副業・業務委託人材の採用ノウハウ

【企業担当者向け】フリーランスと単価交渉するタイミングや単価相場、流れなどを解説

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近年、専門的なスキルや知識を持つフリーランス人材を活用する企業が増えています。フリーランスは正社員のように固定給ではないため、契約時などに単価交渉する場合があります。

しかし、以下のような悩みや疑問を抱えている担当者もいるでしょう。

「フリーランスに依頼したいけど、適切な単価が分からない」

「単価交渉で、フリーランスと良好な関係を築きたい」

「できるだけコストを抑えたいけど、質の高い成果物も求めたい」

本記事では、フリーランスと単価交渉するタイミングや具体的な方法、単価交渉する上で知っておくべき単価相場などについて解説しています。

フリーランスとの単価交渉が発生するタイミング

フリーランスに案件を依頼する場合、契約時以外にも単価交渉が発生するシーンがいくつかあります。


単価交渉が発生するタイミング

・新規で契約するとき

・契約を更新するとき

・依頼業務が増えたとき

・成果が上がったとき


いずれのタイミングでも、フリーランス側から先に交渉されることもあります。その場合、企業側はフリーランスのスキルや実績、これまでの成果や業務姿勢などを総合的に判断し、適切な単価を提示したり、受け入れたりすることが大切です。


とくに、長期的に仕事を依頼したり優秀な人には、企業側から定期的に単価アップの交渉をすることが良好な関係構築にもつながります。

単価交渉の仕方

単価交渉は、普段フリーランスとやり取りしているチャットツールやメールでおこなって問題ありません。テキストツールならやり取りのログも残るため、「言った」「言わない」のトラブル回避にもなります。


テキストであればフリーランス側に検討する時間も設けられるため、よく考えながら交渉を進められます。

フリーランスの単価相場

単価交渉を始める前に、まずはフリーランスの単価相場を把握することが重要です。相場を知ることで、適切な価格設定や交渉の基準を持つことができます。

【職種別】フリーランスの単価相場

フリーランスに多い、3職種の単価相場は以下のとおりです。


職種

単価相場

Webデザイナー

40〜300万円

Webエンジニア

30万〜100万円

Webライター

文字単価1〜5円/記事単価5,000〜1万円


WebデザイナーやWebエンジニアは専門性が高いことから、単価相場は高めです。ただし、上記はあくまで目安であり、実際の単価は個別のスキルや経験、実績によって変動します。

フリーランスの単価相場の調べ方

フリーランスの単価相場を調べる方法として、クラウドソーシングやフリーランス向けエージェントのような、フリーランス向けの案件サイトの活用がおすすめです。


案件サイトでは案件の内容と費用が記載されているため、求めるレベルとその費用感をイメージしやすいでしょう。ただし、クラウドソーシングは相場より低い単価で案件を出しているものもあるため、悪質な案件の見極めが必要です。


また、「職種名 フリーランス 単価」などのキーワードで検索することでも、単価相場に関するさまざまな情報を収集できます。


フリーランスの単価相場は案件の難易度や求めるレベルによっても異なるため、一概には言えません。複数の情報を比較検討することで、おおよその単価相場を把握しましょう。


フリーランスとの単価交渉の前に準備すること

単価交渉をスムーズに進めるためには、事前の準備が重要です。単価交渉の納得性を高めるためにも、しっかりと準備していきましょう。

依頼内容と条件を明確にする

依頼内容や条件が曖昧なまま交渉を始めると、後々トラブルに発展する可能性があります。単価交渉に向けて、まずは以下の項目を明確にしておきましょう。


業務内容

どのような業務を依頼するのか

納期

いつまでに納品してほしいか

成果物の品質

どのレベルの成果物を求めているか

契約形態

業務委託契約、請負契約など

支払い条件

いつ、どのように支払いを行うのか


単価は業務内容や求めるレベルによっても変わってきます。人によっては多数の案件を抱えており、単価によっては優先できないケースもあります。妥当な単価を提示するためにも、依頼内容や条件を明確にすることがポイントです。

予算を決める

企業側で、事前にフリーランスに依頼する予算を決めておくこともポイントです。予算が決まっていれば、交渉の際に迷うことなく、スムーズに進めることができるでしょう。


予算を決める際は、以下の点を考慮してみてください。


相場

フリーランスの単価相場

業務の難易度

 業務の専門性や難易度

納期

短納期の場合、割増料金が発生する可能性あり

成果物の品質

高品質な成果物を求める場合、高単価になる可能性あり


予算に余裕があれば、相場よりも高めの単価を提示することも検討しましょう。フリーランスのモチベーションを高められ、より高品質な成果物に期待できます。

フリーランスのスキルと経験を把握する

フリーランスのスキルや経験を把握することで、適切な単価設定や交渉の材料にすることができます。単価はフリーランスのスキルレベルや経験、実績によっても大きく変わるため、おもに以下のような情報を確認しておきましょう。


