はじめての副業・フリーランス人材の採用は「副業・兼業補助金」の活用で【流れと応募条件】
近年、副業やフリーランスとしての活動が広まり、企業が新たな人材を採用する際にも副業・兼業の活用が増加しています。しかし、副業・フリーランス人材の採用には、依頼する業務の選定やフリーランスの方の働きやすい環境の整備がつきものです。
こうした課題に対処するために、特に注目すべき支援策が「副業・兼業補助金」制度です。この補助金は、企業が副業・兼業の人材を派遣するか受け入れる際にかかる経費の一部を助成する制度であり、副業・フリーランス人材の採用において重要なサポートとなるでしょう。
では「副業・兼業補助金」を利用して副業・フリーランス人材を採用するための手順や条件についてはどのようなものなのでしょうか?
この記事では、副業・兼業補助金の詳細や、適用される経費・申請の流れについて解説します。
副業・兼業支援補助金とは?
副業・兼業支援補助金は、企業や団体が副業・兼業の人材を派遣したり受け入れたりする際にかかる経費の一部を補助する制度です。厚生労働省が2018年1月に、副業・兼業について、企業や働く人が現行の法令のもとでどういう事項に留意すべきかをまとめたガイドラインを作成し、政府が副業・兼業を促進する政策を打ち出しました。
この施策を元に、経済産業省より採択された企業に補助金が出ます。
この補助金の主な目的は、企業等の負担を軽減し、副業・兼業を促進することです。
この支援策は、副業・兼業の人材を送り出す企業や受け入れる企業等を支援し、労働移動の円滑化を図りながら、経費の一部を助成することで、副業・兼業を活性化させることを目指しています。企業や団体がこの補助金を利用することで、柔軟な人材活用が促進され、経済全体の活性化が期待されています。
以下では、今回の副業・兼業補助金の公募内容を解説します。
副業・兼業支援補助金の公募内容を詳しく解説
第2次公募の受付(電子申請)は2023年7月7日(金)から2023年8月17日(木)の18時まで行われます。
申請は補助金申請システム「jGrants(Jグランツ)」で受け付けます。申請には「gBizIDプライム」アカウントが必要ですが、取得には約2週間かかるため、申請を検討している方は早めに利用登録を行ってください。
本事業は、類型Aと類型Bの2つの類型に分かれており、それぞれ異なる要件や補助対象経費、補助率、上限額が定められています。
類型A(副業・兼業送り出し型
補助率:2分の1以内
補助上限額:1事業者あたり100万円、副業・兼業の人材1人あたり50万円、1事業者あたり250万円(最大5人まで)
補助対象経費:①専門家経費、②研修費、③クラウドサービス利用費
要件:自社の従業員が他の企業等での就業等を認めるための環境整備を行い、一定の要件を満たすことが必要です。
類型B(副業・兼業受け入れ型)
補助率:2分の1以内
補助上限額:1事業者あたり250万円
補助対象経費:①仲介サービス利用料、②専門家経費、③旅費、④クラウドサービス利用費
要件:他の企業等で雇用契約又は業務委託契約に基づき就業している個人を、自社の業務に3か月以上就業させる際、一定の要件を満たすことが必要です。
副業・兼業支援補助金の申請方法は?申請の流れを解説
副業・兼業補助金の申請は、補助金申請システム「jGrants」で申請することができます。
申請方法や必要な応募書類については、公募説明会で説明した資料を公式サイトからダウンロードしてください。
副業・兼業補助金の申請の流れ8ステップ
副業・兼業補助金の交付規程・公募要領に自社が該当するかを確認する
副業・兼業補助金の利用が見込まれる各種サービスの選定・研修等の企画検討・依頼先の専門家の検討などに伴う見積書の取得(※契約は交付決定日以降)
GビズIDプライムの取得(※未取得の場合)
本事業の申請書、事業計画書の作成
必要書類の準備(見積書・履歴事項全部証明書・決算書等)
jGrantsにGビズIDプライムでログイン。本事業の申請フォームから公募申請(必要情報の入力・添付)
