中途採用で即戦力を確保するのは無理?その理由と対策、即戦力化するために必要なことを解説
即戦力となる人材は、企業の持続的な成長に欠かせない存在です。一般的に即戦力を採用するには中途採用となりますが、さまざまな理由から「中途採用で即戦力を獲得するのは無理」と感じている企業も少なくないでしょう。中途採用で即戦力を獲得することは無理ではありませんが、中途採用への意識を変える必要があるかもしれません。
本記事では、中途採用における即戦力の獲得について、無理と感じる理由や選考でのチェックポイント、中途人材を即戦力化するために企業がやるべきことをご紹介します。
中途採用で即戦力を取るのが無理と感じる5つの理由
「中途採用=即戦力」と認識しているものの、実際に中途採用をしていく中で即戦力を確保するのは「無理」と感じている企業も少なくないでしょう。
そう感じてしまう理由は企業によってさまざまですが、その主な理由として下記5つが考えられます。自社の中途採用に当てはまっている理由がないかをチェックしてみましょう。
即戦力人材が不足しているから
即戦力となるような優秀な人材は、どの企業でも必要とされています。近年は少子高齢化の影響により、そもそもの労働人口が減少しており、人材獲得競争が激化している状況にあります。そんな中、即戦力人材の不足はただでさえ採用するのが難しいのが現実です。
採用後に十分な育成をおこなうことを前提に多様な人材を採用することが求められますが、そのリソースが不足している企業も少なくありません。
コストが高いから
需要が高く、希少な即戦力人材は、人材獲得競争の渦中にいる存在です。より良い人材を獲得すべく、多くの企業が高額な給与や待遇を提示しています。その相場が高まるほど、他社に負けないよう条件を引き上げなければならず、結果として即戦力となる人材を獲得するのにかなりのコストがかかってしまうでしょう。
成長過程にある中小企業では、条件面で資金に余裕のある大企業に勝つことは難しく、その点から即戦力の採用が難しくなっている可能性も考えられます。
応募がこないから
そもそも、即戦力となるような優秀な人材の応募がこないといったケースもあります。そのパターンとしては、下記いずれかのケースが考えられるでしょう。
・応募はくるが求めるスキルレベルや条件に達していない ・応募自体がこない |
前者の場合、「即戦力」に対して漠然としたイメージしかなく、表面的な情報だけで即戦力ではないと決めつけてしまっている可能性があります。実際に応募はきているが、企業側で見極められていないパターンです。
対して、そもそも応募が一切こないという後者のようなパターンもあります。その原因として、求人を見つけてもらえない、競合や大手企業に比べて条件面が良くないといった可能性が考えられます。とくに、知名度や条件面で大手企業に劣りやすい中小企業に良く見られるパターンです。
中途採用が即戦力とは限らないから
中途採用に過度に期待している場合も、入社後に期待値とのギャップを感じることで「即戦力の採用は無理」という結論に至ってしまっているケースも珍しくありません。
中途採用は社会人経験がある点で、新入社員に比べると即戦力であるのは事実です。しかし、たとえ同じ業種・職種であっても、企業によって経験できる業務内容や範囲、育成のレベル、仕事との進め方などは異なります。
また、未経験業界・業種への転職となれば、実務面では即戦力になるとはいえないでしょう。
即戦力の見極めが難しいから
いくら応募書類や面接での内容が素晴らしかったとしても、それが真実かは証明が難しく、早期に戦力となるかは実際に入社して仕事ぶりを見ないことにはわかりません。
かといって、確実に即戦力にきてもらうため、採用条件を厳しくしてはそもそも応募がこないといった事態になりかねないでしょう。
この点は、採用担当者や面接官のスキルも関わってきます。また、本当に即戦力であっても、入社後に適切なフォローが行えないと、本来の実力を発揮できなくなってしまいます。
中途採用が即戦力とならないケースと原因
即戦力の採用に成功したと感じても、入社後に期待していた人材ではなかったといったケースも少なくありません。そうなってしまう具体的なケースと原因についてもみていきます。
期待通りの実力を発揮してくれない
企業が期待している即戦力と中途人材のレベルがマッチしていない場合に起こるケースです。こうしたミスマッチは、専門性が高い職種ほど起こりやすい傾向にあります。なぜなら、専門性が高い職種ですと、資格や実績から即戦力であるかの判断がしやすいからです。
しかし、ミスマッチが起こらないようにするためには、企業が求めるレベルを明確にし、選考時にスキルや実績について詳細に深掘りする必要があります。
職場環境に慣れない
職場環境に慣れないと、従業員が本来のパフォーマンスを発揮できない可能性があります。最悪のケースでは、早期離職につながるおそれもあるでしょう。中途人材がなかなか職場環境に慣れない原因としても、主に下記2つが考えられます。
