カジュアル面談の事前準備を徹底解説!当日の流れやカジュアル面談成功のポイントとは
近年、採用手法の多様化に伴い、「カジュアル面談」を導入する企業が増えています。従来の面接とは異なり、企業と求職者が互いを理解し合うための場として、カジュアル面談は有効な手段です。しかし、カジュアルな形式であるがゆえに、準備不足や目的の曖昧さが課題となるケースも少なくありません。
本記事では、カジュアル面談の目的から具体的な準備、当日の流れや成功のためのポイントを解説します。
カジュアル面談の目的
準備の第一ステップとして、まずはカジュアル面談を実施する目的を明確にしましょう。なぜなら、目的によって準備や当日の進め方が大きく変わってくるからです。
まずは、カジュアル面談の主な目的をみていきます。
企業と求職者の相互理解を深めるため
カジュアル面談では、担当者が参加者に企業文化や仕事内容を伝え、求職者の疑問や不安を解消するだけでなく、企業のビジョンや将来像を具体的に共有し、共感を促します。
また、求職者のスキルや経験、キャリアプランを把握するだけでなく、潜在的な能力や価値観を見抜き、自社との適合性を評価する場でもあります。選考とは異なるステップであるため、カジュアル面談で合否は出しません。
潜在的な候補者との接点を増やすため
自社の魅力を伝え、興味を持ってもらうだけでなく、競合他社との差別化ポイントを明確にし、自社を選ぶメリットをアピールできます。現段階では転職する予定がない人に対しても、カジュアル面談を通して将来的な応募や採用に繋げるための関係性を構築可能です。カジュアル面談は、長期的な視点で求職者のキャリアを支援し、信頼関係を築く目的でも活用できます。
採用ミスマッチを防ぐため
カジュアル面談ではお互いの理解を深めることで入社後のギャップを最小限に抑えるだけでなく、率直な意見交換を通じて、相互理解を深められます。企業と求職者の価値観や考え方のマッチ度を確認するだけでなく、多様な視点から評価し、客観的な判断を下せます。
お互いが選考前にマッチ度を確認できるため、ミスマッチの少ない選考をおこなえるようになるでしょう。
カジュアル面談の5つの事前準備
カジュアル面談の日程が決まれば、事前準備が必要です。事前に準備しないと、当日にスムーズに面談が進められず、参加者に良くない印象を与えてしまったり、面談の目的を達成できなくなったりしてしまいます。
ここでは、カジュアル面談を実施するために必要な準備をみていきます。
①担当者の決定
まずは、カジュアル面談の担当者を決めます。カジュアル面談は、人事または現場の社員が担当することが一般的です。誰が担当するかは、企業規模や募集ポジションによってさまざまです。
たとえば、技術職や専門職の場合、仕事内容や技術に詳しい現場社員が担当するケースも多くみられます。また、ベンチャー企業のような成長フェーズにある企業では、管理職や役員が担当することもあります。
担当者の教育もしておくと安心
普段採用に関わることがない現場社員がカジュアル面談の担当者になる場合、面談の効果を高めるために教育しておくことがおすすめです。
現場社員が担当する場合に備えて、カジュアル面談に関するマニュアルがあると良いでしょう。また、座学やロールプレイング研修も推奨されます。
座学では、カジュアル面談の目的や流れ、面談時の注意事項などを伝えましょう。
②面談方式の決定
カジュアル面談の実施方式は「対面」か「オンライン」です。対面の場合は、当日の場所を確保しておく必要があります。会議室やフリースペースの予約が必要な場合には、早めに場所を押さえておきましょう。
オンラインの場合、通信トラブルを防ぐためにも事前にインターネット環境が安定しているかの確認が必要です。あわせて、カメラやマイクの動作も確認しましょう。
③参加者の情報を把握する
参加者の情報も事前に把握しておきましょう。参加者のプロフィールがわかることで、相手の人物像や興味関心にあわせて面談内容を検討できます。
ただし、カジュアル面談は採用面接とは異なるため、一般的には履歴書や職務経歴書は求めません。そのため、参加者とマッチングしたり、スカウトしたりしたプラットフォームの情報をおもな参考としましょう。
必要に応じて、履歴書や職務経歴書の提出を提出してもらうのも一つの方法です。
④資料の用意・送付
参加者には、事前に自社の基本情報が把握できる資料を共有しておくことがおすすめです。メールやチャットなど、参加者とつながっているツールを通じて、自社サイトのURLやカジュアル面談用に作成した資料などを共有しましょう。
参加者も事前に会社の概要がわかることで面談に備えて質問を用意したりでき、当日の面談がスムーズに進行できます。
⑤質問内容の用意
カジュアル面談の時間は限られています。「聞いておけばよかった」と後悔しないよう、事前に応募者への質問事項も整理しておくことがおすすめです。下記で、カジュアル面談での質問例をピックアップしています。
スキルについて |
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これまでの経験・経歴について |