ポートフォリオ

過去の制作物や実績

スキル

保有スキルや経験

実績

過去のクライアントからの評価


これらの情報を参考に、フリーランスのスキルや経験を評価し、適切な単価を提示・交渉してみてください。


フリーランスへの単価交渉の進め方

単価交渉は、双方にとって納得できる結果を目指すことが重要です。ここでは、企業側からおこなう単価交渉の進め方をみていきますしょう。

①初回提案

まずは、企業側から単価を提示します。その根拠もあわせて提示することで、相手に交渉を納得してもらいやすくなります。


また、一方的に交渉するのではなく、フリーランス側の意見や要望も聞き入れる姿勢を見せることも大切です。

②交渉

企業側の提示内容をふまえ、フリーランスから単価の希望や条件が提示されたら、交渉を行います。


交渉時は一方的な主張ではなく、互いの意見を尊重することが大切です。提示している単価が難しい場合には、納期や業務範囲などを調整し、代替案を検討するのも一つの手です。


「言った」「言わない」のトラブルを回避するためにも、交渉内容を書面に残しながら、双方で合意に向けて話し合いましょう。

③合意

単価交渉の結果、双方が合意に至ったら、契約書を作成します。契約書には、単価も含めて以下の項目を明記しましょう。


・業務内容

・納期

・成果物の仕様

・契約金額

・支払い条件

・契約期間

・秘密保持義務

・著作権の帰属


契約書の内容を双方で確認し、署名・捺印することで、契約が成立します。


更新などのタイミングで単価交渉し、単価が変更された場合には、トラブル回避のためにも改めて契約書を作成し直すことがおすすめです。


フリーランスとの単価交渉のポイント

単価交渉を成功させるためには、いくつかの注意点があります。

一方的な値下げ交渉は避ける

単価交渉は値上げの場合もあれば、値下げのパターンもあるでしょう。


一方的な値下げ交渉は、フリーランスに「自分のスキルが正当に評価されていない」「軽視されている」という印象を与え、信頼関係を大きく損なう可能性があります。たとえ、値下げが企業側の都合であったとしても、フリーランス側にはネガティブに受け取られてしまいます。


信頼関係が崩れると、その後の業務遂行にも悪影響を及ぼし、最悪の場合、契約破棄につながることもあるでしょう。


どうしても予算を抑えたい場合は、単価を下げるのではなく、業務範囲の見直しや納期調整など、代替案を提示することが有効です。業務範囲を絞り込む、納期を延長する、成果物の仕様を調整するなど、双方が納得できる落としどころを探ることが重要です。

報酬に見合った仕事を求める

フリーランスのスキルや経験、業務の難易度に見合った適正な報酬を支払うことは、質の高い成果物を確保するために不可欠です。安すぎる報酬で質の高い仕事を求めるのは、現実的ではありません。


そのため、事前に市場相場を把握し、適正な報酬額を提示できるように準備しましょう。市場の単価相場を無視した過度な低価格提示は、フリーランスからの信頼を失うだけでなく、業界全体の健全な発展を阻害する可能性もあります。


短期的なコスト削減に目を奪われず、長期的な視点で考えることが重要です。適正な報酬を支払うことで、フリーランスのモチベーションを高め、長期的な関係構築につなげることができます。

長期的な関係構築を意識する

単価交渉は、長期的な関係構築を意識しておこなうことが重要です。信頼関係が構築できていれば、フリーランス側が不利になってしまう交渉でも、企業側の都合を考慮して受け入れてくれる可能性もあるでしょう。


長期的な関係が構築できれば、単価交渉だけでなく業務進行でもメリットが得られます。仕事の進め方や求められることが十分に理解できている中で業務を進めてもらえるため、業務効率や品質の向上に期待できます。


優秀なフリーランスがいる場合には、企業側から単価アップを交渉するなどして、長期的な関係構築を目指すことも大切です。


まとめ

フリーランスとの単価交渉は、事前の準備と交渉の進め方次第で、双方にとって納得できる結果を得ることができます。


注意すべきは、値下げの場合の単価交渉です。値下げはいかなる理由であっても、フリーランス側は不利益となります。優秀なフリーランスは案件を獲得しやすいため、交渉次第では契約終了になるおそれもあるでしょう。


一方的な値下げ交渉は、フリーランス側の信頼を損ねるリスクもあります。フリーランスにとって不利益となる単価交渉は、よく検討してから実施するようにしましょう。


また、優秀なフリーランスで業務姿勢や成果が良い場合には、定期的に単価アップの交渉もすることがおすすめです。長期的に良好な関係を構築するための手段の一つとしても、単価交渉を活用してみてください。



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