・採用段階で候補者と社風のマッチ度を考慮しなかった ・入社後のフォローが不十分 |
前職のやり方に固執している
同じ業種・職種であったとしも、業務の進め方やルールは企業によって異なります。前職のやり方に固執してしまっている場合、今のやり方に合わないことで成果が出せなかったり、周りに迷惑をかけてしまったりするおそれがあります。
前職のやり方に固執してしまう原因として、中途人材のプライドの高さや入社後のフォローが不十分な可能性が考えられます。
中途採用で即戦力を取るのは無理じゃない!選考でのチェックポイント
中途採用を一括りに即戦力と認識し、過度に期待するのは失敗の原因です。そうならないためにも、選考では以下のようなポイントからしっかりと即戦力となるかを見極める必要があります。
・転職理由 ・職歴とスキル ・自社とのマッチ度 |
転職理由
即戦力の採用ではスキルや実績が重視されがちですが、転職理由も欠かせないチェックポイントです。
即戦力となる人材でも、入社後すぐに成果を出すのは難しいもの。中途でもある程度の育成はであるため、組織に定着してからが本番です。職場が自分に合わなかったり、人間関係が悪かったりすると、すぐに辞めてしまう傾向にある人は、実践的なスキルは身についていないおそれがあるため注意が必要です。
もし短期間で転職していても、スキルアップや自己実現が目的であれば成長意欲が高く、転職後の活躍度や定着性に期待できるでしょう。
実績やスキル
即戦力であるかにもっとも関わる部分が、実績とスキルです。実績やスキルは応募書類や面接時の質問からわかるできる情報です。しかし、見たり聞いたりしたままの情報を鵜呑みにしないよう注意しましょう。なぜなら、採用を得るために嘘をついていたり、内容を盛っていたりする可能性があるからです。
とくに、実績については詳細に説明できるかが重要です。実績を出すためにどういった工夫をしたか、どんなスキルを活用してどういった結果を出したかなど、具体的なプロセスに重点をおいて確認するようにしましょう。
必要に応じて、リファレンスチェックを実施することも有効です。リファレンスチェックでは前職の上司や同僚から客観的な情報が得られ、本当に即戦力であるかの判断がしやすくなります。
自社とのマッチ度
自社の社風や既存社員の雰囲気とマッチするかも重要なポイントです。どんなに高い能力を持っていても、自社とのマッチ度が低いと、思うようにパフォーマンスが発揮できなかったり、早期退職してしまったりするリスクがあります。
ハイパフォーマーの特性を洗い出し、候補者がそこにマッチするかを見極めたり、カジュアル面談のような選考以外の場でのコミュニケーション機会を提供したりする方法が有効です。
中途採用で確保した人材を即戦力化するには「適切なフォロー」と「定着」が鍵
そもそも、即戦力とはスキルや経験を活かして早期に成果を出せる人材のことです。しかし、入社後新しい環境でいきなり成果を出せる人はほとんど存在しません。
なぜなら、即戦力になるには当人が新しい環境に適応して会社に定着し、かつ周囲の協力があってはじめて即戦力として実力を発揮できるからです。
つまり、採用段階では「中途採用で即戦力を獲得するのは無理」でも問題ないのです。重要なのは採用後の企業の対応であり、人材を活かせるかは企業に委ねられているといっても過言ではありません。
中途人材だからと育成を放置したり、いきなりレベルの高い業務を任せたり、高い目標を設定したりすることは厳禁です。まずは中途人材が職場に慣れるよう取り計らい、新しい業務のやり方やルールを覚えられるよう適切なフォローを講じることが重要です。
中途採用で即戦力を求めすぎるのもNG
中途採用で即戦力を求めすぎるのは、企業にとっても候補者にとっても良くない方向に影響する場合があります。
企業が即戦力を重視しすぎて採用条件を高くしてはそもそも応募がこず、きたとしても求める人材ではないとしてむやみに手放してしまう可能性もあるでしょう。また、候補者も即戦力になれる点を過度にアピールしてしまい、実際に入社してから企業が期待する成果を出せずに評価が下がってしまうといった事態になりかねません。
中途採用で即戦力を求めること自体は問題ありませんが、自社が考える即戦力の定義を明確にし、現実的な視点で選考に望むことが大切です。
まとめ
中途採用で即戦力を獲得するのは、無理ではありません。しかし、企業側の即戦力の定義が曖昧であったり、候補者をしっかりと見極められなかったりすると、なかなか理想とする採用は実現しないでしょう。
中途採用が即戦力といわれるのは、社会人経験や実務経験があるからです。しかし、実務経験については、たとえ同じ業種・職種であったとしても、企業が求めるレベルに達しているとは限りません。この点は選考時にしっかりと見極める必要があり、スキル面だけでなく自社とのマッチ度も確認する必要があります。
また、人材を即戦力化するには入社後の企業の対応も重要であるため、採用だけに重点をおかず、採用後まで見据えることが大切です。
