけではリーチできない情報を収集したいなど、就活に対して積極的な傾向にあります。
また、人材紹介サービスでは、求人サイトでは公募できない非公開求人を出すことが可能です。専門的な分野を専攻してきた学生やチャレンジングな志向を持つ学生は、非公開求人を目的に登録しているケースもあるでしょう。
就職活動のカウンセリングや相談を受けるため
新卒人材紹介サービスに登録すると、学生一人ひとりに担当のカウンセラーがつきます。学生は履歴書や自己PRの添削、自己分析や面接対策のサポートなど、カウンセラーの客観的なアドバイスのもと就職活動が進められます。
初めての就職活動で不安が多いなか、こうしたサポートを受けられる点は学生にとって大きなメリットがあります。
企業が新卒人材紹介サービスを使うメリット
企業が新卒人材紹介サービスを使うメリットに、下記のようなことが挙げられます。
・費用面のリスクが少ない ・採用工数を削減できる ・学生に認知してもらえる機会が増える ・学生の感触が知れる ・急な欠員補充にも対応できる |
費用面のリスクが少ない
新卒人材紹介サービスの多くは、成功報酬型です。そのため、一般的に初期費用がかかりません。また、学生を紹介してもらったとしても、採用につながらなければ料金は発生しません。さらに、サービスによっては、学生都合による内定辞退が発生した場合、成功報酬をすべて返金する仕組みもあります。
費用面でのリスクが少なくサービスを利用できる点は、企業にとっても大きなメリットです。
採用工数を削減できる
費用面だけでなく、人的コストや採用にかかる工数を削減できる点もメリットの一つです。新卒採用は決まったスケジュールで進行するケースが多いため、一定期間中の採用担当者の負担も大きいもの。新卒紹介サービスでは、企業が求める人材を紹介してもらえるため、採用担当者は面接などの採用コア業務に集中できるようになります。
学生に認知してもらえる機会が増える
求人サイトなどの媒体では、学生に自社を見つけてもらわない限り認知してもらえません。認知面で大手企業に劣ってしまう中小企業は、母集団形成に課題を抱えている企業も少なくないでしょう。
新卒人材紹介サービスであれば、自社を知らない学生層にもアプローチ可能です。また、学生側も自分にマッチする企業を紹介してもらえるため、紹介を通じて企業に関心を持ってくれる可能性も高いでしょう。
学生の感触が知れる
企業は、新卒人材紹介サービスから学生側の感想や企業に対するフィードバックを共有してもらえます。「企業のどこに魅力を感じて選考に進むのか」「選考や内定を辞退した理由は何か」など、あらゆるプロセスでの学生の感触を知ることができます。
学生のリアルな感触から自社の強みや弱み、改善点が把握でき、今後の採用に活かせる点もメリットの一つです。
急な欠員補充にも対応できる
内定辞退によって採用予定人数を割ってしまった、企業説明会の予約が埋まらないなど、急な人材確保にも新卒人材紹介サービスが活用できます。新たな母集団形成の必要がなく、求める学生をすぐに紹介してもらうことが可能です。そのため、欠員補充や採用目標人数に到達するための柔軟な調整がおこなえます。
企業が新卒人材紹介サービスを使うデメリット・注意点
魅力的なメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
・母集団が少ない ・一人あたりの採用単価が高い ・採用ノウハウが蓄積されない |
新卒人材紹介サービスを利用する際は、こうしたデメリットについても理解しておくことが必要です。
母集団が少ない
大手新卒媒体と比較すると、母集団は少なくなってしまいます。基本的には新卒人材紹介サービスに登録している学生の中からマッチする人材を紹介するため、求める条件が高い場合には、紹介できる学生がいないといったことも考えられるでしょう。
また、サービスによって学生の特徴も異なります。マッチした人材の紹介を受けたい場合には、サービスごとの学生の特徴を把握した上で、利用する新卒人材紹介サービスを選定することがポイントです。
一人あたりの採用単価が高い
新卒人材紹介サービスを通して学生を採用できた場合の単価は、50〜100万円ほどです。この単価は学生一人につき固定であり、成功報酬額が採用単価になります。採用予定人数が多い場合、結果的に採用コストが割高になってしまうこともあるでしょう。
そのため、新卒人材紹介サービスの利用は、理系学生やリーダー候補となる優秀な学生など、求める要件が高い採用に絞って活用するのも一つの方法です。
採用ノウハウが蓄積されない
採用工数を削減できる一方、企業側の採用ノウハウが蓄積されない点はデメリットです。新卒人材紹介サービスを利用すると、企業が対応するのは選考のプロセスのみになります。採用でもっとも難しいのは、新卒人材紹介サービスが代行する母集団形成でしょう。いずれは自社で採用活動をおこないたいと考えている場合、新卒人材紹介サービスに依存し過ぎないよう注意が必要です。