審査委員会による採択審査
採択・交付決定
副業・兼業支援補助金の補助対象となる経費|7種類
副業・兼業支援補助金には、支援補助となる対象の経費が存在します。対象以外の経費については補助申請が通らないケースがあるので注意が必要です。
以下で、副業・兼業支援補助金の種類ごとに対象となる経費を確認しましょう。
【類型A】送り出し型の補助対象経費
1.専門家経費
この補助対象経費は、副業や兼業において、専門家のサービスや専門知識を利用する際に発生する費用が含まれます。例えば、コンサルタントやアドバイザーへの報酬やコンサルティング料などが該当します。
2.研修費
この補助対象経費は、副業・兼業に従事する個人が専門的なスキルや能力を向上させるために受ける研修やセミナーにかかる費用を指します。継続的な学びとスキルアップを支援することで、副業の質の向上を図ることが目的です。
3.クラウドサービス利用費
クラウドサービスを利用して副業や兼業に必要なツールやプラットフォームを提供してもらう際の費用が、この補助対象経費に含まれます。例えば、ウェブホスティング、オンラインストレージ、プロジェクト管理ツールなどが該当します。
【類型B】 受け入れ型の補助対象経費
1.仲介サービス利用費
この補助対象経費は、副業・兼業を行う個人が、仲介業者を通じて案件やプロジェクトを受ける際にかかる費用を指します。仲介手数料やプラットフォーム利用料などがこの経費に含まれます。
2.専門家経費
類型Aと同様に、専門家のサービスを利用する場合の経費も類型Bに含まれます。副業や兼業においては、外部の専門家のアドバイスやサポートが重要な場合があります。
3.旅費
副業や兼業のために移動や出張が必要な場合の費用が、この補助対象経費に含まれます。交通費、宿泊費、食費などが該当します。
4.クラウドサービス利用費
類型Aと同様に、クラウドサービスの利用にかかる費用がこの経費に含まれます。クラウドを活用することで、副業や兼業の効率化やスケーラビリティの向上が期待されます。
副業・兼業支援補助金のよくある質問【Q&A】
Q.補助金の申請から交付までの流れを教えてください。
A.補助事業開始までの大まかな流れは以下のとおりです。
①公募申請、②採択審査、③採択・交付決定、④事業開始、⑤事業完了・実績報告
採択・交付決定までの詳細については、公募要領をご確認ください。
Q.公募は何回ありますか。
A.第2次公募以降の実施スケジュールは未定です。事務局ホームページで最新の情報をご確認ください。
Q.申請に当たってどのような書類が必要ですか。
A.申請書類は類型ごとに異なります。詳しくは、公募要領の「6-4 申請書類」をご確認ください。
Q.申請書類はどこで入手できますか。
A.ホームページの「申請方法・応募書類」より、最新のものをダウンロードください。なお、類型ごとに申請書式が異なりますので、ご注意ください。
副業・兼業支援補助金のまとめ
副業・兼業支援補助金の活用により、副業・兼業人材の派遣や受け入れにかかる費用負担を軽減できます。さらに、社員の副業・兼業を認め、積極的に推進することには多くのメリットがあります。まず、社員が副業・兼業を通じて様々な経験やスキルを得ることで、本業に活かす機会が増え、より多様なアイデアや切り口が生まれることが期待されます。
また、副業・兼業の推進は人手不足の解消にも寄与します。社員がより充実した働き方を実現できるため、モチベーションの向上や離職率の低下が期待されます。これにより、企業は安定した人材確保に向けた取り組みを強化することができます。
副業・兼業支援補助金を活用しながら、具体的な施策を進めることで、社員の働き方改革や企業の成長戦略をより実効性のあるものとすることができるでしょう。この機会に、柔軟な働き方の推進に取り組むことをお勧めします。
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