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今後のキャリアについて |
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現在の仕事について |
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自社について |
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選考ではないため、質問は基本的な内容とし、硬くなりすぎないように注意しましょう。
【準備ができたら】カジュアル面談当日の流れ
準備ができたら、当日にカジュアル面談に臨みます。ここでは、当日の流れを詳しくみていきます。
①アイスブレイク
まずは、自己紹介や簡単な雑談で緊張をほぐし、打ち解けやすい雰囲気を作りましょう。自己紹介はまず担当者からはじめ、出身地や趣味の話など仕事以外のパーソナルな部分も紹介することで、相手の緊張もほぐれるでしょう。
参加者の緊張をほぐし、和やかな雰囲気が作れることで自然と会話が広げられ、相互理解を深めやすくなります。
②カジュアル面談の目的の共有
具体的な話に入る前に、カジュアル面談の目的を共有しましょう。ここで伝えるべきは、カジュアル面談が合否には関係ないことです。相互理解を深めることが目的であることをはっきり伝えることで、参加者も硬くなりすぎずに本音を話しやすくなります。
③参加者の状況確認
次に、参加者の今の状況について確認しましょう。参加者がカジュアル面談に参加する目的や状況は、以下のようにさまざまです。
・自社への転職を希望している ・話を聞いて良ければ選考に参加したいと考えている ・現段階では転職する予定はないが、自社に興味がある など |
相手の状況を把握することで、ニーズに合った情報が提供できるようになります。
④企業説明
必要に応じてスライドなどを用意し、端的に自社の説明をおこないます。このとき、参加者の状況に合わせて必要な情報を提供することがポイントです。一方的な説明にならないよう、適宜で不明点がないかを確認してあげると良いでしょう。
淡々と自社を説明するのではなく、参加者のニーズに合わせて自社を訴求することで参加者の選考参加へのモチベーションを高められます。
⑤質疑応答
説明が終了したら、質疑応答の時間を設けます。参加者が質問しやすいよう、担当者から促すことがポイントです。
企業によっては、このタイミングで社内見学を実施することもあります。とくに質問がなさそうな場合は「社内を見てみますか?」などと促してみるのも良いでしょう。
⑥今後の選考についての案内
選考に進んでほしいと感じた参加者には、その場で今後の選考についても案内しましょう。面談の場で案内する時間がなかった場合には、メールなどでできる限り当日中に案内することが望ましいです。
面談直後が最も企業への関心が高まるため、そのモチベーションの時に案内することで選考への参加意欲も高められるでしょう。
カジュアル面談の参加者専用に、特別な選考フローを用意しておくこともおすすめです。
カジュアル面談を成功させるためのポイント
カジュアル面談を成功させるには、以下のポイントを押さえましょう。
しっかり準備する
カジュアル面談を有意義な時間にするためには、事前準備が重要です。まずはカジュアル面談を通してどのような情報を得たいのか、参加者に何を伝えたいのかを明確にしましょう。参加者の情報も事前に把握し、相手に合わせた面談内容を考えることがポイントです。
カジュアル面談の内容や充実度は、参加者の意欲を大きく左右します。採用候補者の母集団形成のためにもしっかりと事前準備をして、実りあるカジュアル面談を実施しましょう。
双方向のコミュニケーションを重視する
カジュアル面談は、企業と参加者が互いを理解し合うための場です。一方的に説明したり、質問したりするだけの面談にならないよう注意しましょう。参加者の話にしっかりと耳を方向け、共感や理解を示しながら、会話を広げていくことがポイントです。
相手の人柄や本音を引き出すためにも、リラックスした雰囲気をつくり、参加者が話しやすいよう配慮しましょう。
リアルな情報を伝える
企業の良い点や魅力を伝えるだけでなく、自社の課題や弱みも正直に伝えることで企業への信頼が高まります。
もちろん、自社の良いところもしっかりとアピールすることが重要です。ただし、良い印象を与えたいかたと話を誇張したり、良いことばかりを伝えたりしてしまうと、ミスマッチの原因になり得ます。そのため、しっかりと実情を伝えることが大切です。
まとめ
カジュアル面談は、企業と求職者が互いを理解し合うための貴重な機会です。参加者も担当者も忙しい中、お互い時間を割いてカジュアル面談に臨んでいるはずです。選考ではないカジュアルな場ですが、将来的な採用につなげていくための重要な役割を果たします。カジュアルに対話できる分、参加者の人柄や本音も引き出しやすいでしょう。
本記事を参考にカジュアル面談の準備をしっかりと行い、採用につなげる一歩としてみてください。