おすすめの新卒人材紹介サービス5選
では、実際に新卒人材紹介サービスにはどういったものがあるのでしょうか。ここでは、おすすめの新卒人材紹介サービスをご紹介します。
リクナビ就職エージェント
サービス名 | リクナビ就職エージェント |
公式HP | https://job.rikunabi.com/agent/ |
提供企業 | 株式会社リクルートキャリア |
料金体系 | 成功報酬 |
特徴 | ・文系、理系、体育会系学生にアプローチ可能 ・リクナビのネットワークを活用した安定的な母集団形成 ・リクナビという安心の信頼と多くの企業での利用実績あり |
マイナビ新卒紹介
サービス名 | マイナビ新卒紹介 |
公式HP | https://shinsotsu.mynavi-agent.jp/ |
提供企業 | 株式会社マイナビ |
料金体系 | 成功報酬 |
特徴 | ・就職情報サイト「マイナビ」と連携 ・ニーズにマッチした学生をピンポイントで採用できる ・インターンシップ・仕事体験動員サービスあり ・内定辞退が発生した場合、紹介手数料を全額返金 ・入社月に早期離職した場合、半額を返金 |
doda新卒エージェント
サービス名 | doda新卒エージェント |
公式HP | https://doda-student.jp/ |
提供企業 | 株式会社ベネッセ i-キャリア |
登録学生数 | 14万人以上(2024年卒学生) |
導入実績 | 6,500社以上(2024年3月時点) |
料金体系 | 成功報酬 |
特徴 | ・三都市圏に幅広い大学との取引をもつベネッセのネットワークを活かした学生集客 ・年間キャリアカウンセリング実施数は業界最大級 ・新卒向けダイレクトリクルーティングサービス 「dodaキャンパス」の登録者にも、カウンセリングの案内を実施 ・地方エリア在住者・特定のスキルや経験を持つ人材などにもアプローチ可能 ・内定辞退が発生した場合、全額返金 ・入社後1か月以内の離職で報酬の80%、2〜6ヶ月以内の離職で報酬の20%を返金 |
就職エージェントneo
サービス名 | 就職エージェントneo |
公式HP | https://www.s-agent.jp/ |
提供企業 | 株式会社ネオキャリア |
登録学生数 | 21万人 |
導入実績 | 1万社以上 |
料金体系 | 成功報酬 |
特徴 | ・内定支援実績約45,000件のノウハウ ・全国の拠点で利用可能 ・関東・関西・中部地域を中心に全国で年間600回以上実施している大学内での就活イベントや自社集客メディアなどのネットワークから母集団を形成 ・内定辞退が発生した場合、全額返金 ・入社後1ヶ月以内の退職で料金の50%を返金 |
キャリタス就活エージェント
サービス名 | キャリタス就活エージェント |
公式HP | https://agent.career-tasu.jp/ |
提供企業 | 株式会社キャリタス |
導入実績 | 9,000社以上(2024年4月時点) |
料金体系 | 成功報酬 |
特徴 | ・「キャリタス就活」や「CFN日英バイリンガル」もあわせたデータベースから学生へアプローチ可能 ・留学経験のある学生が多い ・MARCHクラス以上、TOEIC600以上の優秀層多数 |
新卒人材紹介サービスの利用が適している企業
以下のような企業は、新卒人材紹介サービスの利用がおすすめです。
・母集団形成に課題がある ・企業の知名度が低い ・いつもの応募者層とは異なる層にアプローチしたい ・専門スキルを持つ学生や即戦力となる学生にリーチしたい ・候補者を集めにくい職種・業種で採用したい ・採用予定・目標人数が少ない ・採用工数を削減したい ・非公開求人を利用して採用したい |
新卒人材紹介サービスでは、サービスのデータベースやコンサルタント、ヘッドハンターのネットワークそのものが、企業の採用候補者の母集団になります。すでに形成されている母集団のなかから自社にマッチする学生を紹介してもらえる点は、新卒人材紹介サービスの大きなメリットです。
しかし、デメリットにもあるように、採用コストが高くなりやすく、母集団といえどその特性は限られてきます。そのため、新卒人材紹介サービスだけで採用を完結しないこともポイントです。
まとめ
新卒採用で人材紹介サービスを利用することで、より自社にマッチした学生に出会える可能性が高まります。また、新卒人材紹介サービスによって登録している学生の特徴はさまざまであるため、企業が求める人物像や条件に合わせて利用するサービスを選ぶことがポイントです。
新卒人材紹介サービスのデメリットや注意点も理解した上で、通常の採用とあわせて活用することで効率的な採用が可能となります。